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火曜日, 7月 03, 2012

キササゲ

キササゲ

 中国原産で、古くから日本の温暖な地方で栽培されているノウゼンカズラ科の落葉高木キササゲ(Catalpa ovata)の果実を用いる。中国生薬では梓実というが、中国ではあまり用いず、専ら根皮や樹皮を梓白皮と称して利用している。日本の生薬でキササゲといえば、この梓実のことをいう。

 キササゲとは木のササゲ(マメ科)という意味で、秋に径は5mmで長さ30cmくらいの細長い果実がササゲのように多くできる。果実は熟すと裂けてしまうので、緑色から褐色に変わる少し前に採取して日干しにする。

 果実にはイリドイド配糖体のカタルポシドが多量に含まれ、このカタルポシドには強い利尿作用がある。またその他のクエン酸やカリウム塩などの成分にも利尿作用が認められる。日本では浮腫を治療する民間薬として有名で、かつては漢方医や漢方薬局の家の庭によく植えられていた。腎炎、妊娠浮腫、脚気などの浮腫に効果があり、しばしば南蛮毛などと配合する。

 今日でも家庭薬として用いられている利尿剤にはしばしばキササゲが配合されている。ただし多量に服用すると悪心、嘔吐、徐脈などの副作用がみられる。