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水曜日, 9月 12, 2012

景天

○景天(けいてん)

 中国原産で、日本にも古くに渡来して本州や九州などにも野生化しているベンケイソウ科の多年草ベンケイソウ(Sedum erythrostictum)の全草を用いる。根を抜いても容易に枯れない強さがあり、不死身といわれた弁慶にたとえてベンケイソウという。日光地方では戸口に吊り下げて魔よけにし、イキグサ(生草)とも呼ばれている。

 葉は肉質であり、糖質のセドヘプツロース、フルクトース、ショ糖などが含まれる。漢方では清熱解毒・止血の効能があり、腫れ物や丹毒、吐血、下血、創傷などに用いる。

 日本の民間では肉厚の葉をあぶって表面の薄皮を除き、肉面を腫れ物に貼り、膿を吸い出す。チドメグサともいわれ、傷口に葉を揉んでつけたり、薄皮を剥いで貼る。ハチ刺されにも葉の絞り汁を塗る。日本で観賞用に栽培されているオオベンケイソウ(S.spectabile)は大正時代に日本に渡来したものであるが、同様に用いられる。