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木曜日, 8月 09, 2012

キンマ

○キンマ

 マレーシア地域を原産とするコショウ科の常緑つる性植物キンマ(Piper betle)の葉を用いる。中国では果穂を蒟醤、葉を蒟醤葉という。現在ではインド、アフリカ、中国南部、台湾などでも栽培されている。

 葉には香りがあり、刺激的な味がする。東南アジア、インド、ミクロネシアなどでは、古くから檳椰子を割ったものと、消石灰をキンマの葉で巻きつけ、ベテルと称するチューインガムのような嗜好品として知られている。地方によってはこれに阿仙薬やタバコ、丁香も肉豆蔲なども混ぜて供されている。

 ベテルは酒やタバコに匹敵する嗜好品で、口臭を除き、消化を助けるとともに興奮剤としての効果もある。檳椰子の中の成分が石灰と反応して、噛むと真っ赤な汁が出て、唾液や唇が赤くなり、歯や歯茎は赤黒く染まる。タンニンが多いため歯槽膿漏の予防になるともいわれている。

 キンマの葉にはカビコール、カビベトールなどの精油成分が含まれ、降圧、抗菌、抗寄生虫作用などが知られている。中国医学では止咳・止痛・消腫の効能があり、咳嗽や胃痛、脚気、湿疹などに用いる。