スポンサーリンク

火曜日, 3月 28, 2006

紅豆杉について

○紅豆杉

 中国雲南省の山岳地帯(標高4000mの厳寒地)に自生する紅豆杉は、イチイ科に属する樹木で、2億年前(中生代)から生き残ってきた地球に現存する最古の樹木とされている。平均樹齢は3000年以上、幹周5.6m、樹高21m(平均値、中国科学院調査)の巨木である。

 近年の研究では、高山や砂漠など過酷な環境に生きる生物ほど、その生命を支えるための特殊な機能物質を体内に豊富に持っていることが明らかにされているが、紅豆杉もまたその例にもれない。万里の長城の建造で知られる秦の始皇帝は不老不死を願ったことでも有名だが、その時代、紅豆杉が塩とともに不老の仙薬に名を連ねていたことが近年明らかにされた。

 紅豆杉が現代に蘇る契機となったのは、1956年にアメリカの化学者ルーカスが、紅豆杉の抽出物質に抗ガン作用があることを発見したことによる。そして71年には同じくヴァニが、抗ガン物質の一つを単離してタキソールと名づけた。その後、合成方が模索されて注射薬ができ、94年には抗ガン剤としてFDA(アメリカ食品違約局)が認可している。日本でも97年に抗ガン剤(保険の適用は卵巣ガン・乳がん・子宮ガン・肺ガン)として認可、今では世界50数カ国で使われている。

 一方、薬剤としてではなく、天然剤としての紅豆杉についても、その薬理研究が進んでいる。富山医科薬科大学和漢研究所の門田重利は、日本薬学第122回年会(2002年)で、紅豆杉のガン細胞に対する作用木序を明らかにした発表を行っている。また、金沢医科大学の平井圭一は、紅豆杉の天然成分が、①正常細胞を傷つけず、ガン細胞だけを狙い撃ちして増殖を阻害し、死滅させる選択的抗ガン性がある、②特異な直接攻撃でガン細胞を自然死(アポトーシス)させる、③免疫賦活作用を併せ持つ、という研究成果を第41回日本癌治療学会(2003年)で発表している。

 紅豆杉にはまた、花粉症などのアレルギーに対しても顕著な改善作用のあることが、北里大学の岡野哲郎らの研究グループによって明らかにされている。実験は、まず最初にマウスを使ってスギ花粉(抗原)に反応する実験用の細胞を調整し、この細胞群にスギ花粉抗原とともに紅豆杉茶を入れ、ヒスタミンやEPOの放出量を調べた。紅豆杉茶は3種類の濃度を用意し、対照には麦茶を用いた。結果は、ヒスタミンの場合も、RPOの場合も、紅豆杉茶の濃度を濃くするほど放出が大幅に減少し、EPOでは紅豆杉茶10ulの濃度でゼロになるという結果を得ている。

 また、この実験と平行して、スギ花粉のメッカである東京・奥多摩の診療所と、花粉が比較的少ない都心の港区の病院患者を対象として、紅豆杉茶の飲用による花粉症改善の臨床試験も行われている。その結果、花粉が少ない都心での病院では、くしゃみを除く全症状(鼻水、鼻閉、鼻・のど・目の痒み、涙目)で、ほぼ100%の改善効果が得られたという。

紅豆杉の商品一覧