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木曜日, 2月 27, 2014

吐根

○吐根(とこん)

 ブラジル南部を原産とし密林に自生するアカネ科の木本状の多年草トコン(Cephaelis ipecacuanha)の根を用いる。3年以上の株の値を乾燥させ、一定期間貯蔵したものを用いる。マレー半島やスリランカでも栽培されている。

 成分のトコンアルカロイドにはエメチンやセファエリンなどが含まれる。エメチンにはアメーバに対する強い毒性や知覚神経を刺激による催吐作用、去痰作用もみられ、またセファエリンにはエメチンより強い催吐作用がある。もともとブラジルの原住民は下剤として用いていたが、ヨーロッパに伝えられてアメーバ赤痢の特効薬として知られるようになった。

 少量では食欲増進、去痰剤としても使用される。今日でも代表的な催吐剤である。日本では余り普及していないが、欧米では胃洗浄の代わりに吐根シロップを用いることのほうが多い。日本では浅田飴など市販薬の鎮咳・去痰薬にしばしば配合されている。