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木曜日, 8月 23, 2007

牛肉

○牛肉

 日本人が牛肉を食べるようになったのは比較的新しく、明治政府が肉食を解禁して以降のことで、さらに広く一般的にも蝕されるようになったのは昭和に入ってからである。現在、日本で食用肉として飼育されている牛は黒毛和種がほとんどである。オーストラリアやニュージーランドから輸入されている牛肉はヘレンフォード種やアンガス種などである。

 牛肉は部位によって成分や特性に差があり、ロース、ヒレ、バラ、ランプ、モモ、肩、スネに区分されている。ロースは背中側の肉で、肩から腰にかけて肩ロース、リブロース、サーロインに分かれる。脂肪が網状には入り肉質は柔らかく、すき焼きやステーキなどに向く。ヒレはサーロインの内側に位置する部位で、脂肪が少なく最も柔らかいためステーキによい。バラは腹側の肉で、脂肪が多く肉質は硬いため煮込み料理に適している。ランプは臀部で、赤みで柔らかくタタキやステーキに向く。モモは腰から大腿部の肉をいい、脂肪分が少なく肉質は荒いが、挽肉や煮込み、炒め物など利用範囲は広い。肩は腕の部分の肉で、脂肪が少なくやや硬いため挽肉や煮込み料理に向く。スネはふくらはぎ部分の肉で、筋が多く硬いが、コラーゲンやエラスチンを多く含みスープや長時間の煮込みに向く。

 牛肉はタンパク質と脂質の供給源である。牛肉のタンパク質には9種類の必須アミノ酸が含まれており、植物性タンパク質に比べてアミノ酸バランスが良く、体内へも吸収されやすい。脂質は1gあたり約9kcal(炭水化物やタンパク質は4kcal)なので、効率よくエネルギーを摂取できる。しかし飽和脂肪酸を多く含むために、日常的に摂取過剰になると血液中のコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化の原因となる。

 脂肪を多く含む部位はバラ(和牛肉で50%)で、肩肉やモモ肉が最も少ない(輸入肉で8%未満)また、牛肉は豚肉や鶏肉に比べて鉄分が多く、それもヘム鉄として含まれているため体内へ吸収されやすい。亜鉛も牡蠣などに比べると少ないとはいえ、肉類の中ではトップクラスの含有量である。