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木曜日, 5月 17, 2012

葛花

○葛花(かっか)

 マメ科のつる性木本クズ(Pueraria lobata)の花を乾燥したものを用いる。クズの根は葛根である。クズは日当たりのよい土手や山野に生え、夏から初秋のころに香りのある紫紅色の花を咲かせる。秋の七草のひとつであり、茶花としても喜ばれる。

 葛の蔓の繊維は葛布と呼ばれる織物としてふすま紙や着物などに利用されていたが、今でも掛川市などで民芸品として生産されている。またクズの葉は家畜の飼料としても利用されている。19世紀に緑化を目的として日本からアメリカにクズ(Kudzu)が移植されたが、繁殖力が旺盛なため今日では侵略的外来種として指定されている。

 葛花は花が全開する前に採り乾燥される。葛花は昔から二日酔いの妙薬といわれ、煎じたり、粉末にして服用する。葛花と小豆の花を粉末にして服用すれば酒に酔わないともいわれる。

 漢方でも酒毒を解き、胃腸をスッキリさせる目的で、二日酔いの頭痛や悪心に陳皮・縮砂などと配合する(葛花解醒湯)。最近の研究でもクズの花や根には肝のSODやカタラーゼの活性を上昇させ二日酔いを予防する効果や、アルコール摂取量を抑制する効果が報告されている。