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月曜日, 7月 01, 2013

水仙根

○水仙根(すいせんこん)

 地中海沿岸に分布し、ギリシャ、中国を経て、日本に渡来したヒガンバナ科の多年草スイセン(Narcissus tazetta)の鱗茎を用いる。また花は水仙花という。ニホンズイセンはフサザキスイセンの変種といわれ、現在では伊豆や淡路島、越前海岸などの海岸部に大群落をなして野生化している。

 根はヒガンバナ(石蒜)と同様に有毒であるリコリンやプソイドリコリンなどのアルカロイドを含み、誤って食べると嘔吐や腹痛をおこし、ひどければ痙攣や昏睡に陥り、死に至る。催吐薬として用いたこともあるが、内服しないほうがよい。

 薬用には生の鱗茎を金属以外のおろし器ですりおろし、その汁を腫れ物や筋肉痛に外用する。とくに乳腺炎の腫れ物に効果がある。水仙花には芳香性の精油としてオイゲノール、リナロールなどが含まれ、活血薬として生理痛や月経不順に用いる。