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木曜日, 10月 27, 2005

ガジュツについて

○ガジュツについて

 ガジュツ(莪朮)はインド原産のショウガ科の多年草(学名クルクマ・ゼドアリア)で、南アジア一帯で広く栽培され、日本では沖縄県、それに屋久島、種子島で良質品を産する。ウコンの仲間で、里芋に似た直径4~5cmの卵形の根茎の断面は周辺が淡黄色、中央部が淡い紫色を帯び、特有の芳香と非常に強い特徴的な苦味を持っているが、それを薄く切って乾燥させ粉末にしたものが生薬として用いられている。その形と固さと顕著な薬効とによって、わが国では古くから弘法大師の石芋とも呼ばれたりした。

 中国薬物書の古典「本草網目」は主治として消火器病、感染症、血の道症、腫瘍、小児喘息などを上げて紙幅を割き、古今の彼我の文献には健胃、駆風、鎮痛、駆瘀血、通経薬として薬効顕著であることが紹介されており、現行の日本薬局方にも薬草として収められ、ガジュツを主剤とした漢方薬もあるが、それだけに有効成分とその薬理作用に関する研究も盛んに行われ、全量の約1~1.5%に当たる精油成分からは多くはモノテルペン類(シネオールやカンファーなど)、セスキテルペン(アズレンなど)、クルクミン類など微量成分を含めると100種近くが見出され、それらの作用機序が解明されてきた。

 芳香性があるため飲んだときに胃がすっきりとし、特有の苦味(モノテルペン類の配糖体)が刺激となって胃液の分泌を促し、同時に精油成分のシネオールも唾液や胃液の分泌を促すので、消化力が高まるという健胃効果をもたらす。さらにシネオールには胆汁の分泌を促す作用があって消化を助けるとともに、血中コレステロールを下げる働きもする。また、相当強い殺菌・防腐作用を持っており、同様の作用はカンファーという成分にも備わっている。カンファーはカンフル剤の主成分で強い強心作用がある、というように、多様な成分の相乗効果によって生じる非常に多岐にわたる効果が相次いで報告され、マウスの実験で、ガジュツのエキスに抗腫瘍作用、肝障害の発生を抑える作用があることを認めている。また水野修一は臨床試験によって、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性萎縮性胃炎の元凶とみられているヘリコバクター・ピロリ菌が、ガジュツの投与によって胃内から消滅することを確認している。

 その他の慢性肝炎・膵炎、胃潰瘍、不整脈、高血圧、高血糖といった重い症状以外にも、ニキビ、シミ、公衆、肩こり、腰痛、冷え性、脱毛症、夜尿症といった日常的な不調に対する効果も多数公表されるとともに、ウコンとの併用による相乗的な事象も報告されている。

 ガジュツ粒