○鯖(さば)
海産魚のサバ科の総称だが、普通はマサバを指す。日本近海にはこのほかゴマサバ、グルクマが分布する。サバは100g中に脂肪を12.1g含むが、肉類の脂肪とは異なり、オレイン酸やEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の不飽和脂肪酸を多く含んでいる。これらはコレステロールの予防に有効である。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を正常に保つ働きがあり、生活習慣病の予防に有効である。コレステロールはサバを約100g食べると6週間で血液の粘度が顕著に下がることが明らかにされている。また、1日に85gのサバを長期間食べ続けると血圧が約7%下がるとする研究もある。
サバのタンパク質(20.7g)は必須アミノ酸を豊富に含み、アミノ酸スコアは99と高い。ビタミン類ではB2が0.28mgと多く、これ以外ではビタミンAが24ug、B1が0.15mg、ビタミンD11ug、ナイアシン10.4mgなどが目立つ。
サバは酢や味噌とよく合うので、しめサバや味噌煮にして食べられることが多い。なお、サバの生き腐れという表現があるように、サバは急速な鮮度低下が利用上の問題となることが多い。サバはアミノ酸の一種であるヒスチジンが多く含まれているが、これが酵素分解でヒスタミンという有害物質に変わるためだが、ヒスタミンはアレルギー源にもなりやすく、蕁麻疹の原因となることもある。