○カマラ
中国中南部、台湾、インド、フィリピン、オーストラリアなどに分布するトウダイグサ科の常緑高木クスノハガシワ(Mallotus phillippinesis)の果実の腺毛および束毛を用いる。球形の果実は紅色の束毛や腺毛で密に覆われているが、この腺毛などを果皮から脱落させて採取する。これは暗赤褐色の色の粉末で、わずかに独特のにおいがあり、水に浮かべると水面が少し赤く染まる。子の粉末をカマラと呼び、インドでは絹や羊毛を赤く染める染料として用いている。
赤色の主成分はロットレリンであり、駆虫作用がある。一般には犬などの家畜の条中駆除薬として用いられている。南西諸島では月経不順や皮膚疾患に用いている。近年、樹皮エキスにはコラーゲン産生促進作用があり、化粧品の成分として利用されている。