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金曜日, 3月 14, 2008

エスカルゴエキス

〇エスカルゴエキス

 エスカルゴはマイマイ科の食用カタツムリ(蝸牛)で、フランス料理の前菜として馴染み深い食材である。味覚の楽しみもさることながら、カルシウム、コンドロイチン硫酸、タウリンといった注目の栄養素を多く含むところから、健康食品素材としても利用されている。カタツムリは中国薬草書の古典・本草綱目に消渇(糖尿病を指す)、丹毒、利尿、鼻血、耳鳴り、痔疾などへの効用が記され、わが国の民間療法では黒焼きを腎臓病に用いてきた経緯がある。

 エスカルゴエキスはカルシウムが100g中550mgと多いことが特徴である。また、ネバネバの主成分であるコンドロイチン硫酸は腎炎や肝疾患、動脈硬化などの医薬品成分として知られている。アミノ酸のタウリンは高脂血症、動脈硬化、不整脈などの予防に効果がある。健康食品素材の条件の一つに、それが入手しやすいということがあるが、その点、輸入に頼るしかなく品薄だったブルゴーニュ地方産のエスカルゴはハンディを背負っていた。しかし、大平章((財)高冷地農業研究所)らによって独特の人工飼育方が確立され、1994年には農水省の飼育許可も下りて供給が可能になったことで、おいしい健康食品が実現した。