○大腹皮(だいふくひ)
マレー半島原産でインドネシア、フィリピン、中国南部に植栽されるヤシ科の常緑高木ビンロウ(Areca catechu)の果実の果皮を大腹皮という。種子は檳椰子という。日本には奈良時代にこの果実が薬用や染料の目的で輸入された記録がある。
一般に果実を半割りにして種子を除いているため、長さ6cm、幅3cm、厚さ1cmぐらいのお碗形をしており、外側はシュロ状の繊維で覆われ、内側は黄褐色でつやがある。本来、この部分は種子を包んでいる繊維性の果肉である。
漢方では降気・寛中・止瀉・利水消腫の効能があり、消化不良や腹部の膨満感を改善し、脚気や腹水などの浮腫に用いる。