○猪肉
猪は豚の原種といわれ、体長1.5m前後、体重は約100kgある。北海道を除く日本全域に生息するニホンイノシシと、奄美や沖縄に生息するリュウキュウイノシシがいる。日本人の猪肉を食べる習慣は古く、縄文時代から食されてきた。その後、仏教の影響から肉食を禁じられた時代でも山鯨と称し、滋養食として食べ続けられていた。ぼたん肉という名でも親しまれている。
猪猟は11月中旬から2月中旬までだが、肉の味は年末までに捕ったものが脂がのって美味しい。現在は人工飼育も行なわれている。肉質は豚肉に比べてやや硬く、独特の臭みがある。代表的な料理はぼたん鍋で、味噌仕立てにしてゴボウやセリなど香りのある野菜を加えて煮ると、肉の臭みが気にならなくなる。猪肉は他の食肉と違い、煮込むほど軟らかくなる。このほか焼肉やすき焼きでも食べられている。
栄養成分は豚肉(ロース)とほとんど同じで、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB2・B12は猪肉に多く、ビタミンB1は豚肉のほうが多い。また、豚肉と比べて中性脂肪の材料になりやすい飽和脂肪酸は少なく、逆に不飽和脂肪酸が多い。
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