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水曜日, 7月 18, 2012

九竜虫

○九竜虫(きゅうりゅうちゅう)

 東南アジアから中国南部にかけて分布するゴミムシダマシ科のキュウリュウゴミムシダマシ(Marianus dermestoides)の全虫を用いる。成虫の体長でも6~8mmくらい、暗黒色で光沢のある小さな長楕円形の虫で寿命は約3ヶ月である。

 幼虫、成虫ともに穀物や果実などを食べる害虫とされているが、江蘇・浙江・福建省などでは飼育されている。日本では第二次大戦直後などに強精剤として生きたまま呑むことが流行ったことがある。

 漢方では活血化瘀・温裏・理気の効能があり、中風の半身不随や胃痛、虚労による咳嗽などに用いる。打ち身や外傷には擦りつぶして患部に塗布する方法もある。ただし、この虫がサナダムシなど寄生虫の中間宿主になる可能性が指摘され、生きたまま服用しないほうがよいともいわれている。