○メシマコブ
タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、学名はPhellinus linteus。メシマコブのいう和名は、男女群島(長崎県)の女島に多くの野性株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを越えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだといわれている。
わが国のキノコ薬効研究所の黎明期に当たる1968年に、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性化比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西條病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後は野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難でメシマコブの入手難は改善することがなかったが、近年、韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が完成、日本ではメシマコブ子実体の人工栽培法が確立している。
子実体の人工栽培を確立したのは、長野県松本市で各種薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンで、2001年春、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に目処をつけ「S-ME菌」と命名された。同年の秋からは量産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになっている。この人工栽培の成功によって、メシマコブ子実体の基礎研究が大きく前進するものと期待されている。
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