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木曜日, 5月 31, 2007

酵母エキス

○酵母エキス

 酵母によるアルコール発酵が終了した後に残る余剰酵母や、酵母の自己消化液を濃縮して乾燥粉末したもの。各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸、食物繊維を多く含んでいるため、医薬品や健康食品の素材として利用される。代表的なものに、ビールの発酵後に得られる乾燥ビール酵母がある。また、食材としては清酒の発酵後にもろみから得られる酒粕にも酵母が多く含まれている。

(財)日本健康栄養食品協会が1986年に公示した「酵母食品規格基準」では、酵母食品を「食用酵母(ビール酵母、パン酵母)、乳酵母の菌体を乾燥酵母換算で50%以上含む食品」、酵母加工食品、酵母エキス加工食品を「食用酵母(ビール酵母、パン酵母、乳酵母)の菌体、またはそのエキス(原料酵母から分離・抽出によって得られるアミノ酸、ペプタイド、タンパク質、ビタミンB群を主とする可溶性成分)を主原料とし、乾燥酵母換算で30%以上を含む食品」と定義している。

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水曜日, 5月 30, 2007

しその葉茶

○しその葉茶

 紫蘇はシソ科の一年草で、葉が紫色で爽やかな香気が人を蘇らせることから、紫蘇と名付けられた。赤ジソ、青ジソ、穂シソがあるが、漢方生薬の紫蘇葉には赤ジソ(チリメンジソ)の葉を乾燥したものが用いられる。

 シソ特有の香気を生むペリルアルデヒドという精油成分には発汗作用、胃液の分泌促進、利尿作用があるが、発汗効果を高めるときは単独では弱いので、生姜などを配合した発汗効果を高めることも行なわれる。シソの葉や花穂を煎じて飲むと、下痢、初期の風邪によいとして古くから家庭でも親しまれてきた。お茶にするには生気盛んな9月頃に葉を摘み取って陰干しし、湿気をさせて保存しておき必要に応じて茶碗に取り分けて熱湯を注げばよい。

 シソの葉エキスの抗アレルギー効果について調べた山崎正利(帝京大学薬学部)の研究によると、アトピー性皮膚炎に用いるステロイド剤と同等の抑制作用が認められたことを明らかにしており、臨床でも高い改善率を見たという報告がある。

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火曜日, 5月 29, 2007

おおばこ茶

○おおばこ茶

 オオバコ(大葉子)はオオバコ科の多年草で、日当たりの良い路傍や土手、庭園などに生え、葉が大きく広いことからこの名がついた。荷車を引く牛馬の足跡や轍によく生えたところから車前草ともいう。また、葉の形がカエルに似ていることから、”かえるっぱ”ともいう。古くから民間薬として使われ、乾燥させた全草を煎じて発熱や消化不良、咳の治療に用いられてきた。

 主な成分は、葉にアウクビンという配糖体やビタミンA・C・K、有機酸、スルフォラフェンなどが含まれ、種子にはプランテノール酸、コハク酸、アデニン、コリンなどの微量成分を含んでいる。そのほかプラレタギンという配糖体を含み、胃の消化液の分泌をよくし、咳止めの効果があるとされている。

 オオバコの効用は胃腸病、肋膜炎、婦人病、頭痛、蓄膿症、むくみ、咳、発熱、便秘(種子を煎じて服用する)、心臓病、動脈硬化(生葉の青汁を盃に1杯くらい飲む)などとされる。

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月曜日, 5月 28, 2007

機能性オリゴ糖(5)

◆ラクチュロース

 ミルクオリゴ糖ともいう。フルクトースとガラクトースがβ-1、4結合したオリゴ糖。ラクトースにアルカリを作用させ、グルコースをフルクトースに置換して作られる。甘味度はショ糖の約60%。難消化性のため大腸内でビフィズス菌をよく増殖させ、腸内を酸性に保って有害菌の繁殖を抑える働きがある。人工栄養児の腸内細菌叢に有益であるほか、便秘や下痢の改善にも有効との報告がある。

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◆アガロオリゴ糖

 寒天に含まれる多糖アガロースを分解して得られるアガロビオース(二糖類)を主成分としたオリゴ糖。1998年にタカラバイオが開発した。同社の研究によると、①ガン細胞のアポトーシスを誘導する、②発ガンに関与するプロスタグランジンE2を抑制する、③活性酸素の賛成を低減する、などの機能性がある。

キシロオリゴ糖

 キシロースが2~3個重合した難消化性オリゴ糖。トウモロコシの芯などに含まれる多糖キシランを酵素分解して得られる。甘さは砂糖の1/3。難消化性のため生体酵素ではほとんど分解されずに大腸へ達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり2kcalのエネルギーとなる。ビフィズス菌増殖による整腸作用のほか、血清コレステロールの低下作用、ミネラルの吸収促進効果などがある。トクホのおなかの調子を整える食品の関与成分の一つ。

◆キトオリゴ糖

 キチンオリゴ糖ともいう。カニやエビの甲羅に含まれる多糖類のキチンやキトサンを酵素分解しておられるオリゴ糖。抗腫瘍活性や免疫賦活作用が見出されている。

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日曜日, 5月 27, 2007

機能性オリゴ糖(4)

◆ガラクトオリゴ糖

 主にガラクトースを構成糖とする難消化性オリゴ糖。高濃度のラクトース(乳糖)に微生物起源の酵素(β-ガラクトシダーゼ)を作用させて得られる。甘味度はショ糖の約40%と低い。生体酵素ではほとんど分解されずに大腸へ達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり2kcalのエネルギーとなる。腸内ビフィズス菌の増殖を非常強く促し整腸作用がある。う蝕性がないので虫歯や歯垢の原因にはならない。また、ミネラルの吸収を促進する作用がある。

◆ラクトスクロース

 乳化オリゴ糖ともいう。ラクトース(乳糖)のグルコース側にフルクトース(果糖)がβ-1、2結合した三糖の難消化性オリゴ糖。砂糖に近いグラニュー糖のような甘味(砂糖の60~80%)を持ちながら、難消化性という特徴がある。生体酵素ではほとんど分解されずに大腸へ達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり2kcalのエネルギーとなる。

 林原生物科学研究所が横浜国際バイオ研究所と共同で、ラクトースとスクロース(ショ糖)から酵素反応を利用して大量生産する技術を開発した。乳化オリゴは林原生物化学研究所の登録商標。他の難消化性オリゴ糖と同様、ビフィズス菌をよく増殖させ、整腸作用に効果のあることがヒト試験で証明されている。トクホのおなかの調子を整える食品の関与成分として数多くの製品に使われている。

ラクトスクロースの商品

◆イヌロオリゴ糖

 キク科植物の菊芋やチコリに含まれる多糖イヌリンを酵素分解して作られるオリゴ糖。ビフィズス菌の増殖作用があり整腸作用が認められている。また、低カロリー甘味料としても用いられている。

キクイモの商品

土曜日, 5月 26, 2007

機能性オリゴ糖(3)

◆パラチノース

 グルコースとフルクトースがα-1、6結合したオリゴ糖。スクロースに微生物の生産する転移酵素(α-グルコシルトランスフェラーゼ)を作用させて作られる。上品な甘味(甘味度はショ糖の約半分)を持つ。カロリーは砂糖と同じだが、イソマルターゼの作用で分解される速度が砂糖より遅いため、血糖値の上昇が穏やかになる。常用しても虫歯になりにくいことがヒト試験で証明されており、トクホの虫歯になりにくい食品の関与成分になっている。

◆ラフィノース

 ビートオリゴ糖ともいう。ビート(サトウダイコン)からスクロースを抽出した後の残液から分離調整される難消化性オリゴ糖。生態酵素ではほとんど分解されずに大腸へ達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり2kcalのエネルギーとなる。ビフィズス菌増殖作用があり、便通、便性状の改善のほか、アトピーの改善効果などの報告もある。

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◆大豆オリゴ糖

 大豆に含まれるスタキオース(四糖類)、ラフィノース、スクロースを成分とするオリゴ糖。豆腐など大豆タンパク質を利用した製品を製造するときの残滓から得られるため大豆オリゴ糖と呼ばれるが、他のマメ科植物などにも比較的多く含まれている。大豆タンパク質をアルコール沈殿させた際に得られる大豆ホエーから生成される。

 砂糖に比べて甘味度は弱く、さらっとして爽やかな感じがあり、ヒトの消化酵素では分解されにくいのでカロリーも砂糖の半分程度である。他のオリゴ糖よりも少量でビフィズス菌の増殖に伴う菌叢改善効果を発揮し、逆にウェルシュ菌や大腸菌などの有害菌にはほとんど利用されないという特性がある。大豆オリゴ糖を含んだテーブルシュガーや清涼飲料水がおなかの調子を整える食品としてトクホになっている。

金曜日, 5月 25, 2007

機能性オリゴ糖(2)

◆ニゲロオリゴ糖

 グルコースがα-1、3都合したオリゴ糖。清酒やみりんに甘味成分として含まれる。工業的にはデンプンに転移酵素(α-グルコシターゼの一種)を作用させて作られる。ゆっくりと効いてくる甘味にはコクがあり芳醇に富む。生体調節機能としては免疫賦活作用が報告されている。

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◆サイクロデキストリン

 6~8個程度のグルコースが結合したオリゴ糖。ドーナツ状になった環の内側は疎水性、内側は親水性であるため、環の内側への物質が取り込まれる性質を持つ。そのため、溶けない医薬品を可溶化したり、医薬品を身体内の効いてほしいところへ運ぶ標的投与など、医療への活用が期待されている。サイクロデキストリンは、デンプンにグルカノトランスフェラーゼという酵素を作用させて工業的に作られる。

◆フラクトオリゴ糖

 スクロース(ショ糖)に1~3個のフルクトース(果糖)が結合した難消化性オリゴ糖。天然にはアスパラガス、にんにく、ごぼう、タマネギなどの野菜類や蜂蜜に少量含まれている。

 工業的には高濃度のスクロース溶液に微生物の転移酵素(β-フルクトフラノシターゼ)を作用させて作られる。甘さはショ糖の約半分、生体酵素ではほとんど分解されずに大腸に達し、腸内細菌によって発酵をうけ、1g当たり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーとなる。ビフィズス菌の増殖を促し腸内細菌叢の改善に効果がある。う食抑制作用も認められている。

木曜日, 5月 24, 2007

機能性オリゴ糖(1)

○機能性オリゴ糖

 二糖類のスクロースやマルトース、ラクトースは体内で酵素により分解・吸収され、最終的にグルコース(ブドウ糖)に変えられてエネルギー源となる。しかし、少糖類の中には小腸で消化吸収されずに大腸まで達し、そこで善玉菌の餌となって整腸作用を発揮するものや、う蝕抑制(虫歯になりにくい)作用を持つものなど、人の健康面で機能性を発揮する糖も数多くある。

 これらは、デンプンやスクロースなど自然界に豊富に存在する糖類を材料として、加水分解酵素や転移酵素の働きを利用して工業的に作られ、機能性オリゴとして製品化されている。

 オリゴ糖の生理機能として現在広く認められているのは、①整腸作用、②う蝕抑制作用、③中性脂肪やコレステロールの低下作用、④ミネラルの吸収促進作用、④免疫賦活作用などである。このうち、整腸作用に関してはヒト試験を通じて多くのオリゴ糖が見出されており、トクホのおなかの調子を整えるとして数多くが製品化されている。これらのオリゴ糖の多くは難消化性であり、象徴で消化吸収されずに大腸へ達し、腸内細菌による発酵をうけて単鎖脂肪酸に代謝され、1g当たり2kcal(ショ糖の半分)程度のエネルギーにしかならない。そのため低カロリー甘味料として利用されるものも多い。

◆マルトオリゴ糖

 グルコースのα-1、4結合を基本構造としたオリゴ糖。デンプンの加水分解によって作られる。奄美はまろやかで味質に優れているため、甘味料やコクを増す添加物として広く使われている。古くから製造されており、わが国では最も歴史の長いオリゴ糖である。体内で消化吸収されるのでエネルギー源となる。

◆イソマルゴオリゴ糖

 グルコースのα-1、6結合を基本構造としてオリゴ糖。天然にはハチミツに少量含まれる。工業的にはデンプンにアミラーゼ、転移酵素を反応させて作られる。甘味(ショ糖の半分)のほか、食品の旨味やコクを与えたり、防腐性によって日持ちをよくする働きもある。味噌や醤油、清酒などに含まれている。ビフィズス菌の増殖を助ける一方、ほかの有害菌にはほとんど利用されないため、腸内細菌叢の改善、便通や便の性状の以前効果が期待できる。

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水曜日, 5月 23, 2007

かぼちゃ

○かぼちゃ

 南瓜はウリ科の一年草果菜で、日本カボチャ(メキシコ原産。皮がゴツゴツしている)、西洋カボチャ(ペルー原産。球形で甘みが強くホクホクしており、栗カボチャとも呼ばれる)、ペポカボチャ(小型で低温に強い。ズッキーニや金糸瓜など)があるが、わが国で最も多く食べられているのは西洋カボチャである。

 西洋カボチャは日本カボチャに比べて、総カロリーを含め、糖質やビタミンB2などは1.5倍強。カロチンとビタミンC・Eは2倍以上の数値を示す。体内でビタミンAに変わるカロチンは体力を増強、血行促進、貧血改善に不可欠で、近年は制ガン効果も注目されている。カボチャは野菜の中では特筆すべきビタミンA補給源である。ただ、種類によって含有量が異なる。また果肉の部分よりも周縁や皮の部分に多い(果肉の10倍以上)。従って選ぶときは、皮が硬くて色が深く濃いものがよい。調理に際してはカロチンが吸収されやすいように油を使うと効果的である。

 冬至にカボチャを食べる習慣は、緑黄色野菜の少ないこの時期に保存のきくカボチャを食べて栄養を補おうとした古人の知恵であり、実際に風邪を引きにくくし、冷え性の人の手足を温める。さらに胃潰瘍の予後などにカボチャのポタージュが好適とされるのは、カロチンとビタミンCに粘膜を強くする働きがあるためである。

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火曜日, 5月 22, 2007

セロリ

○セロリ

 ヨーロッパ原産のセリ科の一年草で、セルリー(英名)とも呼ばれる。セロリは仏名。和名はオランダミツバ。スタミナを増す野菜として古くからヨーロッパでは珍重されており、強精剤としてのセロリは西洋小話やことわざにもよく登場する。

 ヨーロッパで常食されるようになったのは17世紀からで、日本には慶長年間に加藤清正が朝鮮から持ち帰ったのが始まりといわれる。当時は、清正人参などと呼ばれたがあまり普及せず、栽培されるようになったのは明治以降である。

 独特の香りはアピインを主成分としており、イライラや頭痛を和らげる効果がある。栄養素はむしろ葉に多いので捨てずに利用したい。有効成分としてはビタミンA・B1、B2・C・E、食物繊維、カルシウムが主だが、鉄分やマグネシウムなどもばかにならない。効用としては浄血・降圧・強精・利尿・鎮静作用のほか、食物繊維が便秘を改善する。

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セロリ

○セロリ

 ヨーロッパ原産のセリ科の一年草で、セルリー(英名)とも呼ばれる。セロリは仏名。和名はオランダミツバ。スタミナを増す野菜として古くからヨーロッパでは珍重されており、強精剤としてのセロリは西洋小話やことわざにもよく登場する。

 ヨーロッパで常食されるようになったのは17世紀からで、日本には慶長年間に加藤清正が朝鮮から持ち帰ったのが始まりといわれる。当時は、清正人参などと呼ばれたがあまり普及せず、栽培されるようになったのは明治以降である。

 独特の香りはアピインを主成分としており、イライラや頭痛を和らげる効果がある。栄養素はむしろ葉に多いので捨てずに利用したい。有効成分としてはビタミンA・B1、B2・C・E、食物繊維、カルシウムが主だが、鉄分やマグネシウムなどもばかにならない。効用としては浄血・降圧・強精・利尿・鎮静作用のほか、食物繊維が便秘を改善する。

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月曜日, 5月 21, 2007

かきどおし茶

○かきどおし茶

 カキドオシはシソ科の多年草で、名の由来は、茎がどんどん伸びて垣根を通り越すほど伸びることにある。別名は、疳取草、積雪草。成分はウルソール酸、硝酸カリ、精油分としてリモネンなどを含み、そのほか、コリン、タンニン、カリウム塩などがある。

 主な効用は、①神経痛、肝臓病、胆石、糖尿病、風邪(葉と茎15gを煎じて飲む。糖尿病にはドクダミを少量加えると効果的である)、②小児疳(葉と茎の煎じ汁に黄糖、黒砂糖、ハチミツなどの甘味を加えて飲む)、③疲労、胃弱、浮腫(お茶代わりに常用するとよい)、④肩こり(生の根をよく洗い、すりおろして小麦粉で適当な固さに練ってネルなどの布などのばして貼る)、⑤湿疹、あせも(葉茎を風呂に入れ、薬湯を立てて入浴する)などとされる。

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日曜日, 5月 20, 2007

不飽和脂肪酸(2)

○共役リノール酸

 共役リノール酸は炭素数18個、二重結合2ヶ所の不飽和脂肪酸で、二重結合の位置取りがリノール酸と異なっている。サフラワー油などを原料にして工業的に作られる。動脈硬化のリスク低減、糖尿病予防、抗アレルギー作用などが報告されている。

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○γ-リノレン酸

 炭素数18個、二重結合3ヶ所のn-6系不飽和脂肪酸。生体内ではリノール酸から合成されて作られ、アラキドン酸やプロスタグランジン1の基元物質となる。生態調節ホルモンの一種であるプロスタグランジン1は血圧・血中コレステロールの降下作用があるほか、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの改善にも効果がある。γ-リノレン酸はヒトの母乳に含まれているが、自然界では月見草やスグリなど一部の植物種子にしか含まれていない。最近はブドウ糖などの天然糖質を微生物で発酵させて高純度のものを作る技術が開発され、ドリンクやカプセルタイプの健康食品としても販売されている。

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金曜日, 5月 18, 2007

不飽和脂肪酸(1)

○不飽和脂肪酸

 炭素と炭素が2本の手でつながることを二重結合といい、この結合を持つ脂肪酸を不飽和脂肪酸という。二重結合が1つの単価不飽和脂肪酸、2つ以上の多価不飽和脂肪酸がある。不飽和脂肪酸はいずれも炭素数が18個以上の長鎖脂肪酸だが、二重結合があるために融点が低く、常温で液状である。不飽和脂肪酸の融点は二重結合の数が増えるに従って低くなる。オリーブオイルに含まれるオレイン酸の融点は14℃、魚油に含まれるDHAの融点はマイナス78℃である。

 飽和脂肪酸は血漿コレステロール濃度を上昇させるが、不飽和脂肪酸は低下させる作用を持つ。また、生理活性物質(プロスタグランジン、ロイコトリエン)の合成材料になるものもあり、生体にとって重要な物質である。その反面、不飽和脂肪酸は酸化されやすいため過酸化脂質を生成して動脈硬化、発ガン、老化の原因物質になるという私的もある。

◆オレイン酸

 炭素数18個、二重結合1ヶ所の不飽和脂肪酸。融点は14℃。オリーブオイルやナタネ油などに多く含まれており、オリーブオイルでは脂肪酸組成の75%がオレイン酸である。ヒトの体内では飽和脂肪酸のパルミチン酸、ステアリン酸から合成される。オレイン酸は血中コレステロールの内、LDL(悪玉コレステロール)のみを減らす作用があり、オリーブオイルを多量に摂取する地中海沿岸の人々は他のヨーロッパ諸国に比べて動脈硬化による心臓病の発症が低いことが知られている。また、イタリアやギリシャでオリーブオイルの常用がガンを予防するという疫学調査が報告されている。オレイン酸は加熱によって酸化しずらく、体内で過酸化脂質を作りにくいという特徴がある。

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木曜日, 5月 17, 2007

植物酵素(2)

◆ナットウキナーゼ

 納豆に含まれる血栓溶解酵素。原料の蒸し大豆には含まれておらず、納豆菌による発酵の過程で生成される。須見洋行(倉敷芸術化学大学機能物質化学科)は、市販の納豆1パックに含まれるナットウキナーゼの血栓溶解力は、ウロキナーゼ(血栓溶解剤)の通常投与量に相当するとしている。また、静脈投与だけではなく経口でも血栓をよく溶かすことをヒト試験で明らかにしている。

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◆キチナーゼ

 パパイヤやパイナップルなどの果実、微生物などに存在する酵素で、多糖類のキチンを分解する働きがある。植物が病原菌に感染するとキチナーゼ遺伝子が誘導されることから、植物の自己防御機能を高める役割があると考えられており、キチナーゼ遺伝子を導入した耐病性植物の作出が行なわれている。

◆アリイナーゼ

 ニンニクの含まれる加水分解酵素。臭い成分のアリインに作用して、ニンニク特有の臭気成分アリシンを生成する。アリシンは消化管の中でビタミンB1と反応してアリチアミンという物質に変わり、ビタミンB1の働きを長間持続させる作用がある。

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水曜日, 5月 16, 2007

植物酵素(1)

○植物酵素

 果物や野菜などに含まれれている酵素類には、ヒトの体内で有用な働きをするものも多い。人体には数千の酵素があるといわれているが、最近の研究では酵素の全量が体内生産されるのではなく、相当量が傾向的に食物から摂り入れられることがわかってきている。そこで、植物酵素の働きを念頭に置いた各種健康食品も市場に供されてきている。例えば植物発酵食品といわれる食品群は、多種類の植物エキスを発酵させることに多種類の酵素を豊富に含有させた健康食品である。

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◆ブロメリン

 パイナップルの果実や根茎に含まれるタンパク質分解酵素。肉類をやわらかくする作用があるほか、生体内では血液中の結成の活性を高めたり、膨張や浮腫の症状を改善する効果がある。パイナップル生産地では腸の寄生虫駆除にパイナップルジュースの飲用が古くから行われているが、使われるのは生ジュースで、熱殺菌によってブロメリン酵素が死滅している缶ジュースでは効果がないとされる。

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◆パパイン

 熱帯果実のパパイアの乳液(未熟な果実の皮を傷つけると出る)に含まれるタンパク質分解酵素。212個のアミノ酸残基からなる単純タンパク質で、消化剤や牛肉の軟化剤などに利用されている。パパイアが自生する地では、肉を柔らかくしおいしくする調理法としてパパイアの葉に包んで焼くことが古くから行われてきた。物質としてのパパインそのものは、わが国では医薬品成分に指定されている。

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火曜日, 5月 15, 2007

ユーカリティー

○ユーカリティー

 コアラの食べる木として知られるユーカリティーはフトモモ科の常緑高木で、葉を蒸して得られる上質の製油はリキュールや医薬品の芳香剤として活用されている。わが国では原産地のオーストラリアに似た気候の沖縄県で植栽されている。沖縄では古くから糖尿病の伝承薬にこの葉が処方されていたこと、また、コアラがユーカリの葉だけを食べることへの関心から研究開発が進み、その葉の有効性を見出して健康茶としたものがユーカリティーです。

 飲用者からは利尿、便秘の軽快、むくみの解消、血圧降下、血糖値の低下、安眠など各種効用が報告されているが、カリウムによる利尿作用やカルシウムによる精神安定作用などを除き、作用機序の解明はまだ十分にされていない。

 葉の成分には糖質や粗タンパク質、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、セレン)、タンニンなどの含有量が多く、上記の作用はこれらの相乗効果と考えられる。大澤俊彦(名古屋大学)は抗酸化作用に着目し、ユーカリの葉から得たリーフワックスの抽出エキスから抗酸化物質を析出、さらに動物実験でその抗がん性を認めたほか、ポリフェノールの一種であるエラグ酸にもビタミンEの50倍に相当する強い抗酸化作用があることを確認している。

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月曜日, 5月 14, 2007

布海苔

○布海苔

 刺身のツマや実のほか、古くから糊料の原料としても使われてきた布海苔は紅藻の一種で、日本近海では主にマフノリ、フロクフノリ、ハナフノリを産する。

 わが国では江戸時代に黄疸や食中毒、疫痢、難産などの民間薬として用いられた記録があり(救民単法など)、中国にも解熱、胆石、去痰、止瀉などへの薬効を記した医典(食性本草、本草綱目など)があるが、アーユルヴェーダ医学研究所の北村彗光によってこの布海苔が健康食品として現代に蘇ることとなった。

 布海苔の特異的な有効成分は、α型とβ型が交互に鎖状に結びついた構造のフラノンという粘性多糖類である。野田宏之(三重大学)は高血圧・高脂血症・移植ガンへの効果をマウスを用いて実験し、フラノンが血圧効果・動脈硬化指数の大幅な改善、血中ナトリウムの低減、エーリッヒ腹水ガンやザルコーマ180固形ガンなどに対し顕著な増殖抑制と延命効果のあることを見出している。また糖尿病に関しては、長村洋一(藤田保健衛生大学)が高血糖マウスを使って布海苔顆粒を投与した実験があり、ここでも良好な血糖降下が認められている。布海苔を水や温湯に数時間浸積すればフラノンが得られるが、最近では手軽で便利な顆粒製品も出ている。

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日曜日, 5月 13, 2007

ムメフラール

○ムメフラール

 ムメフラールは梅肉エキスから発見された機能物質で、血液改善作用がある。1999年、農水省食品総合研究所(当時)の菊池祐二らが、梅肉エキスによる血流改善効果の実験過程で単離・同定したヒドロキシメチルフルフラール誘導体で、梅に含まれる糖質の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)とクエン酸がエステル結合した化合物である。梅の学名プルムス・ムメのムメと物質名のフルフラールのフラールからムメフラールと命名された。

 ムメフラールは生の梅の実には含まれておらず、梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で生成する。菊池が開発した血流速度測定装置を作った実験で、梅肉エキス水溶液を添加した血液の通過時間は、生理食塩水を加えた対照液に比べて11~52%短縮し、血流に改善がみられることがわかった。

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土曜日, 5月 12, 2007

ヒアルロン酸

○ヒアルロン酸

 ヒアルロン酸は動物の結合組織などに多く分布するムコ多糖類で、N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸がβ-1、3結合した二糖を反復単位とする、分子量10万~100万の高分子化合物である。人をはじめ、脊椎動物の組織中に広く存在しているが、特に関節や皮膚、目に多い。関節では関節液の中に含まれ関節の動きをよくする役割を、皮膚では肌の乾燥を防ぐ役割を、目では硝子体の緩衝作用や組織形状を維持する役割を担っている。

 中国やフランスでは、肌をみずみずしくする料理として鶏のとさかのスープが好んで食べられているが、これは鶏冠にヒアルロン酸が非常に多く含まれているからである。

 ヒアルロン酸には1g当たり6000mlの水(2Lのペットボトル約3本分)を保持する性質があり、生体の水分を保つ上で重要な役割をしている。ヒアルロン酸は体内の繊維芽細胞で作られるが、その産生量は加齢とともに減少し、大人の皮膚に含まれるヒアルロン酸の量は乳児の1/20といわれている。

 ヒアルロン酸は医薬品(関節症治療薬、角膜手術薬)のほか高級化粧品などに配合されてきたが、最近は飲むヒアルロン酸として健康食品にも配合され、同じムコ多糖類のコンドロイチン硫酸などと組み合わせて保水力を高めて製品も登場している。

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木曜日, 5月 10, 2007

パイナップル

○パイナップル

 パイナップル科アナナス属の多年草の果実(集合果)で、肥大した花托部分を食用とする。原産はブラジルだが、現在はハワイ、台湾、マレーシア、オーストラリア、フィリピンなどで多く栽培されている。日本へは19世紀半ばにオランダ船によって持ち込まれたという。糖質を主成分とし、その大部分はショ糖。酸味はクエン酸とリンゴ酸による。ビタミン類ではB1が多く、100g中0.08mg含む。このB1とクエン酸の相乗効果で、体内に溜まると疲労の原因となるビルピン酸や乳酸の分解を高め疲労防止や回復に役立つ。

 一時期、パイナップルダイエットが流行したことがあるが、これはパイナップルに含まれるブロメリンというタンパク質分解酵素の働きを利用したものである。事実、肉や魚料理の後に食べると消化吸収を高め、また下痢や消化不良を直す整腸作用かある。特に豚肉料理に用いると硬い肉をやわらかくし風味が増す。

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水曜日, 5月 09, 2007

ファイトケミカル(5)

◇アルカロイド

 アルカロイドは植物体内で作られる窒素を含んだアルカリ性化合物の総称で、2500種以上が見つかっている。ナス科、ケシ科、アカネ科などの植物に多く含まれており、有機酸と結合した存在している。強い生理作用があり、モルヒネ、エフェドリン、キニーネ(抗マラリア薬)、コカイン、ニコチンなどは医薬品として使われている。

◆カフェイン

 コーヒー豆や茶葉、カカオなどに含まれている苦味成分で、アルカロイドの一種。覚醒作用や疲労回復作用、利尿作用がある。また、強心剤としても使われる。カフェインの過剰摂取は不整脈、虚脱感、めまい、不安感などを招くので注意が必要。なお、茶葉にはカフェインと同物質のテインが含まれている。

◆テオブロミン

 カカオ豆やココアに微量に含まれているアルカロイド。覚醒、治療、強心作用がある。

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◇フェルラ酸

 フェニルプロペン化合物の一種で、植物の細胞壁を形成するリグニンの前駆体として特に米糠に多く含まれる。ラジカル消去と活性酸素除去という2つの作用が認められ、食品や化粧品分野での活用、また医薬品原料としても注目されている。1995年に化学的合成品以外の食品添加物として、2001年は紫外線カットの化粧品原料として認可され、さらに04年6月には食薬区分の改正で非医薬品成分に移行した。

◇γ-オリザノール

 米胚芽や米糠油から分離された機能成分で、トリテルペンアルコールのフェルラ酸エステル。米胚芽油には1.5%含まれている。成長促進・間脳機能調節・抗酸化作用が認められている。

米糠の商品一覧

◇カプサイシン

 唐辛子の果皮に含まれる辛味成分。体内のエネルギー消費を促進させる働きがあり、結果的に肥満を防止するという効果がある。体内に入ったカプサイシンは中枢神経を介して交感神経を刺激し、副腎皮質からアドレナリンやノルアドレナリンなどの分泌を促すため、エネルギー代謝が盛んになって肝臓や筋肉内のグリコーゲンの分解などが促進される。

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◇イソシオシアナート

 キャベツやカリフラワーなどアブなら科の野菜に含まれるイソシオシアン酸の一種で、ガンの原因となるDNA損傷を抑える作用がある。また、ブロッコリーに含まれる同類のサルフォラフェインには発ガン物質の増殖を抑える作用のあることが知られている。

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火曜日, 5月 08, 2007

ファイトケミカル(4)

◇硫黄化合物

 ニンニクやタマネギなどユリ科の植物が持つ独特の臭気は硫黄化合物によるものである。硫黄化合物には抗酸化作用があり、老化やガンなどの予防に有効であることが知られている。また血液の粘度を低める作用もある。

◆アリシン

 ニンニクの臭気成分で、前駆物質のアリインが酵素のアリイナーゼで加水分解されて生じる。アリインとアリイナーゼは細胞中では別の場所に存在して反応することはないが、ニンニクを切ると細胞が破壊され、両者が接触して反応が始まりアリシンが生成される。アリシンは人の消化管の中でビタミンB1と反応してアリチアミンという物質に変わる。アリチアミンの血中濃度は長時間維持されるため、ビタミンB1の働きが通常より長く持続するという効果がある。

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◇リグナン

 リグナンはケイ皮酸から誘導される低分子化合物で、顕花植物の茎や根、種子などに配糖体や遊離の状態で存在している。抗酸化作用が強く、食品の酸化防止剤などに利用される。特にゴマの趣旨に多く含まれている。

◆セサミン

 ゴマに含まれるリグナンの一種で、胡麻に0.5%程度しか含まれていないが、強力な抗酸化作用のあることで知られている。肝臓の機能を強化し、アルコールの分解にも寄与している。また、中性脂肪を減らす作用があることがラットを使った実験でわかっている。

◆セサミノール

 ゴマの脂質(ゴマ油)に多く含まれるリグナンの一種で、ゴマ湯などの変敗しにくい性質から見出され、強い抗酸化作用のあることが認められている。セサミノールが過酸化脂質の生成を抑制することで、抗がん効果が得られるとする実験結果が報告されている。

ゴマの商品一覧

◇サポニン

 サポニンは大豆や人参、ジャガイモの皮などに含まれるえぐみや苦味の成分で、配糖体の一種である。水溶液が石鹸のように泡立つ性質があることから、石鹸を意味するサポに由来してこう呼ばれる。サポニンは水と油の両方に溶ける性質を持っており、血管についた脂肪を除去する働きや、血中コレステロールの低下、過酸化脂質の除去などに有効であることが認められている。

◆大豆サポニン

 大豆の胚軸に含まれるサポニンで、大豆の苦味や渋味、えぐみの成分。生の大豆に約0.3%含まれている。大豆サポニンは脂質の過酸化抑制と代謝促進に関係しており、高脂血症、高血圧症、動脈硬化などの改善に効果があるとされる。

大豆イソフラボンの商品

◆ジンセノサイド

 人参に含まれるサポニンの総称で、人参サポニンとも呼ばれる。1854年に米国のガリッケスが人参の薬効成分としてパナロキンと名付けたサポニンを分析したことに始まり、これまでに30種類以上のジンセノサイドが発見されている。高麗人参には鎮静作用と興奮作用を併せ持つジンセノサイドが含まれており、大脳を鎮静させる作用がある反面、体の細胞や臓器の働きを活発にして体調を整える作用がある。また、アメリカ人視線には中枢神経の興奮を抑制し、緊張性のストレスを緩和するジンセノサイドRb群が多く含まれるため、高麗人参に比べて頭をスッキリさせ、集中力をつける作用が強いといわれる。

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月曜日, 5月 07, 2007

ファイトケミカル(3)

○タンニン

 タンニンは植物の組織内に存在する渋味成分で、ポリフェノール化合物である。植物体から水で抽出され、分解するとフェノール類が得られる。タンパク質を凝固させる性質があることから皮革のなめしに使われる。タンニンは未熟な柿の果実などに多く含まれる。また、緑茶のカテキン、紅茶のテアフラビンもタンニンの一種である。

◇カテキン

 水溶性のポリフェノール化合物で、茶葉に含まれている茶カテキンがよく知られている。茶葉の種類によって含有量は多少異なるが、平均すると乾燥葉重量の8~15%である。茶カテキンは抗酸化力が非常に高く、発ガン抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の改善、血圧上昇の抑制、血栓予防、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭予防、腸内細菌叢正常化など多岐にわたる分野で研究成果が発表されている。食品分野では、花王が茶カテキンを関与成分にして体脂肪予防でトクホを取得したヘルシア緑茶がヒット商品になった。

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◆エピガロカテキンガレート

 茶カテキンの約半量を占めている。1999年にスウェーデンのカロリンスカ研究所がエピガロカテキンガレートがガン細胞の血管新生を阻害させることをインビトロ実験で明らかにし、英国の科学雑誌ネイチャーに掲載された。

◇テルペノイド

 テルペノイドは柑橘類や香辛野菜などの香りや苦味の成分で、テルペン、イソプレノイドとともいう。体内で発がん物質を無毒化する機能を強化したり、発ガン遺伝子の働きを弱める作用があるとされている。

◆ショウガオール

 日本産生姜の根に含まれる辛味成分で、抗菌・殺菌・解熱・鎮痛作用がある。また、ヒスタミンを抑制する高アレルギー効果も認められている。

◆ジンゲロン

 生姜の根に含まれる辛味成分で、強力な抗菌作用(コレラ菌やチフス菌)のほか、抗酸化作用も認められている。

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◆ギンコライド

 イチョウ葉から分離・同定された成分で、テルペノイドの一種。これまでの研究で①血小板凝集や血栓の生成阻害作用、②大脳去血の拮抗阻害作用、③心臓アナフィラキシーに対する拮抗作用、④炎症やアレルギーの阻害作用、⑤角膜再生の活性化作用、⑥中枢神経の覚醒作用、などが明らかにされている。

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金曜日, 5月 04, 2007

ファイトケミカル(2)

○フラボノイド

 フラボノイドは植物に含まれる水溶性色素で、早く黄、果実、種実などに広く分布し、現在まで4000種類以上が見つかっている。化学構造はポリフェノール化合物で、多くは糖と結合して配糖体として存在している。赤、紫、青色を呈するアントシアニン類、淡黄色のフラボノイド類に大きく分けられる。

◇アントシアニン

 フラボノイド色素のアントシアニジンに糖が結合した配糖体。ブルーベリーやサツマイモの皮、黒豆などの色素成分として存在している。活性酸素の発生を抑制する抗酸化物質として知られているが、ロドプシン(網膜の色素体で、光の刺激を脳に伝える働きをする)の合成を促進して、目の疲労回復や近視予防の効果が認められていることからサプリメント素材として人気を呼んでいる。アントシアニンはまた、肝臓機能の改善にも有効に働くことが知られている。軽度の肝機能障害に対して、紫イモのジュースが有効に作用したという研究報告がある。

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◇フラボノイド

 狭義のフラボノイド類には、構造の違いからフラボノール類(淡黄色)、フラボン類(淡黄色)、フラバノリール類(無色)、イソフラボン類(無色)があり、その多くは糖と結合して配糖体として存在している。

◆ケルセチン

 フラボノイドのうち、フラボノールに分類されるポリフェノール化合物。タマネギやホウレン草、ケール、パセリなどに多く含まれ、LDLコレステロール酸化を抑制することで、動脈硬化を防ぐ作用のあることが知られている。ケルセチンは通常、配糖体のルチンとして存在することが多い。

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◆ルチン

 ケルセチンに糖のルチノース(グルコース+ラムノース)が結合したフラボノイド配糖体で、ビタミンCの研究過程で発見された抗酸化物質です。ビタミンPとも呼ばれる。そば(蕎麦)やトマト、アスパラガスに多く含まれている。ルチンは毛細血管の透過性を保ち、血管がもろくなるのを防ぐ。また、血圧を下げる作用があるため、血管補強剤や毛細血管の止血剤として高血圧、脳出血、血圧異常の疾患などに使われている。

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木曜日, 5月 03, 2007

ファイトケミカル(1)

○ファイトケミカル

 植物の色素成分や香気成分などに含まれる微量化学物質をファイトケミカルという。ファイト(phyto)はギリシャ語で”植物由来の”という意味がある。ファイトケミカルは従来の栄養素とは異なり、身体の組織やエネルギー源となったり、欠乏症を起こす栄養素ではないが、健康の維持に役立つことがわかってきている。その生理作用についてはまだ体系的に説明されていないが、ずば抜けた抗酸化作用を中心にして、栄養学の新しい波として研究も進んでいる。

◆クロロフィル

 クロロフィルは植物や藍藻類に含まれる緑色の脂溶性色素で、葉緑素と呼ばれる。植物の葉緑体にたんぱく質やリポタンパクと結合した状態で存在し、二酸化炭素、水、太陽エネルギーから炭水化物(デンプン)作り出す光合成を担っている。クロロフィルは脊椎動物の赤血球に含まれる色素タンパク質のヘモグロビンと構造がよく似ており、どちらも同じポルフィリン核の構造で、その中心金属はクロロフィルはマグネシウム、ヘモグロビンが鉄である。クロロフィルは人の体内でヘモグロビンの生成を助け、造血作用を示す。また、健胃作用、殺菌効果も認められている。

◆キサントフィル類

◇ルテイン

 緑葉の野菜類に多く含まる黄橙色のカロチノイド系色素で、植物の光合成の補助色素として働いている。人の体内では網膜の黄斑に存在している。網膜が老化による影響を受けると網膜の中心部にある黄斑が変性し、視力の低下が起こるが、ルテインや同じ種類のゼアキサンチンは黄斑変性を予防する働きがある。食品ではホウレン草、芽キャベツ、ブロッコリー、トウモロコシ等に多い。

◇ゼアキサンチン

 トウモロコシやカボチャなどに多く含まれる黄色のカロチノイド色素。卵黄や動物脂肪、肝臓などなどにも存在している。人の体内では網膜の黄斑に分布している。網膜が老化による影響を受けると網膜の中心部にある黄斑が変性し、視力の低下が起こるが、ゼアキチンサン黄斑変性を予防する働きがある。

◇カプサイシン

 トウガラシやピーマンの果実に含まれる赤色のカロチノイド色素。カロチン類より色が濃く、抗酸化作用はβ-カロチンの1.5倍あるとされる。

水曜日, 5月 02, 2007

緑茶エキス食品

○緑茶エキス食品

 緑茶は煎茶の形でその浸出液を飲むことができるが、溶け出す成分であるビタミンC、カフェイン、カテキン、アミノ酸などは1回お茶を出したときは約40%、2回目のときは20%程度が茶殻の中に残っている。また、残った茶殻の中には不溶性成分であるビタミンA・E、ミネラル、脂質、食物繊維も多く含まれており、近年その積極的活用が求められるようになった。

 大森正司(大妻女子大学)、加藤みゆき(香川大学)らは、成長するにつれて高血圧になる遺伝的特性を持つラット群に対し、1回お茶を出した中級煎茶の茶殻の粉末を与える実験を行なった。生後6週間のラット10匹ずつ2グループを使い、実験期間は18週である。その結果、茶殻粉末を10%混入した餌を与えたグループは普通食を与えたグループに比べて最高血圧が低く(241mmHg対221mmHg)、血液中の中性脂肪は少なく(1dl当たり75.0mg対47.7mg)、体重増加も少ない(353g対321g)という結果が出た。

 茶殻の粉末には食物繊維の含有量が多く、それが腸の蠕動を促進して有害菌の抑制、中性脂肪の吸着、ナトリウム排泄など多様な効能を発揮するのではないかと考えられている(1993年、日本農芸化学大会で発表)。

 このほか、ビタミンC・E、β-カロチンなどの抗酸化作用も注目されている。最近、食べるお茶というキャッチフレーズで、緑茶エキスを粉末や顆粒、ゼリー状にした健康食品も多く出ている。

火曜日, 5月 01, 2007

ワイン(ポリフェノール)

○ワイン(ポリフェノール)

 フレンチ・パラドックスの言葉とともに、1990年頃からワインの健康機能性が注目され始めた。その端緒となったのがフランスの科学者セルジュ・リヌーが唱えた「フランス人は動物性脂肪を多く摂っているのにかかわらず、他のヨーロッパ諸国に比べ虚血性心疾患による死亡率が低いのは赤ワインを日常的に飲むため」という説である。健康志向の高まりを見せていた日本でも90年代後半に赤ワインブームが起こっている。

 赤ワインには渋み成分のタンニンや色素のアントシアニンなど、抗酸化作用のあるポリフェノール類が豊富に含まれている。これらの成分がLDL(低比重リポ蛋白)の酸化を抑え、虚血性心疾患の原因となる動脈硬化を予防すると考えられている。国立健康栄養研究所の板倉弘重らは、30~50代の男性10日に1日400~500mlの赤ワインを2週間飲んでもらい血液中のLDLの酸化抵抗性を調べた結果、飲用前に比べ上昇していることがわかった。また、赤ワインに含まれるほとんどのポリフェノールに抗酸化作用があることを確認している。(1994年)

 ポリフェノールの含有量とはブドウの品種によって異なる。赤ワインの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンでつくるボルドーワインや、ネッビオーロが原料のイタリアのバローロなどが高い。一方、白ワインは抗菌性に優れている。米ウエストバージニア大学のマーチン・E・マイズらは、白ワインがサルモネラ菌、大腸菌、赤痢菌に対して抗菌作用があることを実験で確認している。