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金曜日, 11月 11, 2011

インドボダイジュ

○インドボダイジュ

 クワ科の常緑高木。別名にアッシュバッタ、ピッパラ、菩提樹、印度菩提樹、思惟樹などがある。原産地のインド、スリランカを中心に、南アジアから東南アジアなど熱帯地域に分布する。葉は先のとがった広卵心形で、わずかな風にも揺れてさらさらと音をたてる。花はイチジク形花序(隠頭花序)といって、花軸の先端が大きく膨らんで壷型となり、その壷の内側面に雄しべ・雌しべのいずれか一方だけをもつ単性花をつける。雌花と雄花とを同一の個体につける雌雄同株。同じクワ科のガジュマルのように気根をおろして大きくなる。

 原産地では10数メートルから20メートル以上に及ぶ大木に生長するものもあり、大きな茂みとなる。お釈迦様が49日間の思惟の後、その下で悟りを開いた木とされており、ヒンドゥー教の整地でもあり仏教の最高聖地とされるインドのブッダガヤに植えられ、神聖な木とされている。東アジアでは、仏教寺院に中国原産のシナノキ科シナノキ属の落葉高木ボダイジュが植えられているが、葉の形がインドボダイジュに似ていることから、熱帯植物で栽培しにくいインドボダイジュの代わりに栽培したと考えられている。わが国では、鉢植えの小さなものが観葉植物として販売されている。

 インドボダイジュの樹皮は、収斂作用があり、インドでは歯痛やひび割れして炎症を起こした足の治療などに用いられるほか、中国では歯痛や歯茎の強化に用いられている。薬理効果としては抗菌作用、脂質低下作用、血糖降下作用などが報告され、用途としては止血、月経過多、子宮出血、吐き気、眩暈に50%アルコール抽出物が用いられる。