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木曜日, 5月 03, 2007

ファイトケミカル(1)

○ファイトケミカル

 植物の色素成分や香気成分などに含まれる微量化学物質をファイトケミカルという。ファイト(phyto)はギリシャ語で”植物由来の”という意味がある。ファイトケミカルは従来の栄養素とは異なり、身体の組織やエネルギー源となったり、欠乏症を起こす栄養素ではないが、健康の維持に役立つことがわかってきている。その生理作用についてはまだ体系的に説明されていないが、ずば抜けた抗酸化作用を中心にして、栄養学の新しい波として研究も進んでいる。

◆クロロフィル

 クロロフィルは植物や藍藻類に含まれる緑色の脂溶性色素で、葉緑素と呼ばれる。植物の葉緑体にたんぱく質やリポタンパクと結合した状態で存在し、二酸化炭素、水、太陽エネルギーから炭水化物(デンプン)作り出す光合成を担っている。クロロフィルは脊椎動物の赤血球に含まれる色素タンパク質のヘモグロビンと構造がよく似ており、どちらも同じポルフィリン核の構造で、その中心金属はクロロフィルはマグネシウム、ヘモグロビンが鉄である。クロロフィルは人の体内でヘモグロビンの生成を助け、造血作用を示す。また、健胃作用、殺菌効果も認められている。

◆キサントフィル類

◇ルテイン

 緑葉の野菜類に多く含まる黄橙色のカロチノイド系色素で、植物の光合成の補助色素として働いている。人の体内では網膜の黄斑に存在している。網膜が老化による影響を受けると網膜の中心部にある黄斑が変性し、視力の低下が起こるが、ルテインや同じ種類のゼアキサンチンは黄斑変性を予防する働きがある。食品ではホウレン草、芽キャベツ、ブロッコリー、トウモロコシ等に多い。

◇ゼアキサンチン

 トウモロコシやカボチャなどに多く含まれる黄色のカロチノイド色素。卵黄や動物脂肪、肝臓などなどにも存在している。人の体内では網膜の黄斑に分布している。網膜が老化による影響を受けると網膜の中心部にある黄斑が変性し、視力の低下が起こるが、ゼアキチンサン黄斑変性を予防する働きがある。

◇カプサイシン

 トウガラシやピーマンの果実に含まれる赤色のカロチノイド色素。カロチン類より色が濃く、抗酸化作用はβ-カロチンの1.5倍あるとされる。

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