※からしな(芥子菜)
アブラナ科の一年草。葉カラシナ類、タカナ(高菜)類、茎タカナ類、根ガラシ類など多種類ある。この内、葉が食用とされるのは葉カラシナとタカナ類で漬け物にして食べられることが多い。葉タカナの肥大した茎を漬け物にしたのが、中国料理で使われる搾菜(ザーサイ)である。
カラシナやタカナには葉カラシナ、山潮、大葉タカナ、カツオ菜などがあるが、いずれも特有の辛味がある。この辛味成分はシニグリンという配糖体である。栄養成分としてはカロテン、ビタミンC、鉄分を多く含む。
カラシナ、タカナの漬け物はチャーハンやラーメンに入れても美味い。ピリッとした辛味が食欲をそそぎ、暑い夏の季節の一品として最適である。
※なずな(薺)
アブラナ科の越年草で、道端や土手など日当たりのよい場所に生えている。果実が三味線の撥に似ているのでバチグサやペンペン草ともいわれる。春の七草の一つで七草粥の材料になる。お浸しや和え物にして食べる。カロテンの含有量が多く、100g中5200ug(430ugRE)と野菜類の中でも特に多い。また、ビタミンC(110mg)はレモン以上であり、ビタミンK(330ug)や葉酸(180ug)も多い。ミネラル類ではカルシウムが多く含まれる。
※ルッコラ
ヨーロッパの地中海沿岸地方を中心に分布するアブラナ科の一年草。ルッコラは伊名、英名はロケット、和名はキバナスズシロという。繁殖力が旺盛なためアジアやアメリカなどで帰化植物になっている。ギリシャ時代には腎臓病や消化器疾患の治療に使われたという記録もある。
大根のようなロゼット状の根生葉が広がり、開花期が近づくと茎を伸ばして草丈50cm~1mくらいになる。夏に咲く花は淡黄色または白色で紫の筋があり、大根や菜の花によく似ている。
葉にはゴマとコショウをミックスさせたような独特の香りと辛味、苦味があり、若い葉を摘んでサラダなどに使う。ロケットサラダなどともいわれ、最近わが国でも食べられるようになった。花も生食でき、種はマスタードの代用になる。
※つるむらさき
ツルムラサキ科のつる性一年草で、別名バセラ、フジナ、オチアオイ。かつては観葉植物として赤紫色の葉や茎を楽しんだが、近年、その栄養価が見直され食用として家庭菜園などで手軽に栽培されるようになった。もともと東南アジアの特に暑い国では古くから健康野菜として食べられていたようである。旬は夏。蔓が巻きついて1~5mにも伸びるが、蔓先から15cmくらいまでの茎と若葉が好んで食されれる。
色の濃い葉が栄養素の宝庫で、花や実も天ぷらやサラダに適している。味はやや埃くさい感じだが、ホウレン草のようなアクはなく、茹でてゴマやカラシで和えると埃くささも気にならない。葉の栄養成分はカルシウム150mg、カリウム210mg、カロテン300ug(250ugRE)、ビタミンC41mg(いずれも100g中)などだが、ほかにリン、ナトリウム、鉄、亜鉛などのミネラルを含む。カルシウムが多いので骨折や虫歯予防のほか、神経を鎮めて蕁麻疹などにも効く。
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