※つるな(蔓菜)
わが国の太平洋岸の砂地に自生しており、レタスやサラダ菜と同じくチシャの仲間であることから浜ヂシャの呼び名もある。レタスはキク科だが、ツルナはツルナ属に属する多肉質の葉を持つつる性植物である。日本ではあまり食用にされなかったが、世界各国、特に欧米では好まれ、広く栽培されている。
※にら(韮)
ニラはネギやニンニクと同じユリ科の植物で、この仲間のように強い臭気を持ったものは葷菜と呼ばれ、いずれもその精力増強効果が尊ばれてきた。古事記に記載のあるほど、中国からの渡来は古いが、当時は薬草として扱われていたようでミラ、コミラなどと呼ばれた。その後、いかにもスタミナがつく強精野菜らしく起陽草という別名を与えられている。
ビタミンA・B群を多く含むが、特徴的なのは臭気成分のアリシンで、この物質には抗菌性と共にビタミンB1の腸内での吸収利用率を高める働きがある。また、体内に吸収されて自律神経を刺激しエネルギー代謝を高め、内蔵を温めて消化を促進する作用がある。そのため冷え性の人は体が温まってくる。
ニラの種子を乾燥したものを漢方薬では韮子といい、強壮・強精のほか、頻尿・下痢などに用い、根と鱗茎は韮菜と呼んで胃炎・鼻血はもとより、解毒などにも処方している。
※こごみ(屈)
シダ科の植物でクサソテツともいう。東北地方で雪解けと共に収穫される代表的な山菜。本州から九州まで分布し、木漏れ日の当たる山地などでも自生しているものをよく見かける。ソテツに似た姿で4~5月に根株からワラビのような新葉が伸び、その葉が巻き込んだ形の柔らかいものを収穫する。
ワラビよりやわらかくクセが少ないので食べやすい。お浸しやゴマ和え、天ぷらなどが一般的である。カロテン、ビタミンB群・C・Kなどのほか、ミネラルもたっぷり含んでいる。カロテン(100gあたり1200ug)は赤ピーマンなみで、ビタミンCの抗酸化活性を守り、皮膚粘膜の再生と維持に役立つ。また消化器や呼吸器の感染症への抵抗力を高めるなどの効用がある。加えて食物繊維がワラビよりも多く、便秘の改善なども期待できる。
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