○メグスリノキ(目薬の木)茶
メグスリノキ(目薬の木)茶は、わが国特産のカエデ科の落葉高木で、イチョウのように雌雄異株。近年のブーム以後、各地に群生地のあることが明らかになったが、山形・岩手以内の本州、四国、九州の深山に分布し、特に福島県とその隣接する県に多い。和名の目薬の木他、地方によっては千里眼の木、長者の木、三つ花、花楓などの異名で呼ばれている。
江戸時代初期にこの木の樹皮を煎じて、点眼ないし洗眼薬として、やに目、ただれ目、かすみ目、鳥目、そこひなどの眼病に用いていた記録があるが、歴史的には既に安土桃山時代に活用が始まったと考えられている。以後、文字通り、目薬の木として広く活用され、ごく一部の寺社では1950年代半ばまで自家製の目薬として販売していたといわれるが、ほとんど知られることはなかった。60年代に入って、星薬科大学の伊沢一男が薬用植物の採集過程でこの木の存在を知ったことが契機となり、同大学生薬学教室で成分研究に着手した。その後、薬草カラー図鑑にこの木が収載され認知度が高まる中で、同大学の篠田正人らが「肝障害に対するメグスリノキの薬理試験」と題する学術発表を行って、強制的に肝障害を起こさせたモルモットにメグスリノキのアルコール抽出液を用いて改善が見られたことを報告した。
星薬科大学教室での成分分析試験では、樹皮にはα-アミリン、β・システロール、ロドデンドロン、カテキンなど、木部にはβ・システロール、クマリン誘導体のスコポレチン、エピーロトデンドリンなど、葉にはβ・アミリン、ケルセチンなどが確認されている。
メグスリノキ(目薬の木)の成分と種々の眼病、肝障害の改善作用については、まだ十分に解明されていないが、煎じ液を用いてやに目、ただれ目、かすみ目、老眼、仮性近視、結膜炎、花粉症の涙目などが改善した例、漢方薬との併用に緑内障の眼圧低下、肝炎や蕁麻疹などの改善例など、多彩なケースが報告されるようになった。
なお、この木を目薬として用いるには小枝や青い葉を細かく刻んで乾燥させたものを煎じ、肝炎や利尿などに飲用するときは乾燥させた小枝や樹皮をまた動脈硬化の予防などのために常用するときは、乾燥させた葉をお茶のように煮出して飲むとよいとされている。最近はティーバッグのメグスリノキ100%のお茶やエキス剤も市販され、恩恵に浴しやすくなっている。
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