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火曜日, 10月 18, 2005

ブルーベリーついて


○ブルーベリー

 ブルーベリーはツツジ科の常緑低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯である。寄り集まっている濃青色の小粒の果実は、古くから生食のほか、ジャムやゼリーなどに用いられてきた。また、ヨーロッパでは葉や実のエキスを壊血病、泌尿器病、糖尿病などの民間薬として利用されていたこともある。


 第二次大戦中に、英国空軍のパイロットがブルーベリーのジャムを大量に摂り続けると、周囲が薄暗くなっても良く見えることが気づいたところから生理活性機能について認められるに至ったが、これに用いられる品種は一般食品用の品種とは異なり、有効成分の多い「ホワートルベリー」という野生種であって、我が国の健康食品にも同じもの(主にスウェーデン産)が使用されている。


 よく知られているように、物が見えるというのは、レンズから入った光が眼球内面の網膜を刺激して生じた信号が脳の視覚領域に送られるからであるが、この信号は、入ってきた光の刺激で網膜にあるロドプシン(視紅素)という色素体が、分解・再合成を繰り返す連続作用で生じる。このロリーの色素成分であるアントシアニン配糖体にその働きがあることを見出し動物実験で有効性を証明したのが1964年のことであった。これに続いて、アントシアニンの案視野における視力の改善、視野拡大、夜盲症患者の光感受性の改善、抗潰瘍性、抗炎症作用などについての動物実験や臨床試験の成果が発表されて、その有用性が明らかにされていった。こうした成果をもとに、ブルーベリー製品は1976年にイタリアで始めて眼科、血管障害用の医科向け医薬品として承認され、それ以後、フランス、スペイン、韓国、アメリカ、最近はニュージーランドでも医薬品に加えられている。


 我が国でも農林水産省の食品総合研究所食品機能部でその食効を認めているが、ブルーベリーエキスへの期待が一段と高まってきた背景には、若年層のTVゲーム熱や学習時間の拡大などから近視や仮性近視が増える一方、職場ではOA機器の普及などもあって目のストレスや疲労を訴えるケースが激増していることなどが考えられる。また、活性酸素による脂質の過酸化やDNAの損傷などが問題視されるようになって以来、アントシアニンがルテインと酷似した働きを持つことが注目されている。すなわちビタミンCと共同して体内で活性酸素を消去し、血管に過酸化脂質が蓄積することを防いで、末梢神経の弾力を保つ結果、網膜を活性化して視力を回復し、さらには白内障や眼精疲労を抑えると共に、老化防止、抗潰瘍活性や抗炎症作用の増強につながることが期待されるのである。


ブルーベリーエキス粒