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火曜日, 1月 10, 2006

ヤーコンについて

○ヤーコン

 ヤーコンは、キクイモによく似たキク科の多年草で、南米アンデス地方が原産。草丈は1.5~2mで黄色い花をつける。地下に1つ200gくらいの、サツマイモによく似た塊根ができるが、現地ではこの部分を食用イモの一つとして利用している。別名アンデスポテトと呼ばれる。

 食用にされる塊根は多汁で甘みがあり、皮をむいて生で食べると梨のような歯ざわりがある。きんぴらごぼうのように炒め物にしたり煮物にしても良い。日本にはニュージーランド経由で昭和の末期に導入されたが、日常的な食材としては普及しなかった。

 ヤーコンが最近になって注目され出したのは、腸内細菌のバランスを整え、コレステロールを低下させるフラクトオリゴ糖の含有量が驚異的に多い(乾燥物で67%)ということである。また、キクイモと同じように難消化性多糖のイヌリンが含まれている。サツマイモやジャガイモに多いデンプンは含まれていないため、低カロリー食品でもある。

 フラクトオリゴ等は、ショ糖に1~3個の果糖(フルクトース)が結びついたオリゴ糖の一種で、天然にはヤーコンのほか、ゴボウ、アスパラガス、ニンニクなどの野菜類に含まれているが、現在ほとんどは、ショ糖に果糖転移酵素を作用させて工業的に生産されている。フラクトオリゴ糖には大腸内のビフィズス菌の増殖を促し、便秘、高脂血症の改善の他、血糖値の抑制、老化防止、ミネラル吸収促進などの効果が認められている。このため肥満や動脈硬化の予防につながる低カロリー甘味料、虫歯の心配のないネオシュガーの素材として広く利用されている。

 天然フラクトオリゴ糖のかたまりともいえるヤーコンを使った健康食品としては、ヤーコンジュースやヤーコン茶がある。