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火曜日, 12月 03, 2013

胆礬

○胆礬(たんぱん)

 銅の鉱石中に含まれる藍色の結晶、天然の硫酸銅を胆礬という。また硫酸と銅を反応させて人工的に硫酸銅をつくることもできる。不規則な塊状の結晶体で藍色であり、ガラス様の光沢がある。

 成分は硫酸第二銅の5水塩(CuSO4・5H2O)であり、加熱すると結晶水を失い白色粉末の無水塩になる。工業用には木材の防腐剤、染料や顔料に使用されるほか、農薬のボルドー液の原料でもある。皮膚や結膜に刺激性があり、飲むと反射的に嘔吐を催す。

 漢方では有毒で、催嘔・去腐・解毒の効能があり、おもに口内炎や歯槽膿漏、痔、結膜炎、腫れ物などに外用薬として用いる。歯槽膿漏には麝香・竜骨などと粉末にして塗布する(麝香雄礬散)。疔、瘡などの化膿性皮膚疾患の排膿薬として用いる(青膏)。また、脳卒中や癲癇などで咽に痰が詰まる喉痺状態に催嘔剤として内服させる。