〇サラシア
サラシアは、インド、スリランカをはじめタイやインドネシアなど東南アジアおよびブラジルなどの熱帯地域に広く分布する。高さ2~3mに成長するサラシア属デチンムル科の植物。サラシア・オブロンガ、サラシア・レティキュラータ、サララシア・ブリノイデスなどがあり、土地によっては、ポンコランチ、コタラヒムブツなどと呼ばれている。
古代インド医学のアーユルヴェーダでは、その根を現代の病名でいうところのリウマチ、喘息、虫さされなどに活用していた。日本では、サラシア・オブロンガの根部に含まれる成分が、血糖値の上昇を抑制し、αグルコシダーゼ阻害活性を持つことや糖尿病の神経障害をを引き起こすアルドース還元酵素を阻害する活性作用を有することが、動物実験で確認された90年代半ば以降、健康食品素材として注目されるようになった。
京都薬科大学などの研究では、サラシア・レティキュラータ熱水抽出エキスに糖尿病モデルラットの血糖値降下作用などが確認されている。吉川雅之(京都薬科大学)によって特定された成分(略称:ダスデス・特許成分)には、食物の糖の吸収を抑えることからメタボリックシンドロームに対する作用が注目されている。