○羊肉
羊は1万年以上の前から家畜化され、食肉としては牛肉に次いで広く世界で食されている。シシカバブ、ハギス(内臓料理)、しゃぶしゃぶ、ジンギスカン、串焼きなど、地域によって特色ある料理も多い。
羊肉は生後1年未満のものをラム、1年以上をマトンと読んで区別している。ラムは羊肉特有の臭みがなく肉質も柔らかい。日本で消費されるほとんどはオーストラリアかニュージーランドから輸入したものである。
わが国では北海道や東北以外ではあまり食べてこられなかったジンギスカン料理が、20004年頃から首都圏を中心に人気を呼んでいる。その理由の一つに、アミノ酸の一種である、カルニチンが豊富に含まれている点がある。カルニチンには脂質の代謝を促し、脂肪を効率的に燃焼する作用があり、脂肪燃焼系アミノ酸としてダイエット食品などにも配合されている。また疲労を抑制する効果も期待できる。
カルニチンは植物性食品には含まれず、動物性食品に多く含まれる。なかでも羊肉は他の肉類に比べ含有量が多く、カルニチンが多いといわれている牛肉の約1.4~3.5倍ある。また、ラムよりマトンのほうが多く含まれている。このほか抗酸化作用のある微量元素セレンが牛肉の約3倍、鉄分も牛肉並みに多い。東洋医学では、羊肉は体を温める作用があり、虚弱した胃の機能回復や女性の冷え性によいとしている。