スポンサーリンク

木曜日, 11月 17, 2005

玄米について

○玄米

 玄米は久しく忘れられた存在であったが、近年、加工食品の氾濫、食事の欧米化による弊害が指摘される中で、日本人の主食である米の栄養価が再検討されるに及び、健康回復の決め手として注目されるようになった。

 玄米も白米も同じイネ(稲)であることはいうまでもないが、精米の過程でさまざまな有用物を取り除いてしまったのが白米であるといえよう。稲は外側から順に籾殻、果皮・種皮・糊粉層からなる米糠、胚乳という構造になっており、胚乳には発芽部分である胚芽(米胚芽)がついている。このうち、籾殼のみを取り除いたのが玄米、米糠と胚芽を取り除いて胚乳だけになったのが白米である。また、精米法を工夫して、胚芽を残しながら米糠部分だけを取り除いて胚芽米もある。

 胚乳がほぼデンプンだけであるのに対し、米胚芽にはビタミンB群、ビタミンE、K、ミネラルが豊富に含まれている。また米糠には良質なタンパク質、脂質、植物繊維類が豊富だ。果皮と種皮層には脂肪、タンパク質、植物繊維(セルロース)など、糊粉層には脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをそれぞれ含んでいる。植物繊維は胃や腸の蠕動を活発にし、便秘の予防に役立つほか、腸内でビタミンを合成する働きがあり、現代人に不足がちな成分として重要性が見直されている。このような意味から、玄米を「完全食品」と定義する人も多い。

 そこで白米偏食によって起こる障害であるが、便秘、貧血、不眠、思考力の低下、物忘れ、脚気、自律神経失調症、動脈硬化、肩凝り、慢性疲労のほか、ガンの原因にもなる、と報告されている。なかでも脚気は、江戸時代以降に白米を多く摂るようになったことからビタミンB1が不足して急増したもので、明治時代には日本人の国民病とまでいわれていた疾患である。

 一食に白米を茶わんで2~3膳食べる人が栄養のバランスをとるには、食べきれないほどの副食品を食べる必要があるが、玄米ならばその必要はない。逆にいえば、それほど玄米には各種栄養素がバランスよく含まれているのである。玄米の効用についてまとめてみると、次のようになる。

 ①玄米の外皮のセルロース(植物繊維)が腸壁を刺激し、胃や腸の働きを活性化し、消化吸収を早める。そのため便秘の解消や慢性胃腸病の回復などに効果がある。②血圧を正常に戻し、コレステロールを減少する作用がある。白米は酸性食品だが、玄米は胚芽中のビタミン、ミネラルが豊富で、体内で吸収されると血液をアルカリ性にするアルカリ性食品である。これによって、血糖値が正常に保たれ、ストレスに対する抵抗力がつき、高血圧、動脈硬化に効果がある。また、鉄分をはじめとするミネラルがレバーに匹敵するほど多く、造血機能を高め、貧血の予防・治療にも有効である。③心臓病や痔、あるいは虚弱体質といわれる人にも有効である。また、玄米食をゆっくり食べると過食をしなくなるので、栄養過多にようる糖尿病、肝臓病にも有利に働く。

 玄米は通常、白米と同じように炊いて食べるが、精白米に比べると硬いため圧力釜を利用することが多いが、最近は玄米を簡単に炊くことができる家庭用炊飯器も売られている。普通の炊飯器を使う場合は二度炊きして炊き上げる工夫が必要だ。このほか、普通の土鍋を使い、玄米と一緒に入れて炊くと炊飯中に玄米が発芽し、やわらかく炊き上がるという特殊なセラミック製品も出ている。どうしても玄米の堅さが気になるという人は玄米粥にして食するという方法もある。また最近では、玄米の全粒を微粉末にした製品もあり、さまざまな料理に活用することが可能だ。