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月曜日, 12月 12, 2011

色々な野菜類(5)

※ズッキーニ

 ウリ科つる性一年草で、外観はキュウリに似ているがカボチャ(ペポカボチャ)の仲間である。キュウリよりも一回り大きく、皮には光沢があり、濃緑色のものと黄色のものがある。カボチャは塾果を食べるが、ズッキーニは実をつけて3~4日で収穫した未熟果を食べる。ヨーロッパ、特に南フランスからイタリアにかけて普及し、その後アメリカにも広まった。

 栄養的にはカロチンとビタミンCが豊富で、糖質が少なく(100g中2.8g)、カロリーは低い(14kcal)。ズッキーニは生食は不向きで、熱を加えて調理するのが基本。歯ごたえ、味ともにナスに似ている。南フランス料理やイタリア料理に欠かせない野菜で、スライスしてバターで炒めて食べたり、油で炒めてから煮物の材料とする。中をくり抜いて詰め物にしても良い。最近は、花ごと採取した花ズッキーニも料理素材として注目されている。花の中にキノコやトマト、鶏肉、魚介類などを詰めて蒸し、バターソースをかけて食べる。

※さやいんげん(莢隠元)

 マメ科インゲン属の一品種で、未成熟の若いインゲンを莢ごと食べることからサヤインゲンという。丸莢のドジョウインゲン、細莢のサーベルインゲン、平莢のモロッコインゲンなどがある。

 サヤインゲンの栄養成分はバランスよく、乾燥種に欠けているビタミンCのほか、カロテンも多い(100g中590ug)。カロテンは油を使うと吸収がよくなるので天ぷらや炒め物などにするとよい。視力回復や皮膚のかさつきを改善する効果もある。また莢の部分にはインスリンの産生に関与する亜鉛を多く含むので、糖尿病によいといわれる。

※グリーンピース

 エンドウ豆の野菜種で、4~5月ごろ、未熟の内に収穫される。缶詰や冷凍品で一年中手に入るが、生のものは春から初夏にしか市場に出ない。莢から出して生の実と炊き込んだ豆ご飯は、春を感じさせる旬のご馳走のひとつである。

 グリーンピースは発芽途上を収穫するのでタンパク質や糖質、ビタミンB群をはじめ、ビタミンCやカロテン、葉緑素などが豊富に含まれている。ビタミンB群はB1・B2・B6・ビオチン、コリンを多く含み、体の代謝を円滑にし疲労物質を分解するのに役立っている。カロテンも100g420ugとかなり多いので、貧血・冷え性・便秘・肌荒れなどに効果的である。食物繊維も100g中7.7gと、枝豆の5gを上回っている。

土曜日, 12月 10, 2011

色々な野菜類(4)

※スプラウト

 植物の新芽を英語でスプラウトというが、最近、各種野菜の新芽が健康野菜としてスーパーの店頭に並びだした。ブロッコリーやマスタードなどの新芽があり、目新しさも手伝ってちょっとしたブームにもなっている。

 スプラウトの人気の発端は、米国のジョンズ・ポプキンズ大学の研究者らがブロッコリーの新芽に優れた抗ガン作用があると発表したことによる。発芽3日目の新芽には、成長したブロッコリーの20~50倍のサルフォラフェインという抗ガン成分があるという。また、スプラウト類は全般に植物性タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維に富み、ローファット・ノンコレステロールというのが健康志向の強い米国人に受けたようだ。

 スプラウト野菜はブロッコリーのほか、小豆や蕎麦、クローバー、レンズ豆、ラディッシュ、ヒマワリ、レッドキャベツ、マスタード、クレス、小麦など種類が多彩だ。サンドイッチの具やサラダ、スープの材料など食べ方の自由度も高い。過程でも栽培できるようにスプラウトの栽培キットも販売されている。

※トマピー

 トマピーは、トマトに似た扁平な形をした新種のパプリカで、鮮やかな濃い赤色をし、肉厚で甘味があり、ピーマンのように苦味や臭みがないために食べやすい野菜である。

 栄養面では特にビタミンCとカロテンに富む。100g中にビタミンCが200mg含まれ、同じ仲間の青ピーマンの2.6倍、赤ピーマンと比べても1.2倍ある。カロテンは100g中1900ugで、青ピーマンの4.8倍、赤ピーマンの1.7倍になる。このほかクセがないのでサラダなど生で食べても美味しい。油との相性もよく、天ぷらやスープ類、ピザなどにもよい。トマピーに含まれるカプサイシンに発ガンプロモータ活性抑制作用のあることが第56回日本癌学会総会(1997年)で発表されている。

※ししとう(獅子唐)

 ナス科トウガラシの甘味種でピーマンと同系種。南米が原産。栽培には温度を要するが、流通の発達で初夏から秋頃まで出回っている。ビタミン類を多く含み、とりわけカロテンは青と黄のピーマンを上回る。油で炒めるとカロテンが生きるが、この時あまり加熱し過ぎると栄養価も色も風味も損なってしまうので注意したい。天ぷらにしてさっと揚げると彩りも美しく食欲も増す。

 食物繊維もピーマンより多い。またカリウムも多く含むので塩分過多による高血圧の予防にもなる。シシトウを選ぶときは緑が濃く、細く小さめのものがよい。つやがあり、匂いの強いほうが良質である。

金曜日, 12月 09, 2011

色々な野菜類(3)

※つるな(蔓菜)

 わが国の太平洋岸の砂地に自生しており、レタスやサラダ菜と同じくチシャの仲間であることから浜ヂシャの呼び名もある。レタスはキク科だが、ツルナはツルナ属に属する多肉質の葉を持つつる性植物である。日本ではあまり食用にされなかったが、世界各国、特に欧米では好まれ、広く栽培されている。

※にら(韮)

 ニラはネギやニンニクと同じユリ科の植物で、この仲間のように強い臭気を持ったものは葷菜と呼ばれ、いずれもその精力増強効果が尊ばれてきた。古事記に記載のあるほど、中国からの渡来は古いが、当時は薬草として扱われていたようでミラ、コミラなどと呼ばれた。その後、いかにもスタミナがつく強精野菜らしく起陽草という別名を与えられている。

 ビタミンA・B群を多く含むが、特徴的なのは臭気成分のアリシンで、この物質には抗菌性と共にビタミンB1の腸内での吸収利用率を高める働きがある。また、体内に吸収されて自律神経を刺激しエネルギー代謝を高め、内蔵を温めて消化を促進する作用がある。そのため冷え性の人は体が温まってくる。

 ニラの種子を乾燥したものを漢方薬では韮子といい、強壮・強精のほか、頻尿・下痢などに用い、根と鱗茎は韮菜と呼んで胃炎・鼻血はもとより、解毒などにも処方している。

※こごみ(屈)

 シダ科の植物でクサソテツともいう。東北地方で雪解けと共に収穫される代表的な山菜。本州から九州まで分布し、木漏れ日の当たる山地などでも自生しているものをよく見かける。ソテツに似た姿で4~5月に根株からワラビのような新葉が伸び、その葉が巻き込んだ形の柔らかいものを収穫する。

 ワラビよりやわらかくクセが少ないので食べやすい。お浸しやゴマ和え、天ぷらなどが一般的である。カロテン、ビタミンB群・C・Kなどのほか、ミネラルもたっぷり含んでいる。カロテン(100gあたり1200ug)は赤ピーマンなみで、ビタミンCの抗酸化活性を守り、皮膚粘膜の再生と維持に役立つ。また消化器や呼吸器の感染症への抵抗力を高めるなどの効用がある。加えて食物繊維がワラビよりも多く、便秘の改善なども期待できる。

水曜日, 12月 07, 2011

色々な野菜類(2)

○おかひじき(尾鹿尾菜)

 シベリア、中国、日本のを原産地とするアカザ科の一年草で、わが国では各地の海岸の砂地に自生しており古くから食用にされてきた。明治以降、目新しい野菜が紹介されるにつれて市場を追われるようになったが、近年、健康野菜として見直されて復活した。

 海藻のヒジキを緑色にしたような姿をしている。若い茎葉を熱湯で4~5分間茹でて、お浸し、辛し和え、酢味噌などで食べるが、シャキッとして歯ざわりが好まれている。カロテンが多いので、油で効率よい活用が期待できる天ぷら料理にも適している。

 栄養的には生100gにつきカロテン3300ug(280ugRE)とホウレン草なみに高いのが特徴で、カルシウムは約3倍の150mgも含む。ビタミンB類は少ないが、Cは21mgと枝豆なみにある。これらの成分と葉緑素の相乗効果で皮膚が丈夫になって風邪をひきにくくなるほか、ビタミンAの働きで気管や胃腸の粘膜の上皮組織に抵抗力がつき、ガンの発生を抑えることが期待できる。

※エンサイ

 ヒルガオ科の一年生つる性草木で、中国名は蕹菜(ヨウサイ)、空芯菜。花がアサガオに似ているので朝顔菜という別名もある。東南アジアでは水生野菜として広く栽培されており、茎葉が広東料理などに使われている。最近はわが国でも栽培されるようになり、6~9月にはスーパーなどにも並んでいる。

 空芯菜という名が示すように、茎は中空で水に浮く。アクのない若い茎葉は味が淡白なので煮物、お浸し、油炒め、汁の実などに使われる。栄養的にはカロテンが特に多く、生100g中に4300ug(360ugRE)含まれている。またビタミンB1や鉄も多い。夏場の健康維持に活躍が期待される新顔の野菜である。

※春菊

 キク科の一年草でヨーロッパの地中海沿岸が原産地であるが、欧米人は食べる習慣を持たず、もっぱら東洋人の食材となっている。日本へは中国を経由して戦国時代に伝来したとも、また江戸初期に招来されたともいわれ、特に西日本を中心に菊菜の名で親しまれてきた。

 特有の香りを好まない人もいるが、日本の緑黄色野菜としてはホウレン草、小松菜と並ぶ代表格で、栄養的にもカロテンが4500ug(380ugRE)もあり、ホウレン草の4200ugを凌いでいる。カロテンは脂溶性なので、茹でたり加熱しても失われることが少ない点も見逃せない。カルシウム120mgという数字は牛乳110mgを上回る数字である。造血に必要な鉄分も1.7mgとホウレン草なみである。

 春菊は料理法次第で100gなど簡単に食べられるから、他の成分も考え合わせるとミネラルの補給源として好適であるというる。天ぷらにして油と共に摂るとカロテンの吸収がよく、特有のクセも気にならなくなる。春菊の濃い緑色は豊富なクロロフィル(葉緑素)のためであるが、クロロフィルには血中コレステロールを下げる働きがある。

※エンダイブ

 キク科キクニガナ属の一、二年草で、同属のチコリと野菜のキクニガナの交配でできたとされ、菊チシャ、苦チシャともいう。エンダイブは英名で、仏名はシコレだが、チコリと混同されやすいためフランスではエスカロールと呼ばれることも多い。日本で普通見られるのは葉に切れ込みの多いものだが、広葉のもの(スカロール)もある。

 春播き、秋播きがあり、いずれね歯切れがよく少し苦味があってサラダに適する。サニーレタスに近い栄養素を含み、カロテンは100g中1700ug(140ugRE)とサラダ菜には及ばないが、亜鉛は0.4mgとサラダ菜の2倍含み、食物繊維も多い。便秘を防ぎ、新陳代謝を盛んにして高血圧の予防に有効である。ドレッシングなど油と共に食べることでビタミンAの吸収を良くし、さっと炒めると量的にも多く摂取することができる。

火曜日, 12月 06, 2011

色々な野菜類(1)

※からしな(芥子菜)

 アブラナ科の一年草。葉カラシナ類、タカナ(高菜)類、茎タカナ類、根ガラシ類など多種類ある。この内、葉が食用とされるのは葉カラシナとタカナ類で漬け物にして食べられることが多い。葉タカナの肥大した茎を漬け物にしたのが、中国料理で使われる搾菜(ザーサイ)である。

 カラシナやタカナには葉カラシナ、山潮、大葉タカナ、カツオ菜などがあるが、いずれも特有の辛味がある。この辛味成分はシニグリンという配糖体である。栄養成分としてはカロテン、ビタミンC、鉄分を多く含む。

 カラシナ、タカナの漬け物はチャーハンやラーメンに入れても美味い。ピリッとした辛味が食欲をそそぎ、暑い夏の季節の一品として最適である。

※なずな(薺)

 アブラナ科の越年草で、道端や土手など日当たりのよい場所に生えている。果実が三味線の撥に似ているのでバチグサやペンペン草ともいわれる。春の七草の一つで七草粥の材料になる。お浸しや和え物にして食べる。カロテンの含有量が多く、100g中5200ug(430ugRE)と野菜類の中でも特に多い。また、ビタミンC(110mg)はレモン以上であり、ビタミンK(330ug)や葉酸(180ug)も多い。ミネラル類ではカルシウムが多く含まれる。

※ルッコラ

 ヨーロッパの地中海沿岸地方を中心に分布するアブラナ科の一年草。ルッコラは伊名、英名はロケット、和名はキバナスズシロという。繁殖力が旺盛なためアジアやアメリカなどで帰化植物になっている。ギリシャ時代には腎臓病や消化器疾患の治療に使われたという記録もある。

 大根のようなロゼット状の根生葉が広がり、開花期が近づくと茎を伸ばして草丈50cm~1mくらいになる。夏に咲く花は淡黄色または白色で紫の筋があり、大根や菜の花によく似ている。

 葉にはゴマとコショウをミックスさせたような独特の香りと辛味、苦味があり、若い葉を摘んでサラダなどに使う。ロケットサラダなどともいわれ、最近わが国でも食べられるようになった。花も生食でき、種はマスタードの代用になる。

※つるむらさき

 ツルムラサキ科のつる性一年草で、別名バセラ、フジナ、オチアオイ。かつては観葉植物として赤紫色の葉や茎を楽しんだが、近年、その栄養価が見直され食用として家庭菜園などで手軽に栽培されるようになった。もともと東南アジアの特に暑い国では古くから健康野菜として食べられていたようである。旬は夏。蔓が巻きついて1~5mにも伸びるが、蔓先から15cmくらいまでの茎と若葉が好んで食されれる。

 色の濃い葉が栄養素の宝庫で、花や実も天ぷらやサラダに適している。味はやや埃くさい感じだが、ホウレン草のようなアクはなく、茹でてゴマやカラシで和えると埃くささも気にならない。葉の栄養成分はカルシウム150mg、カリウム210mg、カロテン300ug(250ugRE)、ビタミンC41mg(いずれも100g中)などだが、ほかにリン、ナトリウム、鉄、亜鉛などのミネラルを含む。カルシウムが多いので骨折や虫歯予防のほか、神経を鎮めて蕁麻疹などにも効く。

月曜日, 12月 05, 2011

DHA

○DHA

 ドコサヘキサエン酸。炭素数22個、二重結合6ヵ所のn-3系不飽和脂肪酸。融点はマイナス78℃。イワシやタラ、ニシンなどの魚油に多く含まれる。ヒトでは脳細胞の尖端のニューロンという神経突起に多く分布しており、情報伝達や記憶の保持に関与している。そのため”頭のよくなる脂肪酸”として話題になった。

 DHAはEPAと同様、血液中の中性脂肪やコレステロール濃度の低下作用、血小板凝集能の抑制作用などが認められている。特に血液の凝集を抑制して虚血性心疾患を予防し、、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールが血管に付着するのを防ぐ働きがEPAよりも強い。健康食品素材としても広く使われており、(財)日本健康栄養食品協会による「ドコサヘキサエン酸(DHA)含有生成魚油加工食品規格基準」(1986年8月公示、96年6月一部改正)がある。

土曜日, 12月 03, 2011

EPA

○EPA

 かつてはエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)と呼ばれていたが、近年、イコサペンタエン酸に改められた。ただし略称のEPAはそのまま使われている。炭素数20個、二重結合5ヵ所のn-3系不飽和脂肪酸で、融点はマイナス54℃。イワシやタラなどの魚油に多く含まれる。血液中の中性脂肪やコレステロール濃度の低下作用、血小板凝集能の抑制作用等が認められている。

 EPAが注目されるようになったのは、1970年代にデンマーク・オールボア病院のダイアベルグがイヌイット(エスキモー人)を対象に行った疫学的調査の結果によってである。それによると、魚やアザラシを主食とするイヌイットは肉食中心にデンマーク人に比べて動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病が大幅に少なかった。例えばデンマーク人の死亡原因が心筋梗塞だけで40%以上も占められているのに、イヌイットは発症率が高い60歳以上だけを対象にしても3.6%でしかなかった。その原因がイヌイットの食生活にあると考えて研究の結果、魚魚肉に含まれるEPAの有効作用にあるとわかったのである。

 最近の研究では、横山光宏(神戸大学)日本人約2万人を対象にした大規模臨床試験(5年間の追跡調査)で、EPA薬の摂取により心臓病のリスクが19%減少したという試験結果を発表している(2005年、米国心臓協会学術集会)。EPAは健康食品素材としても広く使われており、(財)日本健康栄養食品協会による「イコサペンタエン酸(EPA)含有精製魚油加工食品規格基準」(1986年6月一部改正)がある。日本水産は中性脂肪が気になる人向けの飲料としてEPAとDHAを関与成分として初のトクホ「イマーク」を販売している。

木曜日, 12月 01, 2011

魚介タンパク質

○魚介タンパク質

 魚介肉の筋肉(食用部位)には15~25%程度のタンパク質が含まれている。乳タンパク質に匹敵する高い消化吸収率が特徴で、アミノ酸スコアも魚類ではほとんどが100である。アミノ酸組成はグルタミン酸、アスパラギン酸、リジンなどが多い。魚介タンパク質には、筋原繊維タンパク質のミオシン、アクチン、トロポニン、トロポミオシン、筋形質タンパク質のミオグロビン、筋基質タンパク質のコラーゲンなどがある。このほか、魚類の白子の精子核内に存在する塩基性タンパク質のプロタミンなどがある。

※プロタミン

 塩基性の単純タンパク質で、アルギニンを多く含み、魚類の白子の精子核内で核酸と結合している。プロタミンはトリプシン(タンパク質分解酵素)の作用を受けて分解される前に、食品由来の油滴と結合し、リパーゼによる脂肪分解を阻止して脂肪の腸管吸収を低下させる作用がある。また、プロタミンから生じたアルギニンは血管内皮細胞にあるNO(酸化窒素)合成酵素の基質になり、NOを産生して血管を拡張し抹消循環を改善する。魚類プロタミン配合の健康食品がある。

火曜日, 11月 29, 2011

色々なハーブ(3)

※レモングラス

 イネ科オガルカヤ属の多年草で、学名はCymbopogon citratus。原産地はインド。レモンのような香りがあり、タイの伝統的スープであるトムヤムクンに欠かせないハーブとして知られている。葉や茎から抽出される精油にはレモンと同じ芳香成分シトラールが含まれ、レモン系食品の香料に利用される。レモングラスティーは貧血や消化不良によいといわれている。

 最近の研究では京都大学農学部の大東肇らによって、レモングラスは消化器系ガンを引き起こす細菌に対して殺傷能力の高いことが確認されている(2000年)。精油には鎮静作用や血行改善、抗炎症作用があり、アロマテラピーではストレスからくる諸症状の改善や筋肉痛の緩和などに用いられる。

※バレリアン

 オミナエシ科カノコソウ属の多年草で、学名はValeriana offcinalis。原産地はヨーロッパと西アジア。和名はセイヨウカノコソウ。ハーバリストが昔から緊張状態をやわらげるために使用してきたハーブで、近年、その作用に新たな注目が集まっている。バレリアンの薬理作用についてはヨーロッパで1980年代から数多くの臨床試験が実施され、鎮静効果や催眠効果が確認されている。

 睡眠薬として利用する場合は、就寝2時間前までに400~900mgのバレリアン抽出物を経口摂取すると効果的である。また、鎮静作用のあるレモンバームと組み合わせると相乗効果を期待できる。生理痛や月経前症候群、筋肉痛にもよいとされている。副作用や依存症はないが、大量摂取すると頭痛・吐き気・不整脈などを生じることがある。ドイツでは医薬品として使用されている。

月曜日, 11月 28, 2011

色々なハーブ(2)

※セージ

 シソ科アキギリ属の常緑性低木で、学名はSalvia offcinalis。ヨーロッパ南部と北アフリカが原産。別名サルビア。開花前の若葉を摘み、乾燥させて使う。セージのある庭に行くものは死なないという格言があるほど、古くから万能の薬草として用いられ、ヨーロッパでは乾燥葉が薬局方に記載されてきた。発汗抑制・利尿・消毒殺菌・収斂・血行促進・疲労回復などの作用が知られている。現在もハーバリストが発汗防止に使用さている。特有の香りや苦味、辛味が食欲を刺激するので、消化不良や食欲不振にもよい。また、煎じたものは口内炎や歯肉炎のうがい薬として使われる。リラックス効果があるので、疲れたときのハーブティーとしても良い。

 食材としてソーセージ作りに欠かせないハーブである。肉料理の臭み消しとしても広く使われ、ラムや七面鳥、鴨、レバー料理に使われる。

※キャットニップ

 ユーラシア原産のシソ科イヌハッカの多年草で、学名はNepeta cataria。和名はイヌハッカ。猫を興奮させるハーブとして有名だが、人に対しては鎮静作用を持つ。ヨーロッパでは古くから病気の治療に使われてきたハーブで、不眠や頭痛、下痢、腹痛などに効果がある。葉はミントに似た香りで、乾燥葉と花の先端部を用いたハーブティーはリラックス効果をもたらす。発汗作用があり、体を暖めてくれるので入浴剤にも使われている。葉をタバコのようにすうと多幸症を引き起こすことが知られている。

※ヒソップ

 シソ科ヤナギハッカ属の多年草で、学名はHysspous offcinalis。地中海と西アジアが原産。和名はヤナギハッカ。ハッカに似た香りがあり、旧約聖書には清めのハーブとして登場している。食用や薬用としてだけでなく、その芳香を生かして病室や台所の床に撒いて消臭剤としても使われたという。

 肉や魚など脂肪分の多い料理やスープ、シチューなどの香り付けによく使われるハーブで、香草系の代表的なリキュール「ベネディクティン」の材料の一つでもある。鎮痙作用や抗菌作用があり、風邪や咳、鼻づまりにはドライハーブをお湯に混ぜて飲むと症状を緩和してくれる。うがい薬や外用薬として利用できる。

※ラベンダー

 地中海沿岸のシソ科ラバンデュラ属の常緑小低木で、学名はLavandula angustifolia。ラベンダーはラテン語のlavara(洗う)を意味し、古代ローマ人は公共浴場に入れて香りを楽しんだという。その香りは精神を落ち着かせる作用があり、睡眠前など気分をリラックスさせたいときにはラベンダーティーを飲むとよい。アロマテラピーでは精油が不安の解消やリラクゼーションに用いられる。また、皮膚への浸透がよく、スキンオイルやマッサージオイル、ブレンドオイルとしても使われている。花を乾燥させたポプリは香りだけではなく殺菌や防虫にも効果的だ。

金曜日, 11月 25, 2011

色々なハーブ(1)

※アニス

 セリ科アニス属の一年草で、学名はPimpinella anisum。。地中海東部沿岸地域やエジプトが原産で、古代エジプト時代から薬用や調味料として愛用されてきた伝統的ハーブである。アニスの完熟種子(アニスシード)には特有の甘い香りと味があり、今日でもパンや菓子、スープの香辛料、リキュールの香料などに用いられている。種子はアネトールを主成分とする精油を2~3%含み、これがアニスシード特有の芳香と味のもとになっている。

 精油には細菌繁殖を抑える効果がある。種子を潰して煎じたお茶は消化を促す働きがあり、食欲不振、消化不良、腹痛などの改善に適している。また、母乳の分泌を促進する作用があり、種子をお湯に浸すアニスティーはヨーロッパでは古くから授乳期の女性のお茶として知られている。この母乳分泌促進作用は動物実験でも確認されている。アメリカの栄養学者E・ミンデルによると、乳牛にアニスオイルのにおいを嗅がせると牛乳の生産量が増加したという(「ハーブバイブル」同朋社)。精油の香りには虫が嫌う成分が含まれており、防虫にも効果的であるとされる。

○チャービル

 セルフィーユとも呼ばれる。ヨーロッパやアジアを原産とするセリ科のシャク属の一年草で学名はAnthricus cerefolium。和名はウイキョウゼリ。上品な甘い香りが特徴。4種類のフレッシュハーブを刻んで混ぜてフィーヌゼルブ(フランスの伝統的なハーブミックス)に使われるほか、葉はサラダやスープ、バーブバターなどに用いられる。古くは薬用として利用され、カルペパー(17世紀英国のハーバリスト)は、チャービルに胃を温める作用があることを見出し、消化促進・利尿・関節痛などの治療に使われた。葉にはビタミンC、カロテン、鉄分、マグネシウムなどが含まれている。

※ディル

 セリ科イノンド属のハーブで、学名はAnethum graveoles。別名はイノンド、ヒメウイキョウ。古くから頭痛の治療薬として使われており、古代エジプトの医学古典「エーベルス・パピルス」にも収載されている。日本には江戸時代に渡来し、種子が蒔蘿子と呼ばれて生薬に使われている。

 葉を煎じて飲むデイルティーは消化を助ける作用があり、胃の調子を整えてくれる。また、種には神経をやわらげる鎮静作用があるとされ、ヨーロッパでは乳児の夜泣きや不眠症の人に種子を煎じて飲ませる。ディルには独特の香りがあり、スパイスとしても広く使われている。魚料理との相性がよく魚のハーブといわれている。種子はピクルスやクッキーなどに、若葉はワインビネガーに入れて香り付けに用いたりする。

※フェンネル

 セリ科ウイキョウ属の多年草で、学名はFoeniculum vulare。原産地はヨーロッパ。和名はウイキョウ。フェンネルは亜種や変種が多く、現在、主に栽培されているのはビターフェンネルスイートフェンネルである。

 フェンネルの生理作用はヨーロッパや中国で古くから認められており、腹痛や風邪の治療などに用いられてきた歴史がある。精油にハチミツを加えてお湯で溶かし、咳止めとして飲まれていた。また健胃作用に優れ、腸の痙攣を抑える小腸の運動を高める作用がある。消化を助けて食欲を増進させると共に、腸内ガスの放出や疝痛の緩和に働く。幼児疝痛にも効果があり、スイートフェンネル種子の精油を含有した乳剤を幼児に与えた試験で疝痛が緩和したという報告がある。これは、種子に多く含まれるトランスアネトール、メチルカビコール、フェンコンなどが有効成分と考えられている。

 食用としては、茎や葉が魚料理の臭い消しに、種子はクッキーやパンなどの風味付けに利用される。フェンネルは近年、ダイエットハーブとしても市販されているが、その有用性についてはまだ実証されていない。

木曜日, 11月 24, 2011

アーティチョーク

○アーティチョーク

 アーティチョークは地中海沿岸のエジプトから南ヨーロッパ地方に分布するキク科の多年草で、学名はCynara scolymus。アザミの仲間で、和名はチョウセンアザミ。成長すると2mほどにより大型の紫色の花をつける。花の付け根のふくらんだ花托は独特の風味と食感があり、フランスやイタリアでは古くから高級野菜としてして珍重されてきた。

 アザミの仲間のハーブは古くから肝臓疾患の症状を和らげる効果のあることが知られており、ヨーロッパ薬草療法では、アーティチョークは肝臓の解毒作用を助ける効果があるほか、肝臓組織の再生にも有効であるとされてきた。20世紀に入ると、多くの生物学者からによってアーティチョークの薬理的研究が行われ、今日では苦味成分を中心とした多種の有効成分が見出されている。それによると、アーティチョークの効果を決定づける成分として、苦味成分のシナリンやフラボノイド、セスキルペンラクトン系のシナロピクリンのほか、イヌリン、キナ酸カフェオイルが単離されている。

 アーティチョークの葉の苦味値は15000単位と報告され、苦味成分の含有量が最も高い数値を示すのは開花直前と果実の成熟時とされている。その成分中の苦味成分シナリンには、胆汁の分泌を促進し、血液中の脂肪代謝を活性化することによって血液中のコレステロール値を正常に戻す効果があるとされている。また軽い利尿作用があるほか、胃のもたれや膨満感を解消し、上腹部の痙攣症状の緩和にも効果のあることが臨床試験において確認されている。今日、ドイツの薬品業界ではこのシナリンがアーティチョーク調剤の品質基準を測る指標と見なされている。アーティチョーク調剤には主として糖衣錠や圧搾エキスがある。

火曜日, 11月 22, 2011

きんかん(金柑)

○きんかん(金柑)

 ミカン科の常緑低木の果実で中国が原産。日本へは鎌倉時代末期に渡来し、主として福岡、和歌山、静岡などの温暖な地域で栽培されている。柑橘類の中では実は一番小さい。果皮には甘味と香気があり、皮ごと生食される。12~2月ごろが出盛だが、時期が短いのと量的にも少ないためミカンのようには目に触れないのが残念である。

 風邪が流行るとキンカンが売れると昔から言われ、民間薬として親しまれてきた。それはビタミンC・B1・B2・E、ヘスペリジン(ビタミンP)、カルシウムを豊富に含み、柑橘類の中では最も栄養価が高いからで、ビタミンCは100g中49mg、カルシウムは80mである。ビタミンCやカルシウムは皮膚の抵抗力を強めるのにも役立ち、ヘスペリジンはビタミンCの吸収を高め毛細血管を強くする働きがある。従って風邪のみならず、動脈硬化や高血圧の予防、血管の老化防止、歯槽膿漏などにも有効である。キンカンの甘露煮は鎮咳・去痰薬として昔から愛用されている。

月曜日, 11月 21, 2011

カボチャ種子

○カボチャ種子

 カボチャはウリ科のつる性植物で、β-カロチンや糖質を豊富に含み、健康食材として人気があるが、この種子には頻尿や尿失禁などを改善する有効成分が含まれており、中米などでは古くから天然の利尿剤として使われてきた。また、植物療法の伝統が根強いヨーロッパでは、カボチャ種子の抽出物を配合した医薬品が前立腺肥大や過剰膀胱の治療を目的に使われている。

 カボチャには日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3品種あるが、機能性素材として種子が利用されるのはペポカボチャである。ペポカボチャはメキシコ北部から北米が原産地で、低温に強い品種であることから世界各地で栽培されているが、わが国では西洋カボチャが9割を占め、ペポカボチャはあまり馴染みがない。イタリア料理に使われるズッキーニ、二、三倍酢にして食べる金糸瓜(そうめんカボチャ)はペポカボチャの一種である。

 ペポカボチャの種子が前立腺肥大を改善するのは、種子に含まれる脂肪酸とシトステロールの作用によるものと考えられている。前立腺肥大は、男性ホルモンとテストステロンが変化して生成されるジヒドロテストステロンが蓄積することによって起こるが、ペポカボチャ種子の脂肪酸は、この生成に関与している5-α-リダクダーゼという酵素の活性を阻害することによってジヒドロテストステロンの蓄積を抑制する。また、レセプター(受容体)への結合を阻害する作用も認められている。このほか女性に多いとされる、くしゃみや咳などで尿が漏れてしまう尿失禁の改善にも効果のあることがわかっている。

金曜日, 11月 18, 2011

菊芋

○菊芋

 いもという名が付いているが、キク科の多年草である。キクイモの由来はキクのような花をつけ、根の先端が肥大してイモのような塊茎になることから。原産地は北アメリカ北東部で、先住民が古くから食用としていた。ジャガイモの歯ざわりとゴボウの味を混ぜた風味があり、煮ると甘味が出る。日本には江戸時代に到来したが、食物繊維を多く含むため消化吸収が悪く、栄養価の高くないことから食用よりも飼料として使われてきた。戦時中の一時期、食糧難のために栽培され漬け物の材料にされていたこともあるが、近年ではほとんど栽培されていなかった。ところが、この菊芋に糖尿病を改善する作用のあることが分かったことから、にわかに注目を集める健康機能性素材となった。

 キクイモ(生)の食品成分をみると、炭水化物が15.1%と非常に多く含まれている。特徴的なのはこの糖質にはデンプンがほとんどなく、大部分がイヌリンという糖質で占められていることだ。イヌリンは多糖類の一種で、果糖(フルクトース)が30個ほどつながった構造をしている。キクイモ以外ではダリアの塊茎やアザミの根などに貯蔵多糖として含まれている。デンプンは体内でブドウ糖に分解され、小腸から吸収されて血糖値に反映されるが、イヌリンはヒトの消化酵素では消化されず、分解されてもブドウ糖ではなく果糖になる。そのため血糖値の上昇とは無縁であるばかりか、腸が糖質を吸収するのを抑える作用があり、血糖値の上昇を背後から抑制する働きもしている。わが国では漬け物の材料にしか使われてこなかったキクイモであるが、今後は抗糖尿病食品として大いに期待される素材である。菊芋は海外でも広く栽培、利用されているが、ドイツではトピナンバーという名で機能性食品素材として活用されている。

※トピナンバー

 ドイツのレホルム製品の一つ。キクイモ塊茎に含まれる難消化性多糖のα-イヌリンを中心に、ペクチン、ビタミン、ミネラル、ベタイン、フラボノール・グルコシド、酵素、アミノ酸を配合した機能性素材。300気圧の圧搾装置を使ってキクイモの塊茎から抽出したエキス製品もある。どちらも糖分や糖質の摂取を制限されている糖尿病患者の健康食品として需要がある。

木曜日, 11月 17, 2011

プエラリア・ミリフィカ

○プエラリア・ミリフィカ

 プエラリア・ミリフィカはタイ国産のマメ科クズ属の植物で、現地ではガウクルアと呼ばれ、古くから根茎が回春や長寿などの民間薬として利用されている。その活性成分がミロエステロールと呼ばれる女性ホルモン様の物質=植物性エストロゲンであることを指摘し、その構造式を明らかにしたのは、1960年に英国科学雑誌ネイチャーに掲載された論文である。それによると、ミロエステロールは卵巣ホルモン・エストロゲンと類似した強い活性を持つことが解明され、その民間薬としての効能成分が化学的に裏付けられた形となった。

 その後1980年代になって、プエラリア・ミリフィカにはプエラリン、ダイズィン、ダイゼイン、ゲニステイン、クメステロールなどのイソフラボノイドが豊富に存在するとの報告がなされた。ちなみに、近年、更年期障害を軽減するとして注目を集めている大豆イソフラボンもイソフラボノイドの一種である。

 さらに2000年には、千葉大学薬学部の研究チームが、プエラリア・ミリフィカからミロエステロールを単離すると共に、ミロエステロールの10倍のエストロゲン活性を持つ成分デオキシミロエステロールの単離・同定にも成功するなど、多方面で研究が続けられている。

 エストロゲンは女性の卵胞から分泌される性ホルモンで、子宮の機能、膣粘膜細胞の増殖などに働くほか、血管を広げて血流を促進させ、動脈硬化を防止する、LDL(悪玉コレステロール)を低下させHDL(善玉コレステロール)を上昇させる、体内の水分とナトリウムを貯蓄する、骨量のバランスを保つ、コラーゲンやヒアルロン酸を合成する、などの作用がある。プエラリア・ミリフィカに含まれるミロエステロール、デオキシミロエステロールなどの植物性エストロゲンは、このエストロゲンと非常に似た構造と作用を有する物質であり、女性の美容と健康に関与すると見られている。

 こうした有効成分に着目して、健康食品市場ではプエラリア・ミリフィカを利用した美容・健康食品、化粧品などの製品開発が進んでいる。美容・健康食品としては、従来、バストアップ(豊胸)促進を訴求する製品が主流だったが、近年は若い女性の生理不順、生理痛肌荒れなどホルモン・バランスの崩れからくる症状の改善や、更年期障害症状の軽減のためのサプリメントとして広く利用されるようになってきた。また、最近は上記の作用を生かした化粧品開発も活発化しており、プエラリア・ミリフィカをベースに、細胞賦活作用を持つプロポリス、抗酸化力を有するブドウ種子エキスなどを配合した自然派コスメティックも登場している。これらの化粧品は、皮膚から植物性エストロゲンを吸収させることで、体内でのヒアルロン酸、コラーゲンの生成を促し、皮膚の保湿を促進させるなどのほか、アトピー性皮膚炎などの改善にも効果があるとされている。

水曜日, 11月 16, 2011

米ケフィラン

○米ケフィラン

 米ケフィランは、世界的に有名な長寿地域であるコーカサス地方で、かつて門外不出とされた発酵乳ケフィアに含まれる特徴的な乳酸菌、学名ラクトバチルス・ケフィラノファシエンスを日本人の主食である米を栄養源として単独培養することにより得られる植物性の生成物である。

 同素材は機能性食品の原料メーカーである大和薬品(株)が腸内細菌研究の世界的権威であり、Lactobacillus kefranofaciensの分類・命名に携わった光岡知足(東京大学名誉教授)の技術指導のもと、農林水産省が主管するニューフード・クリエーション技術研究組合の助成を受け開発された。

 米ケフィラン培養物1リットル中には健康に対する有用性が長年注目されながらも大量生産が困難とされていた粘質性多糖「ケフィラン」が約800mgと高濃度含まれている。動物性成分を含まず、低脂質で熱やpHの変動に対して安定という特長を持ち、健康補助食品、一般食品など幅広い商品開発が可能である。

 ケフィランはガラクトース3分子とグルコース3分子を一つのユニットとする水溶性食物繊維の一種(多糖ガラクトグルカン)でこれまでに室伏博士らによるマウス経口投与における抗腫瘍作用(1982)、同マウス経口投与における遅延型アレルギーに対する作用(1983)、同マウス傾向投与における免疫強化作用(1986)、樺山博士らによるストレスホルモンによって抑制された細胞のインターフェロンβ産生促進作用(1997)などの有用性が明らかにされている。近年も数々の動物実験により、整腸作用、血糖上昇抑制作用、血圧上昇抑制作用、脂質代謝改善作用など多彩な機能性が明らかになり、メタボリックシンドローム対応素材としての有用性も期待されている。

 米ケフィランにはケフィランだけでなく、乳酸菌の死菌体や米由来のペプチドなども含まれており、動物実験による抗動脈硬化作用や抗アレルギー作用などのエビデンスが蓄積されつつある。

 光岡名誉教授は2007年5月に発酵乳研究で最も優れた業績を挙げた科学者に贈られる国際賞・メチニコフ賞(国際酪農連盟主催)を微生物部門において受賞、受賞対象となった研究は①腸内細菌の培養法と腸内細菌の同定法の確立、②新種腸内細菌の分離と分類・命名、③腸内細菌の生態系の解析、④腸内細菌の役割の解析、⑤機能性食品創製への応用と展開、の5項目から成り立っている。

火曜日, 11月 15, 2011

ビタミン様作用物質

○ビタミン様作用物質

 ビタミンと類似した作用を持つ有機化合物の総称。コエンザイムQ10、α-リポ酸、コリン、パラアミノ安息香酸、ビタミンPなどがある。

※コリン

 脂肪肝を防ぐ因子として発見された水溶性ビタミン様物質(ビタミンB複合体)。ヒトの体内ではメチオニンから合成される。糖質と脂質の代謝に必要な補酵素として働き、不足すると脂肪肝の原因ともなる。コレステロールの血管壁への沈着を防ぐレシチン(リン脂質)の構成要素でもあるので、動脈硬化予防の効果もあり、食品では卵黄、レバー、小麦胚芽、米胚芽、大豆、酵母などに多く含まれる。

※ビタミンP

 ネズミの壊血病を予防する因子としてレモン果汁から発見された水溶性ビタミン様作用物質。発見当初はシトリンと命名されたが、同様の作用が柑橘類などの黄色・橙色を呈する色素のヘスペリジン、フラボン類、生薬のオウゴンに含まれるバイカレイン、そば(蕎麦)やエンジュ(槐)に含まれるルチンなどにも同様の作用が見い出され、いずれも毛細血管の透過性を保つ働きがあることから、透過性(permeability)のPをとってビタミンPと総称されるようになった。アンズ(杏)やサクランボにも多く含まれている。毛細血管の透過性を保ち、血管壁を丈夫にするほか、毛細血管の収縮作用や血圧降下作用もある。

※ビタミンU

 抗胃潰瘍因子としてキャベツから発見された脂溶性ビタミン様物質。物質名はメチルメチオニン・スルホニウム・クロライド。胃酸の分泌を抑えると共に胃粘膜の新陳代謝を促進させて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを改善する。キャベツやレタスなどに含まれている。

※パラアミノ安息香酸

 水溶性ビタミン様物質。グルタミン酸から葉酸を合成する材料となり、パントテン酸の吸収を助ける働きがある。葉酸やパントテン酸と一緒に摂ると白髪や皮膚の老化を防ぐ効果がある。レバー、卵、牛乳、玄米などに含まれる。

※レートリル

 アンズ(杏)の種子に含まれるビタミン様作用物質。アミグダリン、ビタミンB17とも呼ばれている。米国の研究では、β-グルコシダーゼ(酵素)を加えたレートリル溶液を腹水ガンに注入したところ、ガン細胞が100%死滅したという報告がある。

月曜日, 11月 14, 2011

ビタミンD

○ビタミンD

 抗くる病因子としてタラ(鱈)の肝油中から発見された脂溶性ビタミン。キノコなどに含まれるビタミンD2(物質名はエルゴカルシフェロール)と、動物性食品に含まれるD3(コレカルシフェロール)の2種類があるが、どちらも体内では同様の作用を持つ。また、酵母やキノコに含まれるエルゴステロールや動物性食品に含まれる7-デヒドロコレステロールは、紫外線が当たるとD2、D3に変わるプロビタミンDである。

 ビタミンDは体内に入ると肝臓と腎臓で活性型に変わり、甲状腺ホルモンと共に働いてカルシウムとリン酸の骨への沈着を助ける。また、筋肉や血液中のカルシウム濃度をコントロールする働きをしており、カルシウム不足のときには骨からカルシウムを溶出させる調整役もしている。ビタミンDは魚肉、レバー、バター、卵黄、シイタケなどに多く含まれる。「食事摂取基準05年度版」では、ビタミンDの目安量は1日あたり成人男女ともに5ugで、上限量は50ugとしている。また保健機能食品制度では、ビタミンDを1日摂取量あたり1.5~5ug含む食品にはビタミンDの機能を表示することができる。

※エルゴステロール

 不飽和ステロールの一種で、エルゴステリンともいう。シイタケなどキノコ類や酵母に多く含まれており、紫外線が当たるとエルゴカルシフェロールになり、体内に振り込まれてビタミンDに変化する。生シイタケは食べる前に日光に当てるとビタミンD2の含有量を増やすことができる。

土曜日, 11月 12, 2011

深海鮫エキス

○深海鮫エキス

 サメ(鮫)は軟骨魚類からエイ類とギンザメ類を除いたものの総称で、アイザメ、アブラザメ、シュモクザメ、ホシザメ、ネコザメ、ノコギリザメ、ジンベイザメなど大小種々のものが含まれる。肉はカマボコなど練製品に使われるが、肝臓からは肝油が作られる。特にアイザメの肝油は良質で、女性の高級美顔料として使われているほか、健康食品としては深海鮫エキスとして加工されている。

 このエキスに含まれる油性物質のスクアレンは細胞の新陳代謝を活発にし、健康の維持・増進に役立つ機能成分とされている。深海鮫の肝臓は体重の17~27%に及び、特にアイザメは肝臓の重さが体重の25%を占め、その1/4が肝油であり、9割近くをスクアレンが占めている。スクアレンは、日本の油脂科学のパイオニアであって辻本満丸が1906年(明治39)年にアイザメ肝油から発見した高純度不飽和炭化水素(油脂)である。

 この油脂は化学的に安定するために水を還元して水素を取り込み、その結果、酸素を発生させる。これは深海で生息するサメの体内で必要とされる酸素を補給する働きをしているのではないかと考えられている。

 深海鮫エキスは栄養やエネルギー源としてばかりでなく、臓器の機能回復を手助けする”整備エンジニア”のような役目を果たす。その作用として、①浸透性がよい(化粧品素材として利用)、②賦活作用がある(細胞や皮膚の発育を促進させる作用)、③殺菌作用がある、④浄化作用がある(体内の新陳代謝を促す還元作用)、などが挙げられる。