スポンサーリンク

水曜日, 4月 17, 2013

縮砂

○縮砂(しゅくしゃ)

 インドシナ半島や中国の雲南省に分布するショウガ科の多年草シュクシャミツ(Amomum xanthioides)やヨウシュンシャ(A.villosum)の種子塊を用いる。日本薬局方ではシュクシャミツが規定されているが、中国ではおもにヨウシュンシャを用いている。

 種子塊は直径1~2cmくらいの団子状で、3室に分かれており、角室は10~20個の種子が集まってできている。種子は多角形の粒状で、砕くと独特の芳香があり、味は辛い。生薬には白くなっている縮砂もあるが、これは石灰を用いて乾燥させたものである。日本ではショウガ科のハナミョウガの種子を伊豆縮砂といい、かつては縮砂の代用とした。

 種子にはカンファー、ボルネオールなどが含まれ、芳香性健胃薬として知られる。近年、ボルネオールの配糖体であるアモムサイドに鎮静作用のあることが報告されている。

 漢方では理気・化瘀・寛胸・安胎の効能があり、食欲不振、下痢、胎動不安などに用いる。とくにストレス(気滞)による膨満感や腹痛、痞えなどに効果がある。また妊娠のときの悪阻には縮砂を噛んで服用する。