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火曜日, 4月 17, 2012

海桐皮

海桐皮(かいとうひ)

 インド原産で沖縄県や中国南部、東南アジア、太平洋諸島などで広く植栽されているマメ科の落葉高木デイゴ(Erythrina variengata)の樹皮を用いる。デイゴという名は中国名の梯枯に由来する。幹や枝に太いトゲがあるため刺桐の名がある。

 デイゴは沖縄県の県花であり、赤い花が美しいので庭木や街路樹に用いられ、神戸市のフラワーロードにも多く見られる。また材質が軽いため琴や下駄、琉球漆器などの木地にも利用される。インドやマレーシアでは若芽を食用にする。薬用には春に樹皮を剥ぎ、トゲを除いて乾燥したものを用いる。

 樹皮にはアルカロイドのエリスラリンやアミノ酸、有機酸などが含まれる。水浸液には抗真菌・抗菌作用のあることが知られている。漢方では去風湿・止痛・止痒の効能があり、関節の腫痛、下痢、歯痛、疥癬などに用いる。特に関節リウマチなどによる腰や膝の疼痛やしびれ、下肢の炎症に用いる。

 慢性化した脚や腰の痛みには独活や牛膝などと酒に漬けた海桐皮酒が用いられる。また痛みのある患部を煎液で洗ったり、樹皮を粉末にしたものを貼付する。そのほか歯痛には煎液ですすいだり、疥癬や皮膚真菌症などに粉末を塗布する。なえトベラ科の常緑低木トベラ(Pittosporum tpbira)の中国植物名も海桐または海桐花という。