○ハトムギ
ハトムギ(鳩麦)はイネ科の一年生植物で、中国南部から東南アジアの地域が原産地といわれる。薬用としての歴史は古く、神農本草経にも、「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」と効能が記されている。
ハトムギの漢方名は?苡仁といい、その成分は米や麦よりもカロリーが高く、タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などを豊富に含み、なかでもタンパク質は良質のアミノ酸で形成され、他の穀類に比べて新陳代謝作用が大きいといわれている。そのほか、抗腫瘍作用を持つ物質の存在も明らかになっており、特殊な微量成分が含まれていることもあって再認識されるようになった。ハトムギの薬効は多く研究者によって明らかにされているが、漢方医の大塚敬節、塩谷伸らの経験などを織り交ぜてその薬効を示すと、次のようになる。
①食欲不振や胃のもたれに効果がある。なんとなく食欲がない、食べたあと胃が重いという人で、医薬品ではあまり効果を示さなかった人がよくなったという例が多い。②利尿作用があるので、むくみ、脚気、腎臓、膀胱結石などにめざましい効果を見せる。③筋肉痛、リウマチ、神経痛に効く。?苡仁を煎じて飲むか、粥にして食べてもよい。④荒れ肌やサメ肌、また吹き出物の出やすい体質、あかぎれなどの改善・治療に有効である。⑤イボ取り効果。特に青年性イボによく効き、老人性の固いイボにも有効。⑥制ガン作用。抗腫瘍物質としてコイクセノリドが発見され、これを利用し、?苡仁にフジノコブ、ヒシの実を配合した生薬が注目されている。
ハムムギは一般にハトムギ茶として利用されることが多いが、殻つきの全粒ハトムギを遠赤外線焙煎して粉末にした製品や、ハトムギを粉砕し液化工程を経て糖化したハトムギ糖などの健康食品がある。また、ハトムギの胚芽から採取したハトムギ胚芽油も健康食品として知られている。
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