○晋耆(しんぎ)
中国の甘粛省・寧夏・四川省などに分布するマメ科の多年草ヘディサルム・ポリボトリス(Hedysarum polybotrys)の根を用いる。これと同属植物にイワオウギ(H.esculentum)があり、イワオウギの根は和晋耆と称されている。
いわゆる黄耆の基原植物はマメ科ゲンゲ属のキバナオウギ(Astragalus membranaceus)やナイモオウギ(A.mongholicus)などであるが、この晋耆は同じマメ科でもイワオウギ属である。この晋耆は日本市場で束黄耆として流通していたが、日本薬局方では除外されている。ただし、中国ではこの晋耆も黄耆のひとつとして扱われ、むしろ本品のほうが尊ばれて高価である。
晋耆には黄耆と同様に利水・止汗・補気の効能があり、浮腫や盗汗、麻痺、脱肛、子宮下垂などに用いる。