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月曜日, 2月 06, 2006

鯉エキスについて

○鯉エキス

 鯉は淡水魚の中でも寿命の長い魚としてよく知られ、現在北半球では寒冷地を除くアジア、ヨーロッパ、北米、東南アジアに、南半球ではオーストラリア、ニュージーランドでも繁殖している。中国では「鯉は川を上り龍になる」という言い伝えから、糖酷鯉魚(鯉の丸揚げ甘酢かけ)は縁起のよいものとされる。

 わが国では貴重なタンパク源として、広く一般的に鯉の洗いのほか、味噌汁仕立ての鯉濃が食膳に上がってきた。精力がつき、疲労回復の効果が期待され、授乳期の女性が飲むと乳の出がよくなるといわれている。妊娠中毒症(浮腫)、つわり、慢性腎炎などへの効果も認められており、また、鯉の胆嚢が眼精疲労によいことも古くから伝承されてきた。利尿作用が顕著で浮腫を除くともされ、中国医学では「肥満、咳嗽気逆(しゃっくり、咳、げっぷなど)、乳汁不通を治す」といわれている。

 このような経験的事実を確認する中で、近年は研究が本格化し、鯉の丸ごとのエキスに「抗ガン剤の作用を高める」「肝機能障害を予防する」「アトピー性皮膚炎や血行不良を改善する。」といった機能性が見出されている。愛媛大学医学部の奥田卓道らの研究グループは、抗ガン剤の5-FU(5-フルオロウラシル)投与によって起こる副作用(腸壁細胞の破壊、白血球の減少による感染症発症、下痢、口内炎、脱毛など)に対し、鯉エキスが有効であることを明らかにしている。すなわち、ザルコーマ180固形ガンを移植したマウスに5-FUと鯉エキスを併用投与すると、5-FU単独投与よりも、2倍も抗ガン作用が向上した。その分5-FUの投与を減らせるので、副作用の被害を軽減できるのである。さらに、5-FUを投与した動物実験のマウスは、脾臓重量の低下や白血球の減少という免疫機能低下を起こすが、このとき鯉エキスを投与(0.5mg/2回/1日)すると、脾臓重量の低下も白血球の減少も、5-FU非投与群のレベルまで回復した。同研究グループは、鯉エキスが過酸化脂質による肝障害を予防することも確認している。ラットに酸化したコーンオイルを1日につき2mlずつ10日間飲ませた場合、鯉エキス非投与群は血清中のGOT・GPT値ともに上昇するが、鯉エキス群は低下した。さらに、不定愁訴を招くアドレナリンの分泌を抑制する働きがあることも突き止められた。

 大阪市立大学医学部のグループ(清原祥恵ら)は、鯉の脂にカワラヨモギと米糠を加えた軟膏をアトピー性皮膚炎患者89名に5週間使用して痒みの軽減効果を調べた結果、全体の7割の痒みに対して有効であったという結果を報告している。

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