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火曜日, 1月 31, 2006

山芋(ヤマイモ)について

○山芋(ヤマイモ)

 山芋はヤマノイモ科の蔓性植物で、通常は自然薯(ジネンジョ)、大薯(ダイショ)、ヤマノイモの3種類を含む総称である。

 自然薯は日本原産で、食用とする担根体(茎と根の付け根が肥大したもの)を地中深く直下させる。大薯は熱帯、亜熱帯に自生する種類でバラエティーに富むが、日本では沖縄や南九州に多い。担根体は扇形、棒状、塊状、紡錘形など様々である。

 ヤマノイモは中国原産で、日本でも古くから栽培され、寒さにも強く東北、北海道でも栽培されている。品種により長芋(ナガイモ)、銀杏芋(イチョウイモ)、大和芋(ヤマトイモ)に分けられる。市場に出回るのはこの3種がほとんどである。

 粘性やデンプンの量は銀杏芋、大和芋が勝り、細長い棒状の長芋は水っぽく、内容物がやや薄い。含有されているデンプンは、加熱しなくても消化しやすいアルファ・デンプンである。また、いずれの品種も糖質、タンパク質に富み、デンプン分解酵素のジアスターゼは大根の3倍、他に尿素分解酵素やサポニン、粘液質のムチン(タンパク質の吸収に有効)も含まれ、滋養強壮、強精、老化防止などの効果があるとされる。

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月曜日, 1月 30, 2006

ハトムギ茶について

○ハトムギ茶

 ハトムギ茶はアマチャヅル茶と並んで普及がめざましく、健康茶として東西の横綱級にまでのし上がったが、その出世の早さでも両者はよく似て入る。1980年代の半ばにハトムギのブームがあったが、それがそのままハトムギ茶の人気に結びついた。

 ハトムギにはゲルマニウム(有機ゲルマニウム)を多く含有しており、そのため体内で有害重金属類を排除する作用があるとされている。また、肝硬変や悪性腫瘍にも効果があることが明らかになってきている。日本癌学会総会(1984年)で、沼田光弘(国立予防衛生研究所)らが、ハトムギの中にガン細胞の増殖を抑える物質があると発表し、この物質が直ちにゲルマニウムであることはできないにしても、ハトムギの抗ガン作用は愛飲家には福音であろう。

 現在、市販されているハトムギ茶は、ティーパック、缶入りなどがあるが、いずれも健康茶として健胃・食欲増進、腎機能増進、利尿、腎結石や膀胱結石などの予防、筋肉痛・リューマチ・神経痛などの鎮痛、あるいは美肌、美容、痩身などへの効果が期待される。

 ハトムギ茶のもう一つの特徴は、その香りのよさである。この香ばしい香りは、大人はもちろん子供の口にも抵抗なく、家族揃って飲めるというメリットがある。こういうところにハトムギ茶の大衆性があり、単に健康茶というだけでない支持が得られた理由があるといえよう。

 この香りのよさを活かして、他の薬草をブレンドする健康茶もいろいろと考えられている。特にアマチャヅルとのブレンドはヒット商品となった。アマチャヅルのほのかな甘みに加えて、ハトムギの香りのよさがよくミックスし、アマチャヅルの生理効果が相乗されるところに人気の鍵があったものといわれる。アマチャヅルに限らず、いろいろな薬草や飲み物と取り合わせて、香りや味の変化を楽しみことができる。それぞれの家庭でわが家のハトムギ茶を作ってみたらどうであろう。

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日曜日, 1月 29, 2006

ハトムギについて

○ハトムギ

 ハトムギ(鳩麦)はイネ科の一年生植物で、中国南部から東南アジアの地域が原産地といわれる。薬用としての歴史は古く、神農本草経にも、「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」と効能が記されている。

 ハトムギの漢方名は?苡仁といい、その成分は米や麦よりもカロリーが高く、タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などを豊富に含み、なかでもタンパク質は良質のアミノ酸で形成され、他の穀類に比べて新陳代謝作用が大きいといわれている。そのほか、抗腫瘍作用を持つ物質の存在も明らかになっており、特殊な微量成分が含まれていることもあって再認識されるようになった。ハトムギの薬効は多く研究者によって明らかにされているが、漢方医の大塚敬節、塩谷伸らの経験などを織り交ぜてその薬効を示すと、次のようになる。

 ①食欲不振や胃のもたれに効果がある。なんとなく食欲がない、食べたあと胃が重いという人で、医薬品ではあまり効果を示さなかった人がよくなったという例が多い。②利尿作用があるので、むくみ、脚気、腎臓、膀胱結石などにめざましい効果を見せる。③筋肉痛、リウマチ、神経痛に効く。?苡仁を煎じて飲むか、粥にして食べてもよい。④荒れ肌やサメ肌、また吹き出物の出やすい体質、あかぎれなどの改善・治療に有効である。⑤イボ取り効果。特に青年性イボによく効き、老人性の固いイボにも有効。⑥制ガン作用。抗腫瘍物質としてコイクセノリドが発見され、これを利用し、?苡仁にフジノコブ、ヒシの実を配合した生薬が注目されている。

 ハムムギは一般にハトムギ茶として利用されることが多いが、殻つきの全粒ハトムギを遠赤外線焙煎して粉末にした製品や、ハトムギを粉砕し液化工程を経て糖化したハトムギ糖などの健康食品がある。また、ハトムギの胚芽から採取したハトムギ胚芽油も健康食品として知られている。

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土曜日, 1月 28, 2006

ショウガ(生姜)について

○ショウガ(生姜)

 ショウガ科の多年生草木で、インド原産とされているが、野生種は発見されていない。高温多湿を好み、日本では7月9月頃にかけてよく生育する。食用とする塊茎部分は多肉で黄色、繊維質で芳香と辛味がある。ヨーロッパではすでに1世紀頃から薬用として知られており、中国でもショウガの塊茎を生姜と名づけて古くから生薬として用いてきた。

 ショウガは精油を含み、独特の芳香がある。主成分はジンギベロールで、油性のショウガオールなどを含む。デンマークのオーデンセ大学地域保健研究所のスリバスターバは、試験管及びラットの大動脈で、ショウガが強力な抗凝血作用を示したことを発表している。これは血餅を防ぐことで知られているニンニクやタマネギよりも強い作用を示したという。血餅形成の最初の段階で、血小板の凝集を促進させるホルモン用の物質トロンボクセインが血液細胞で合成されるのを、ショウガは効率よく抑制するというのである。これについてコーネル大学の研究者たちは、ショウガに含まれる抗凝血物質はジンギベロールだと考えているが、これは強力な抗血餅化合物であるアスピリンと、驚くほどよく似た化学構造をしているともいう。

 ショウガを乾燥したものを漢方では、乾姜と呼び、主な効能としては、嘔吐を止め、痰を去り、気を下し、水腫を取るほか、発汗、解熱、解毒、健胃作用など多様である。他の生薬と配合して芳香性健胃剤、食欲増進、新陳代謝機能促進、鎮吐のほか、鼻づまり、悪寒、発熱に用いられる。消炎鎮痛作用もあり、ショウガ汁と里芋を潰したものと小麦粉を混ぜ、関節炎、肋間神経痛などに外用する。また、肉や魚の解毒作用があるといわれている。ほかに、乗り物酔いを予防する(小さじ約1/2の粉末ショウガを飲む)、血液の粘度を下げる、などの薬効があるとされる。

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金曜日, 1月 27, 2006

根昆布について

○根昆布

 根昆布とは、昆布の根元寄りの固い部分を指す呼び方で、昆布の種類ではない。従来は商品価値が低いために廃棄されていたのであるが、カルシウム、ヨードなどのほか、ぬめりの成分である食物繊維のアルギン酸など特筆すべき機能成分の宝庫であることがわかり、積極的な活用が求められるようになった。

 根昆布は、昆布の葉の分部に比べて栄養素が寄り豊富に含まれており、現代人の食生活を補うのに有益だが、硬い上に付着物もあって食用しにくい面がある。そのため、根昆布そのものの乾燥品の他に、健康食品として加工・成形し、エキスを粒状化にしたり、さらには梅を含有したもの、醤油などの調味料を配合した製品などもある。

 効用としては、昔から高血圧を予防するとされていたが、それはアルギン酸とラミニンが腸内からのナトリウム摂取を抑えるからだという。島根医科大学の発表によると、脳卒中を起こしやすいネズミに昆布粉を餌として与えたところ、全く脳卒中を起こさなかったという報告がある。アルギン酸には、腸内のコレステロールを包み込んで吸収を阻害する作用と、消化液の胆汁酸が再吸収されるのを防ぐ作用(胆汁酸はコレステロールが原料なので、再吸収されなければ血中コレステロールが消費される)によって、結果的にコレステロールの低下を実現する。また、昆布のヨードは体内で沃素酸に変わり、血管を収縮させるアドレナリンというホルモンの働きを抑えるので血管が拡張し、その結果、血圧を下げるのに役立つともいわれている。便秘に関しては、昆布特有のぬるぬる物質(アルギン酸)が食物繊維として作用し、腸の働きを活発化させ、改善することが確認されている。

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水曜日, 1月 25, 2006

りんご酢(バーモントリンゴ酢)について

○りんご酢(バーモントリンゴ酢)

 リンゴ酢が健康食品として、広く知られるようになったのは、アメリカからバーモント療法が紹介されてからである。カナダとの国境に近いバーモント州には古くから伝えられた民間療法があり、そのせいか、アメリカで最も長寿者の多い地方になっている。この事実に着目した医師のジャービスが、リンゴ、はちみつ、海草の3つの食品を柱にした自然食療法(バーモント療法)を提唱した。

 このバーモント療法の中で、特にジャービスが注目したのがリンゴ酢である。リンゴ酢には豊富なカリウムが含まれており、カリウムの不足は発育不良、慢性疲労、高血圧、心臓障害などを引き起こすことがわかっているので、リンゴ酢を常用すればこれらの疾患を防ぎ、健康を増進できると考えたのである。

 原料のリンゴの含有成分をみると、水分86%、糖分が13%、それに脂肪、タンパク質、ミネラルなどだが、ミネラルでもカリウムが特に豊富で、110ml(100g中)も含有されている。これらの成分は、リンゴ酢になっても糖分が酢に変わるだけで、カリウムの量はほとんど変わらない。つまり、リンゴの有効成分を損なわず、さらに酢酸の働きが加わるのである。

 現在、日本で市販されているリンゴ酢には、100%リンゴ果汁を自然に発酵させて造ったものと、アルコールを加えて発酵させたリンゴなどがあるが、100%リンゴ酢にはカリウムなどが多く含まれており、それだけ有効性も高い。カリウムは、カルシウムやマグネシウムと一緒に働いて血液をアルカリ性に保ち、血液の新陳代謝を盛んにする。また、ナトリウムと一緒になることで余分な塩分を排泄するので、疲労防止や高血圧予防に役立つ。

 ちなみにバーモント地方で行われているリンゴ酢療法の効果には、以下の6点が認められている。

 ①つわりには、グラス1杯の水に、リンゴ酢を茶さじ1杯加えて飲むと治まる。②慢性頭痛には、リンゴ酢と水を同量、容器に入れ、ストーブなどの上に置き、ゆっくり温める。湯気が昇り始めたら、顔を湯気に当てる。③咳止めには、グラスにリンゴ酢を茶さじ1杯、グリセリン酸カルシウム(薬局にある)を大さじ2杯、それにはちみつをグラス8分目くらいまで加え、よく混ぜる。これを咳のたびに舐めるといい。④めまいには、リンゴ酢とはちみつを茶さじ2杯ずつ混ぜ、水で割って飲むとよい。⑤リンゴ酢とはちみつを各大さじ1杯ずつをコップに入れ、水で薄めて、風邪をひいて喉が痛いときにうがいをするか、飲むとよい。⑥石けんで洗顔したあと、洗面器に半分の水を入れ、これらリンゴ酢とはちみつを各大さじ1杯ずつ入れて、よくかき混ぜる。これでもう一度洗顔すると、肌がすべすべして、化粧のりがよくなる。

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火曜日, 1月 24, 2006

杜仲茶について

○杜仲茶

 神農本草経に上薬として収載されている杜仲は、中国西南部原産トチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮である。古くから不老長寿の高貴薬として珍重され、現代中国の医薬処方(中薬)にも用いられているが、樹皮とは別にの葉の部分にも薬効が期待され、健康素材として利用されてきた。

 中国や韓国では古くから杜仲の若葉を干して煎じたものが、保健用のお茶として民間で飲まれてきた。わが国では20数年前に長野で栽培がはじめられた経緯があるが、やや間を置いて、杜仲の葉の成分が痩身効果のほか、皮膚細胞の結合組織であるコラーゲンの新陳代謝を促進する(若返り・美容にも効果)とする高橋周七(日大薬学部)の研究発表を気に、葉を用いたお茶タイプの製品が評判を得た。入手しやすさ、手軽で味もなじみやすく、副作用の心配がないことが強調された点も、杜仲茶が広く歓迎された要素であろう。

 減肥効果を調べた高橋のラットを用いた実験では、高脂肪・高コレステロール食餌育のラットを2群に分け、片方のグループにだけには杜仲茶抽出エキスを与えて35日間飼育した結果、杜仲茶を与えなかった組に比べて杜仲茶グループは、腹腔脂肪がやく35%、血清の総コレステロール値が20%、中性脂肪が約70%(肝臓組織内の中性脂肪は約50%)それぞれ少ないという結果が得られた。これは、数回繰り返し実験しても同様の結果であったと報告されている。

 有効成分としては、リグナリン化合物のピノレジノールジグリコシド、イリノイド化合物のゲニポシド酸などの配糖体が顕著な作用を持つと考えられており、これらには血圧調整作用が記憶力の減退を予防し、性行動を旺盛にする働きがあることなども、東京大学薬学部の研究グループらによる動物実験などで解明されている。

 また、1994年には佐々木有(国立八戸工業高専)らによって、7人の女性被験者に杜仲茶を飲ませた結果、発ガンのイニシエーション抑制作用(細胞の突然変異抑制作用)が確認された。これは、杜仲茶飲用、非飲用の2グループに対し、同じ加熱蛋白食を与える前後の尿から得た試料を細菌に作用させて変異原性を調べたもので、杜仲茶飲用がガンの1次予防に有効性を示す実験として注目された。

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月曜日, 1月 23, 2006

柿の葉茶について

○柿の葉茶

 柿は奈良時代に中国から渡来したもので、古くは柿の葉、柿シブ、ヘタ、花などがそれぞれ民間薬として珍重されたため、一部には「柿の実が赤くなれば、医者は青くなる」という言い伝えもあったほど。この柿の葉が健康食品の一つとして注目されるようになったのは、生葉100g中1000mgものビタミンCの含有量がわかってからである。この量は、パセリの5倍、レモンの20倍、ホウレン草の10倍というように、他の野菜とは比べ物にならない量である。

 ビタミンCは、壊血病の予防、治療に効くほか、体細胞をつなぎ合わせる大事な働きを持つコラーゲン(細胞間物質)の体内合成に不可欠である。コラーゲンが不足すると、血管をはじめ体中の細胞や組織がもろくなり、脳内出血の一因にもなる。歯茎の出血や皮下出血(内出血)はコラーゲン不足の初期症状である。

 ビタミンCは熱に弱く、生のままでないと摂取しにくい栄養素であるが、柿の葉にはビタミンCになる一歩手前のプロビタミンCの形で含まれており、そのために熱に強く、柿の葉茶として加熱して飲んでもほとんど壊れないので効果的である。土本重(広島土本病院)は、薬剤のビタミンCを使用しても歯ぐきの出血が止まらなかった入院患者に、1日当たり80gの柿の葉茶を1.8Lの熱湯で浸出させ、これを3日間連続投与したところ、ぴたりと止血したと報告している。

 柿の葉にはビタミンC以外にフラボノイドのケルセチン誘導体が存在し、これらの成分に血圧上昇物質アンジオテンシンⅡの生成を抑える作用(アンジオテンシンⅡ変換酵素阻害作用)が認められている。これは、古くから柿の葉茶が高血圧に良いとされてきた伝承が実験的に裏付けられたものであり、今後の臨床的効果に期待がもたれるところである。

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日曜日, 1月 22, 2006

メロン・グリアディン複合エキス(オキシカイン)

○メロン・グリアディン複合エキス(オキシカイン)

 メロンは、抗酸化酵素のSODを豊富に含む果実の一つだが、中でも南フランス・アヴィニョン地方で、栽培されているヴォークルシアン種は、普通のメロンと比べて抗酸化力が格段に強いことが知られている。収穫したメロンは、普通は4日目で形が崩れてくるが、同種のメロンは1週間以上放置しても形が崩れず、みずみずしさを保っている。この抗酸化力に着目して特別に品種改良したメロンから抽出したSOD成分を、小麦抽出物のグリディアン(小麦タンパク)でコーティングしたものがメロン・グリアディン複合エキスである。グリディアンでコーティングすることによってカタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼを誘導・産生する働きがある。

 この複合エキスはフランスで開発され、オキシカイン(素材品名)として各国へ輸出されている。臨床試験や作用気序については仏ルイ・パスツール研究所、フランス原子力庁、英ロンドン大学、米UCLAが協力して実施しており、①老化、②肝機能障害(肝硬変、C型肝炎)、③脳機能障害、④血液・循環器障害、⑤免疫不全、⑥、皮膚炎症、などの予防・改善に効果のあることが認められている。フランスの放射線治療の専門家フランソワ・バイエは、この複合エキスを使った動物実験で、放射線の副作用による皮膚の繊維化、唾液の分泌困難などが緩和されたことを報告している。

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土曜日, 1月 21, 2006

八つ目うなぎについて

○八つ目うなぎ

 八つ目うなぎは海峡で、目は2つしかないが、目の後ろにエラ穴が7個並んでいて一見すると8つもあるように見えるのでこの名がついたようだが、うなぎ(うなぎ科)とは違ってヤツメウナギ科に属する。夏バテを防ぐスタミナ食として良く知られているうなぎ以上に、八つ目うなぎは強力なスタミナ食、また夜盲症などに効く食品として古来珍重されており、食用というより薬用としての評価が高い。

 その栄養的特徴は、生のものでも100g中のビタミンAが8200ugと、まさにうなぎの3.5倍も含まれている。さらにタンパク質も15.8g、脂肪21.8gと良質のものが豊富である。そのほか、鉄2mg、ナイアシン3mg、皮の部分にはビタミンB1が多く含有されている。

 こうした栄養素の中で、特に有効性が認められているのがビタミンAである。Aの効用として、最初に知られているのが夜盲症の治療効果であるが、Aは夜盲症に限らず、目の網膜や粘膜が乾燥するのを防ぐ働きがあり、うるおいのある生き生きとした目を保つ効果がある。

 近年の研究では、ビタミンAがガンの治療予防に非常に効果を発揮するものとして報告され、注目を集めている。その効用として、動物実験では発ガンまでのガン細胞の成長期間(プロモーション期)を長引かせる抑制効果が認められている。また、国立がんセンターが行った疫学的な研究報告によると、ビタミンAを多く摂っている地方の人には子宮ガンが少ないという調査報告が出ている。たとえば、Aを1日1800~2000IUも摂っている東北・北陸・関東では子宮ガン患者は少なく、1日1200IUの九州・四国地方には患者が多かった。

 ビタミンAは、ガン予防の他にも、上皮細胞(体の表面や内腔にある皮膚や粘膜など)を形成する栄養成分であるとともに、体の各機能を調整して抵抗力をつけるという重要な作用もある。つまり、ガン予防を含めて、皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは必要な栄養である。

 ビタミンAの所要量は、成人1日当たり男性が600ug、女性が540ugなので、干した八つ目うなぎであれば1日に10gを食べれば、十分に満たせることになる。最近の野菜はビタミン類の含有量が減少しているので、八つ目うなぎは実に貴重な栄養源である。スタミナ増強だけでなく、日常の健康増進に役立つ健康食品として、ぜひ常用したいものの一つである。

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金曜日, 1月 20, 2006

カバノアナタケ(チャーガ)について

○カバノアナタケ(チャーガ)

 チャーガはタバコウロタケ科のキノコで、カバノアナタケとも呼ばれる。カバナタケ、白樺茸という異名もある。白樺や岳樺などカバノキ科の木肌の割れ目に寄生して菌糸を伸ばし、木質を腐食しながら菌核を形成する。菌核は石炭のようになり、大きなものは10kgにも達する。国内では北海道とごく一部の高山にしか育たない。人工栽培はできないが、菌糸培養は成功している。チャーガと同じ菌核には、漢方薬の茯苓、雷丸、猪苓などがある。ロシアの作家ソルジェニツィンのガン病棟には、このチャーガが登場し、ガンの抑制効果に触れられている。

 チャーガについての薬理研究はまだ少ないが、チャーガの抗腫瘍活性の多くが免疫賦活作用と関連していることから、エイズウイルス(HIV)に応用する研究が進められている。チャーガの抗HIV作用は、感染細胞とウイルスの両方へ作用してもたらされると考えられている。日本農芸化学会1998年度大会で、工技院生命研/北海道食加研らのグループが「カバノアナタケ由来の水溶性リグニン様物質によるHIV-1プロテアーゼの阻害」を発表している。

木曜日, 1月 19, 2006

アラビノキシランについて

○アラビノキシラン

 いわゆる健康食品、機能性食品の中には、医薬品に肉薄する内容を持つものも多いが、このアラビノキシランも良く管理された操作を経て米糠から分離抽出されたヘミセルロースを、さらに酵素反応によって変性させて得られた機能性多糖の一種である。

 食物繊維は難消化性でカロリー源にはならないが、生理活性物質として嘱望される成分で、種類も多岐にわたるが、いずれも腸管におけるコレステロールの再吸収を阻害することにより血中総コレステロールの低下、また、胆汁液の排泄促進作用により悪玉コレステロール(LDL)の低下に寄与することが認められているとともに、食事による血糖値の急激な上昇を抑えて糖尿病の治療を容易にしたり、食餌性の有害物質を吸着除去して発ガンなどの疾病を予防するなどの効果が広く認識されるようになってきている。そしてそのような直接的な効果に止まらず、体内に取り込まれたある種の食物繊維が免疫増強作用(BRM)を発揮することも明らかで、一例としてマンネンタケやシイタケなどのキノコやビール酵母の細胞壁成分(β-1-3グルカンなど)の働きは良く知られている。

 アラビノキシランはアメリカの免疫学者マンドー・ゴーナムらの協力を得て、消化管から吸収されやすい比較的低分子の食物繊維である米糠のヘミセルロースB(米糠1kgに3~5g含有)を素材に、シイタケ菌の培養濾液中に含まれる酵素複合体を反応させるという修飾方法がとられ、これによって本来のヘミセルロースの複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活性を与えることに成功したものである。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は、1995年3月のことで、以後本格的な基礎試験が開始され、多くの動物実験や実際にガン患者への経口投与することなどを通じて、顕著なNK細胞活性の向上が認められ、さらに免疫作用をつかさどるリンパ球のT細胞やB細胞の活性も高まるため、細胞性免疫機構が活性されて間接的に抗原の活動を抑制すると同時に、アラビノキシラン自体がガン細胞の増殖を直接的な抑制することもわかってきている。しかも、水溶性で摂取しやすく、副作用がないという特長を備えていることも見逃せない。

水曜日, 1月 18, 2006

玄米酵素について

○玄米酵素

 玄米は生きた米といわれる。これは、精製した白米には発芽する能力がないことに対する違いを、端的に表現した言葉である。例えば、玄米に水を与えれば発芽するが、白米は腐敗してしまう。これは胚芽部がついているか、いないかによる。そしてこれが玄米と白米の栄養価の違いともなるわけで、玄米は特にビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることで良く知られている。

 酵素の働きについては良く知られているが、例えば消化酵素は、人間が食べ物を食べ、消化・吸収・分解・合成されて、体の細胞に必要な物質となる。その間の過程で、何十、何百という酵素に媒介されている。どの酵素がなくても、人間の代謝機能に大きな穴をあけることになり、その結果、不調や病気を招く要因ともなる。

 そこで、その代謝機能の促進と玄米の栄養を吸収しやすくしたのが玄米酵素である。玄米酵素とは、玄米の栄養素である胚芽に、純粋な蜂蜜を加え、それに麹菌を使って発酵させ、人体に必要な酵素を積極的に培養強化したものである。酵素は熱に弱いので、製造の乾燥段階で低温乾燥を用いなければ、せっかくの酵素も分解してしまい、何の役にも立たなくなってしまう。

 こうした作られた玄米酵素には、玄米胚芽の豊富な栄養素とともに、数十種にも及ぶ活性酵素群が含まれている。特に、有用性の高い酵素生産菌といわれるアスペルギールス、オリーゼ菌(麹菌)が、胃腸内に置いて糸状菌となり、さらに数多くの酵素を生産し、その酵素が血液中に入ると体の組織や細胞の働きを高めたり、各種ホルモンの生成なども促進し、健康の増進に役立つといわれている。

 酵素科学は現代の際先端技術の一つであるが、これは逆にいえば、未解明の分野ともいえる。今ようやく酵素の重要性も広く再認識されるようになり、玄米胚芽の豊富な栄養を酵素を用いてより有効に利用できるようになったことは、健康づくりにとって有益なことといえる。

 玄米酵素の含有成分をみると、粗タンパク質が15.41%で、各種アミノ酸や酵素が豊富である。粗脂肪も植物性脂肪が26.6%と多く、バランスのよい食品といえる。そのほか、ビタミン類は100g中に、B1・2mg、B2・0.6mg、E65.8mg、ナイアシン(ニコチン酸)46.7mgなどが含まれている。

 玄米酵素は、こうした栄養成分とともに、各種の酵素の効用を利用できるところが大きい。これらの働きは幅広く、体の新陳代謝を活発にするため、体質の改善、健康の増進に優れた効果を発揮する。

火曜日, 1月 17, 2006

サンザシ(山査子)について

○サンザシ(山査子)

 山査子(山楂子とも)は漢方薬の平胃散や緒苓湯に加味される生薬としてよく知られているが、18世紀前半に朝鮮半島から薬用植物として渡来以来、日本ではもっぱら観賞用の庭木として定着した。バラ科の落葉性低木で、複雑に枝分かれして棘が多い。春先に短い小枝の先に白い梅の花に似た小花をつけたあとに、直径2cmほどの球形の実がなり、秋に赤または黄色に色づくが、この果実は桃のように子房が肥大したもの(真果)ではなく、子房以外の萼や花托が発達したもので、偽果と呼ばれるものである(リンゴやイチゴも同様である)。

 漢方薬では山査子の成熟した果実を乾燥させたものを、健胃・整腸・消化・駆瘀血(古血を除くの意味)、鎮静薬として用い、胃や腸の出血には黒焼きにした山査子炭を用いている。

 薬用成分としては、ケルセチン、アントシアニジン、オレアノール酸、クエン酸、クラテゴール酸、フラボノイド、タンニン、サポニンなど多彩であるが、薬理テストでは①血圧をゆっくりと持続的に下げる作用(血管拡張作用)、②赤痢菌や緑濃菌に対する抗菌作用、③血中コレステロールを低くする作用、④降圧作用及び強心作用、⑤胃液の分泌を促進する作用、⑥月経痛や産後痛を癒すなどが認められている。

 調理では、肉類を煮るときに山査子の実を数個入れると肉が柔らかくなるといい、また、煮魚に加えれば毒消しになるといわれている。民間的な使われ方としては、完熟寸前の果実を採って、日干ししたものを煎じて飲むと(果汁そのままでも良い)二日酔いに効く。また、成熟した山査子の実500g(種子を除く)に対して、氷砂糖200g、1.8Lのホワイトリカーを加えた山査子酒は健胃・整腸によい。

月曜日, 1月 16, 2006

メシマコブ子実体について

○メシマコブ子実体

 池川らによるキノコの抗腫瘍活性比較研究でメシマコブ(子実体)は非常に高い数値を示した。しかし、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができず、メシマコブ子実体は幻のキノコとして長く埋もれてしまうことになるわけである。その間、韓国ではメシマコブ菌糸体の培養技術が確立したが、成分的にみて、培養菌糸体と子実体とは異なっている。天然メシマコブと同系の、すなわち子実体の人工栽培はどうしても必要であり、それを得ることが急務であることは周知の事実であった。しかし、子実体人工栽培の難しさに多くの研究者、企業の挑戦は跳ね返され、メシマコブ子実体の人工栽培は実現不可能の様相すら見せていた。

 「栽培ができないのなら天然物を探せばいい」という逆転の発想で、天然メシマコブ探しを始めたのはツムラグループの日本生薬だった。絶滅かといわれている日本と違って、漢方の故郷である中国なら天然メシマコブがあると、中国全土に探索の手を伸ばした。そしてメシマコブとして流通している10数種に及ぶキノコ(いわゆる桑黄)を集め、ツムラの漢方生薬研究所で同定を行った結果、真正メシマコブの同定に成功し、業界で大きな話題となったのはまだ記憶に新しい。

 人工栽培の成功は20001年の春、長野県松本市からもたらされた。当地で長年、各種の薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンが、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に成功、S-ME菌と命名され、周年栽培が可能となったのである。同年の秋からは生産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになった。この人工栽培の成功によって、メシマコブの新時代が到来するものと期待されている。

日曜日, 1月 15, 2006

メシマコブ菌糸体について

○メシマコブ菌糸体

 メシマコブ菌糸体培養技術を完成させた韓国では、その薬理研究が産学協同で進められ、開発された製剤は1993年に韓国政府から抗ガン剤の認可を受けた。そしてこの開発研究は韓国内で高く評価され、兪益東(韓国生命工学研究所)は98年度の茶山技術賞を受賞している。

 開発に当たり韓国では既に90年ごろから多数の薬効研究が発表されているが、兪益東も携わった著名な研究として、抗ガン剤(抗ガン性抗生物質)のアドリアマイシン(ADR)を併用した比較実験がある。これはまず無菌マウスに黒色腫(メラノーマB16F10)を移植後、①メシマコブ菌糸体の熱水抽出物(以下、エキスと表記)を100mg/kg、②ADR(0.1mg/kg)、③エキス+ADRを投与すると、対照群(無投与)は20日後に、①と②は40日後に生存率0となったが、③の併用グループは60日後の生存率が40%であった。

 そこでADRを3倍濃度の0.3mg/kgに増量すると、②のADR単独投与では60日後の生存率が20%に向上、③のエキス併用では、60日後の生存率が90%にも達したのである。

 抗ガン剤と相補的に作用することを実証したこの実験成果は、現実的なガン治療にとって極めて有益であり、順次こうした研究成果が報告されていったことから、安全性のチェックを経て医薬品に認可されたのである。さらに細菌の兪らによる研究では、自家免疫疾患が一因となるインスリン依存症(Ⅰ型)糖尿病を持つマウスに対しても、メシマコブ菌糸体エキスは血糖値を正常にし、発病を抑制する効果を示したことも発表している。この培養菌糸体エキスはわが国への導入され、多くの基礎研究や臨床報告が行われている。

土曜日, 1月 14, 2006

メシマコブについて

○メシマコブ

 メシマコブは担子菌類タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、メシマコブという和名は男女群島(長崎県)の女島に多くの野生株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを超えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだとされている。

 わが国のキノコ薬効研究の黎明期に当たる1968年、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西条病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後も野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難で、メシマコブの入手難は改善することがなかったが、ここにきて事情が一変した。韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が、日本でメシマコブ子実体の人工栽培がそれぞれ完成したのである。

金曜日, 1月 13, 2006

アマチャヅル茶について

○アマチャヅル茶

 アマチャヅル(甘茶蔓)はウリ科の多年草蔓草で、日本のどこにでも、特に産地やヤブ際などに生えている。有名になるまでは雑草としてみられて、ほとんどかえりみられなかったのであるが、1977年、徳島文理大学薬学部の竹本常松が日本生薬学会で発表したのがきっかりとなり、にわかに脚光を浴びた。

 竹本の研究によれば、アマチャヅルには薬用人参と同じ有効成分があるとされる。抽出された成分は50種以上のサポニンで、そのうちの4種類が薬用人参と同じ構造をもつジンセノサイドで、中枢神経に対して鎮静作用と興奮作用の双方に作用する効果を持っている。そのほかのサポニンは、全く新しく発見されたものばかりで、これら新種サポニンの薬理効果については研究が続行されているが、その成果の一つとして、ラットへの高ショ糖食の長期摂取によって引き起こされる高脂血症がアマチャヅルサポニンの投与によって、予防できることが報告され、さらに血小板からの血栓誘発物質であるトロンボキサンA-2生成を抑制することも報告されている。

 アマチャヅルサポニンは鎮静作用として働くものの方が多く、興奮作用に働くものは、ほとんど見出されていないことから、アマチャヅルは、ストレスの多い現代時にとってまことにタイムリーな出現といえよう。ストレスが引き起こす障害は枚挙にいとまないが、それらの障害はこのアマチャズルの鎮静作用によって、ほどよく解消されそうだ。

 ちなみに、これまでの体験例などからその有効と思われる病気をあげてみると、胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、偏頭痛、神経痛、肩こり、腰痛、気管支炎、喘息、高血圧、低血圧、糖尿病といった病気があげられる。リウマチや白髪に効くという例もある。

 要するに、ストレスによって惹き起こされる全ての症状に対して、プラスに働く可能性が高い。他の例と同じく臨床的にはっきりした裏づけが取れないものもあるが、服用者が自覚症状の消失・軽減を証言していることを無視するわけにはいかないだろう。

 アマチャヅルという名のとおり、糖質が多いため甘みがあり、子供でも抵抗なく飲めるところがいい。一家揃って飲む健康茶として推賞できる。ティースタイルで服用する商品が多数売り出されているが、自宅のプランターなどで手軽に栽培したアマチャヅルの葉や茎を切り分け、天日に生乾きに乾燥させて、細かく裁断し、さらに日陰でカラカラに干しあげれば、自分で作ることができる。それに熱湯を注いで、お茶のようにして飲む。

木曜日, 1月 12, 2006

玄米酢について

○玄米酢

 酢の歴史は古く、酒が保存中いつの間にか強い酢に変わったことに始まる。そのため、平安時代には酢のことを「からさけ」「苦酒」」などと呼んでいた。酢づくりの製法は、応神天皇の時代に、酒の醸造法と相前後して、和泉の国(現在の堺あたり)に伝えられたといわれる。その後、江戸時代になって、相模(神奈川県)の中原、駿河(静岡県)の善徳寺、尾張(愛知県)の半田などにも伝えられ、これは日本伝統の米酢であったようだ。また、中国の米酢醸造法が九州南部に伝えられたという歴史もある。

 天然玄米酢は、原料となる玄米の優れたタンパク質のおかげで、醸造酢の中でもアミノ酸含有量が特に多い。ある純粋米酢の分析表によると、必須アミノ酸8種をはじめアミノ酸18種が含有され、他の食品に勝っている。玄米の栄養が、しっかりと酢に生きているわけで、そのため純粋米酢の中でも天然玄米酢は、貴重な健康食品として広く認知されている。

 とくに100%純粋の天然玄米酢の効用は、血液浄化作用にある。また別のデータでは、最大血圧はもちろんのこと、最小血圧をも下げる神秘的な血圧調整作用があると報告されている。また、外科手術時の出血とともに血糖値上昇を引き起こすことは臨床医が経験するところであるが、愛媛大学医学部の奥田拓道らによって、これらの減少がラットの実験において証明され、その際、細胞間質液のphが低下し、インスリンが作動できないことによって高血糖が引き起こされることが明らかにされた。そして、このような細胞間質液のph低下に対し、天然玄米酢は改善効果を示すことが解明された。

 現代人に多い生活習慣病の原因としては、動物性脂肪や塩分、砂糖などの摂り過ぎが指摘されているが、それによって血液中のコレステロールや中性脂肪、乳糖、焦性ブドウ糖(ピルビン酸)などが増え、血液に粘りが生じて毛細血管への通りが悪くなる。こうした状態の血液を漢方医学では?血といい、それが基本原因となると考えられる。

 天然玄米酢には、赤血球の細胞膜を安定させるとともに、血管壁の細胞を軟化させる働きがある。さらに、豊富なアミノ酸が血液の粘りを解消する作用もあり、体の各細胞や機構を活性化することにより、血圧を下げると考えられている。?血がとれれば、高血圧や動脈硬化はもちろん、多くの生活習慣病の予防などにも有効性を発揮することが期待される。

 なお、この天然玄米酢、または天然米酢を見分けるには、これらの原材料表示は「米、麹、水」であるが、合成酢は「米、アルコール、酒粕」となっている点に注意することである。

水曜日, 1月 11, 2006

蜂蜜(ハチミツ)について

○蜂蜜(ハチミツ)

 蜂蜜は、蜜蜂(働き蜂)が花蜜を採集し、大顎腺から分泌する酵素(α-グルコシターゼ)の作用によってそれを変化させ、熟成させたものである。花蜜にはショ糖が5~40%含まれ、このショ糖が花蜜の甘さを形成しているが、蜜蜂の酵素はショ糖を分解してブドウ糖と果糖の混合液に変える。この混合液が蜂蜜である。

 蜂蜜の成分をみると、水分20%、ブドウ糖40%、果糖40%である。甘さは花蜜に比べて格段に強い。その理由の一つには、果糖はショ糖に比べ約5倍の甘みを持っていること、もう一つは水分が少なく、糖分が濃くなっていることだ。花蜜は普通の水よりも比重が重いくらいで、蜜蜂が巣に持ってきたときには約1.1に濃縮された状態にある。これをさらに働き蜂は蜜房に自らの羽で風を送ることによって1.33~1.5という非常に高い濃度に濃縮してしまう。同時に、もう一つの酵素グルコースオキシターゼの作用で、ブドウ糖が低phのグルコン酸に変わり、そのとき過酸化水素が発生するが、それらがこの濃度の高さとともに殺菌作用ともなって、理想的保存状態が保たれるわけである。

 果糖は甘さの原因であるとともに、蜂蜜の有効性を示すものである。ショ糖(砂糖も同じもの)は体内で一度分解しなければ吸収されないが、果糖はそのまま吸収され、エネルギー源となる。デンプンやショ糖など炭水化物は順々に消化され、やがて果糖類とブドウ糖に分解されエネルギーとなるのであるが、この消化・分解の過程を経ずエネルギー化できる果糖は、疲労回復等に有効で貴重な即効的栄養源である。

 そのほか栄養成分も、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類をバランスよく含み、かつ酵素や花粉体、アセチルコリン、抗生物質なども含有し、全体として栄養価の高いものとなっている。

 蜂蜜は果糖を中心とした総合的な栄養食品で、下記に列挙するような多くの効果を発揮する。

 ①疲労回復効果。ブドウ糖、果糖には栄養増進、強心、利心、利尿、解毒などの作用があり、糖類の中で最も早く吸収されるため、尿酸の分解作用とともに、疲労回復に役立つ。②乳幼児の栄養。砂糖のように体内のカルシウムを損なわず、胃腸に負担をかけずに吸収されるので、骨や歯の発育に良い。また、腸内の細菌を防ぐ、ビフィズス菌を繁殖させる力が強く、乳幼児の栄養として最適。③生活習慣病に有効。蜂蜜中のミネラルは、コレステロールを除き、血液をアルカリ性に保ち、内臓の働きを活発にし、心臓病などに有効性を発揮する。さらに肥満防止、脳卒中、貧血、前立腺肥大の予防効果もあり、不眠症、頭痛、神経痛などによく効く、ガンや潰瘍の進行を防ぐ効果も期待されている。豊富なビタミンB群、パントテン酸の作用で老化防止、美容効果も高い。

火曜日, 1月 10, 2006

ヤーコンについて

○ヤーコン

 ヤーコンは、キクイモによく似たキク科の多年草で、南米アンデス地方が原産。草丈は1.5~2mで黄色い花をつける。地下に1つ200gくらいの、サツマイモによく似た塊根ができるが、現地ではこの部分を食用イモの一つとして利用している。別名アンデスポテトと呼ばれる。

 食用にされる塊根は多汁で甘みがあり、皮をむいて生で食べると梨のような歯ざわりがある。きんぴらごぼうのように炒め物にしたり煮物にしても良い。日本にはニュージーランド経由で昭和の末期に導入されたが、日常的な食材としては普及しなかった。

 ヤーコンが最近になって注目され出したのは、腸内細菌のバランスを整え、コレステロールを低下させるフラクトオリゴ糖の含有量が驚異的に多い(乾燥物で67%)ということである。また、キクイモと同じように難消化性多糖のイヌリンが含まれている。サツマイモやジャガイモに多いデンプンは含まれていないため、低カロリー食品でもある。

 フラクトオリゴ等は、ショ糖に1~3個の果糖(フルクトース)が結びついたオリゴ糖の一種で、天然にはヤーコンのほか、ゴボウ、アスパラガス、ニンニクなどの野菜類に含まれているが、現在ほとんどは、ショ糖に果糖転移酵素を作用させて工業的に生産されている。フラクトオリゴ糖には大腸内のビフィズス菌の増殖を促し、便秘、高脂血症の改善の他、血糖値の抑制、老化防止、ミネラル吸収促進などの効果が認められている。このため肥満や動脈硬化の予防につながる低カロリー甘味料、虫歯の心配のないネオシュガーの素材として広く利用されている。

 天然フラクトオリゴ糖のかたまりともいえるヤーコンを使った健康食品としては、ヤーコンジュースやヤーコン茶がある。

月曜日, 1月 09, 2006

小麦胚芽油について

○小麦胚芽油

 小麦胚芽油は天然ビタミンEが豊富に含まれていることから、老化防止や美容に役立つ健康食品として広く利用されている。

 ビタミンEが医学的に注目されたのは1936年のこと。ネズミに牛乳だけを与えていると生殖能力が衰退してしまうが、これに小麦胚芽油を加えて与えると繁殖力が回復した、という実験結果にヒントを得て、アメリカのエバンスが小麦胚芽油に含まれている有効成分を研究、発見した物質にトコフェロール(子供を得られるアルコール)と名づけた。この成分がビタミンEで、そのためセックスビタミンともいう。

 その効果は生殖機能の回復だけでなく、抗酸化作用があるため体細胞の老化や生命それ自体に深く関わりを持ち、例えば細胞膜に含まれる酸化されやすい不飽和脂肪酸などが酸化されて、生理活性の減退、細胞の老化を早めることになる。また血球膜が弱まってくると、赤血球が破壊されるようになる。また、細胞膜や血球の膜の劣化が原因となって、筋肉の萎縮とか皮膚炎、肉体の老化などを招くことになる。Eは、これらを予防するのに欠かせない栄養である。生活習慣病に組み入れられる疾病の多くは肉体の老化を主要因にして起こるが、Eはその予防に有効性を発揮するわけである。

 小麦胚芽油は特にビタミンEの含有量が多く、8種のトコフェロール異性体(α型、β型など同じ種類だが少しずつタイプが違うもの)もバランスよく含まれ、天然ビタミンEの複合体とも呼ばれている。近年は重金属などの毒性物質の害を防御する働きも指摘されている。

 小麦胚芽油には、大きく分けて次のように働きがあることになる。

 ①若さを保ち、成人病を予防する効果。すなわち、ホメオスタシス(恒常性維持)の増強。天然ビタミンE複合体には、性ホルモン、黄体ホルモン、さらには副腎皮質ホルモン等のホルモン分泌を活発にさせる働きがある。②細胞分裂を倍増し、体を細胞から若返らせ、それが細胞の寿命を延ばす結果、ガン予防にもつながっている。③体内脂質の酸化を防ぐ。体細胞の細胞膜の脂肪酸が酸化して細胞が傷つくことを防ぐため、老化予防に大きな効果がある。またDNAが酸化されて傷つき、細胞がガン化するのを防ぐ。④体内の酸素を十分に保ち、体力が向上する。⑤血行を良くし、貧血を治し、健康美を作る。⑥微小血管にバイパスを作り、動脈硬化を予防する。脳卒中は脳の微小動脈の硬化によって動脈から静脈に血液が返りにくくなることでも起こるが、この微小血管に故障が起きたとき、それに代わるバイパスを作る機能を促進するのも天然ビタミンE複合体である。⑦いくら摂取しても副作用の心配がない。

 また、小麦胚芽油の中から発見されたオクタコサノールは、長い炭素の直鎖を持ったアルコール鎖(ほかにトリアコンタノール、ヘキサコサノールなどがある)の一つであるが、オクタコサノールは運動時におけるスタミナや耐久力の向上、酸素利用を高めることに著しい効果がある。これはすでに小麦胚芽油の効果として知られていたことであったが、1960年代に人を対象にその実験を行った米イリノイ大学のトーマス・クレトンによって、それがオクタコサノールによるものであることがつきとめられた。

 その効果を要約すると、運動耐久性の向上、血中コレステロールの減少、酸素利用の改善、運動後の筋肉痛を防止するなどである。それは同時に筋肉神経性の障害にも有効であることを物語っており、筋肉萎縮などの治療にも実際に使われている。仕事や運動で疲れやすく、耐久力のない人、筋肉痛を起こしやすい人には、きわめて効果の高い栄養補助剤である。

日曜日, 1月 08, 2006

カルシウムについて

○カルシウム

 日本人の平均的栄養摂取量の増大にもかかわらず、カルシウムと鉄分だけは決定的に不足しているとの警告が発せられて久しく、とくに近年はカルシウム不足による骨粗鬆症に強い関心が寄せられている。現状は厚生労働省が1日所要量を600~700mg(成人)としているのに対し、統計によれば530mg近くを摂るようになってきているのであるが、アメリカでは1日所要量900mgを推奨しており、それを1000mgにするべきだという意見さえあるといわれている。それに従えば、日本人の平均的現状はやっと必要量の半分弱をカバーしているに過ぎない。なお、許容上限摂取量は2500mg。

 成人の体には体重の約2%のカルシウムがあり、その99%は骨格や歯など硬組織の成分として、リン酸塩や炭酸塩、フッ化物という形で存在し、残り1%は体液(ほとんどは血液で、わずかな量が細胞液など)の中にカルシウムイオンとして溶け込んで、生理機能を調節したり、あるいはタンパク質と結合した有機カルシウムとして一定濃度のバランスを保っている。そこで、カルシウムの摂取が少なく血中カルシウムが不足すれば、第一に成長期では骨格や歯の発達が阻害され、また高齢者では(ときに若年層でも)骨が周密さを失って軽石のようにもろくなる骨粗鬆症になる場合がある。骨に蓄えられたカルシウムが血液中に溶け出してしまうからである。そしてこの場合、骨から溶かし出すには副甲状腺ホルモン(パラソールモン)が働き、反対に女性ホルモン(エストロゲン)がそれを防ぐ働きをする。閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのは、このエストロゲン不足になるからである。

 カルシウムの関与する生理・生命現象は、それ以外にも非常に多岐にわたっている。第一に、神経や筋肉の働きを活性化すると共に、無用な興奮状態を和らげるようにも働く。つまり、体の活動性のバランスを整えるのであるが、この調整機能は、さらに大きなスケールで体のホメオスタシス(恒常性の保持)を実現する上でも重要な役割を演じていることが明らかになっている。

 第二に、中枢神経を鎮め、イライラや過敏症を抑えてストレスを緩和させる。ストレスの蓄積から胃潰瘍になったりするケースは非常に多いが、カルシウムはストレスの緊張を解くように働くことで、この種の疾病を予防するのである。

 そのほか、血小板を活性化して、出血時の血液凝固をしやすくするとか、白血球やリンパ球の活性化、血中コレステロールを下げて動脈硬化や脳卒中を防ぐ、神経伝達物質の産生、ホルモン分泌の調整、多くの酵素の働きを助けることなどにも関与していることが明らかにされている。

 日本の多くの地域が火山灰土に覆われているため、土中にも自然水中にも(従って農作物中にも)カルシウムが少なく、そのために摂取量が不足しがちなのであるが、意識的にカルシウムの多い食物を摂る場合でも、カルシウムの吸収を促進する働きを持つビタミンDを一緒に摂るようにするとか、吸収されやすい形のカルシウムが含まれた食品を摂る、吸収を妨げるリンの同時摂取を控えるなどの注意も肝心である。

土曜日, 1月 07, 2006

紫イペ(タヒボ)について

○紫イペ(タヒボ)

 紫イペは南米アマゾンの熱帯雨林に植生するノウゼンカヅラ科の樹木で、タヒボともいわれる。学名は、タブベイヤ・アベラネダエ。紫色の花を咲かせる食虫植物である。現地では古くから、この内部樹皮を煎じたものがお茶として常用されてきた。また、消炎薬として傷の癒しにも使われたと伝えられている。

 近年、紫イペに関する薬理研究は抗ガン性という観点から世界各国で行われているが、1965年、イタリアのカルロ・エルバ研究所の実験で、紫イペの樹皮に含まれるラパコールという物質(色素成分)に抗腫瘍作用があることが解明された。ブラジルでも1960年代から、抗生物質研究者や植物学者らによる研究によって実験が行われ、抗ガン剤や白血病に対する効果が明らかにされている。また、分裂が盛んな細胞へ強い障害性を持つことがインビトロで確認されているほか、マウスを使った実験で、紫イペの長期摂取による肝障害は見られなかったという報告もある。

 最近は日本でも研究が活発になり、坂井俊之助(金沢大学がん研究所免疫生物部)の紫イペの疾病予防効果の研究や、、医師による臨床試験も精力的に行われている。ここでは、大森隆史(大森内科アレルギークリニック)の臨床報告を例にあげる。

 「C型肝炎から肝硬変、肝臓ガンにまで進んだ患者に対し、1回に0.5gの紫イペエキスを1日3回、毎食後に服用してもらった。これ以外の治療としては、肝炎のために肝臓庇護剤、ビタミン剤の投与だが、これらには抗ガン効果の期待できる薬効はない。紫イペを服用して1~2週間は特に自覚症状はなかったが、3週間後の血液検査で驚くような結果が出た。肝臓のガン細胞が作り出すアルファフェトプロテイン(AFP)という腫瘍マーカーが激減していたのである。さらに免疫力を示すNK細胞活性も増加していた。

 確認のために行った腹部エコー検査、腹部CT検査においても肝臓内のガン組織の縮小、大動脈リンパ節の縮小がはっきりとわかった。3ヵ月後には腫瘍マーカーはほぼ正常化し、肝臓内のガン組織を注射針で採取して顕微鏡で確認したが、ガン細胞は認められなかった。わずか3ヶ月という、非常に短い期間で肝臓ガンが縮小し、リンパ節への転移も改善したわけである。」

 大森はこの経験をきっかけに紫イペのガンの免疫療法をスタートさせ、以後も紫イペを利用してのガン治療は続いているが、この症例のように紫イペ単独の効果がはっきりとわかるデータは貴重なものである、と大森は述べている。

 また、「免疫療法でガンを治療する場合、数種類の物質を用いて行うため、もし治療効果があってもどの物質が一番効果的かどうかを判断することは不可能になる。その意味では、体験談で繰り返し報告されてきた紫イペの効果が、臨床場面でそれも単独の効果として客観的なデータで確認できたことに大きな意義があったと思う」としている。」

金曜日, 1月 06, 2006

トマト(リコピン)について

○トマト(リコピン)

 ナス科の一年草果菜で、南米ペルー、メキシコが原産。日本へは江戸時代初期、オランダ人によってもたらされたが、もっぱら観賞用にされ、明治時代に西洋の野菜として再登場してからも特有も匂いが好まれず、市場で扱われ始めたのは60年位前のことである。

 その後、品種改良が進み、近年では青臭さと酸味の少ないものが多くなった。生食、炒め物、煮物、、サラダ、ジュースなど、利用形態はバラエティーに富んでいる。

 ビタミンCが豊富で、ほかにもA・B1・B2・B6、ニコチン酸、K・P・葉酸、ルチンなどをはじめ、鉄やカリウムなどミネラル類も多い。ヨーロッパではトマトのある家に胃病なしといって肉食偏重の食生活にトマトが有益であるとしているのは、ビタミンB6の脂肪代謝作用を指している。微量成分のビタミンPやルチンは毛細血管を強化し、葉酸は造血機能を活性化し貧血を改善する。トマトの酸味のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸によるが、これらは食物の体内での燃焼を促すので、気分爽快、疲労回復に役立つ。

 最近、トマトの赤い色素成分であるリコピンに注目が集まっている。リコピンはカロテノイドの一種で、トマト、スイカ、柿などに多く含まれ、強い抗酸化作用を持ち、ガン、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病の予防に役立つことが明らかになっている。リコピンの抗酸化作用は、同じカロテノイドの中まであるβ-カロチンを凌ぐとさえいわれている。この色素成分がネズミの大腸ガンの発生を抑えることを秋田大学医療技術短大部や京都府立医大などのグループが確かめ、日本がん予防研究会(1997年)で発表している。

 また、環境汚染物質によって引き起こされる肺疾患に効果があるとの研究も報告されている。これは、米国で開かれた国際シンポジウム「トマト食品の役割と疾病予防」で発表されたもので、ビタミンC、Eに加え1日12オンス(約340ml)のトマトジュースを摂取した場合、2週間で肺におけるリコピンレベルが12%増加すると共に、活性酸素による肺細胞DNAへのダメージが20%減少したという。

 このほか、メリーランド大学のコーチックらの研究によると、リコピンは活性酸素が原因となる目へのダメージにも有効で、視覚機能の維持に重大な役割を果たしているという。高齢化による視覚障害に有効なカロテノイドとしてはルテインがあるが、リコピンもルテインとの相互作用になって目の疾病に大きな効果をもたらすとされている。

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木曜日, 1月 05, 2006

ウーロン茶について

○ウーロン茶

 ウーロン茶は痩せるお茶としてブームを作り、いまや一般飲料として完全に地歩を築いた。典型的な半発酵茶の茶で、いわば緑茶と紅茶の仲間のお茶である。烏龍の名は、発酵によって茶の葉は烏のように黒くなり、形の萎縮して曲がりくねり、龍に似ているためである。

 ウーロン茶の効用として、最もよく知られているのは脂肪分解作用である。中国料理は一般に高カロリー、高脂肪で知られ、特に宴会用のフルコースになると、その量の多さもさることながら、油っこい料理が相次いで出されるので、胃の負担も重くなる。そのためウーロン茶を料理の間に飲んで、消化を促進し、次の料理が食べやすくなるようにということで、利用したといわれる。

 現在わが国の食生活は、高カロリー、高脂肪の傾向が高まり、そのため肥満を招くケースが増えている。そこで、ウーロン茶を食中・食後に飲めば、脂肪代謝を促進して、肥満の予防に役立つ。このウーロン茶の作用は、食欲増進、消化促進に加えて、脂肪分をスムーズに分解し、過剰な脂肪分が体内に残らないように働きかけるもので、肥満の予防作用はその結果の一つに過ぎない。ウーロン茶の効用で大事なのは、食欲を増進する中で、体の栄養バランスを正常に保つよう働くことである。

 ウーロン茶には花粉症などアレルギーに効果のあることも最近の研究でわかっている。藤田保健衛生大学医学部とメナード化粧品との共同研究で報告されたもので、ウーロン茶に含まれているカテキン類がアレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑制するとみられている。緑茶や紅茶よりウーロン茶の方が改善効果が強く、特にウーロン茶の茎に含まれているカテキン類からは高い効果が得られたという。

 現在、わが国で販売されているウーロン茶は多種類あり、さまざまである。その中でも良質とされているのが福建省・武夷山に産する武夷岩茶(鉄羅漢など)と、同じく安溪に産する鉄観音である。茶は地質によってその品質も異なり、福建省の岩茶はミネラルを含んだ岩山で栽培されるため、かなり豊富にミネラル分を含んだアルカリ性食品でもある。

 また、ウーロン茶の発酵度は半発酵で、その製法には微妙な感覚が要求され、長年の経験が活かされている。発酵は生葉を粉砕せずに日光に当て、さらにその後、室内で葉を萎ませながら葉内の酵素活性を高める。この過程で、生葉中にはない香気成分(ネロリドール、インドール、ジャスミンラクトンなど)が発現するといわれている。

 半発酵のウーロン茶は、緑茶と異なる点も多く、これがウーロン茶の特徴で、例えばカフェインが少ない。また、緑茶の場合は「宵越しの茶を飲むな」といい、これはタンニンの解毒・殺菌作用が弱まるためであるが、ウーロン茶は解毒・殺菌作用が変質しないため、宵越しの茶としても飲める。さらに長期保存しても緑茶のように変質する心配は少ない、などの特徴がある。

ウーロン茶の商品一覧

水曜日, 1月 04, 2006

ザクロについて

○ザクロ

 ザクロ(石榴)はイラン、アフガニスタン近辺を原産地とするザクロ科の果樹で、球状の果皮が熟して不規則に割れると中の赤い種子が現れ、甘酸っぱいその実が食用となるが、漢方ではその果皮を石榴皮、または石榴殻と呼び、収斂、整腸、止血、駆虫薬とし、また口内炎や扁桃腺炎などにも用いてきた。花(石榴花)も止血の目的で、外傷や鼻血、月経不順などに使われる。ヨーロッパでは新鮮な樹皮や根の皮を煎じて条虫の駆虫薬とする民間療法があり、有効成分としてイソペレチエリンなどのアルカロイドやタンニンが見出されている。果実を絞った汁は、民間では口臭の除去や酔い醒ましなどにも用いられてきた。

 最近、このザクロが女性のための健康食品としてブームになっている。人気の秘密は、この果実に含まれる女性ホルモン様物質エストロゲンにある。エストロゲンは、女性の更年期障害と深く関わるホルモンで、若い内は体内で合成できるが、歳をとるに従って分泌量が次第に減少していく。その結果、のぼせ、ほてり、動悸、イライラ、頭痛、不眠といった更年期障害を引き起こすが、これらの症状はエストロゲンを補充することで改善される。また、女性に多い骨粗鬆症もエストロゲンの減少と関連があることがわかっている。

 天然の物質で女性ホルモン様作用を示すものには大豆イソフラボンがあるが、ザクロのエストロゲンは人のエストロゲンと化学構造が同じということで注目を集めた。含有量も高く、ザクロの種子には100g中17mgと、同じエストロゲンを含むナツメヤシの0.4mgに比べても格段に多い。エストロゲンは女性特有の症状だけ出なく、悪玉コレステロールを抑えたり、血管拡張作用によって動脈硬化を防ぐ働きもあり、男性にとっても効果が期待できる。

 最近では生のザクロも入手しやすくなっているが、健康食品として売られているのはジュースやゼリーなどである。ザクロ入りヨーグルト、ザクロ酒、食品以外ではザクロを使った育毛剤やシャンプーと、新たなザクロ商品も登場している。

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火曜日, 1月 03, 2006

はぶ茶(エビスグサ)について

○はぶ茶(エビスグサ)

 はぶ茶はエビスグサ(夷草)を原料とする健康茶である。エビスグサは北米原産のマメ科の一年草で、別名決明、ロッカクソウともいう。長さ15~20cmの豆果一つから30粒あまりの小豆大の種子が採れるが、これを漢方では決明子と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚気、浮腫などに用いる。わが国ではこれを麦茶のように焙じてはぶ茶(波布茶)といい、健康増進と強壮、肝臓と腎臓を強くするとして愛飲するが、マムシ毒にも効くといわれ、これがはぶ茶の名の由来である。

 わが国へは17世紀に中国から渡来したといわれ、葉を決明葉と呼んで瀉下剤であるセンナの代用にしてこともあるが、それほどの作用がない。もうひとつ紛らわしいことに、同じマメ科の一年草にハブソウ(波布草)という類縁種があり、中国ではこれを地上部全草を望江南、種子を望江南子と呼んで、煎じて健胃・整腸、解毒などに用いる。

 さて、はぶ茶の効用について中国の古い漢方書では「エビスグサの種子(決明子)を煎じて飲めば、腎臓を強化する」と記し、「その葉を菜にして食べれば、五臓を律し目を明らかにする」など、さまざまな効能があるとしている。

 近年のその薬効成分も徐々に科学的に解明されるようになってきたが、その一つに、アントラキノン誘導体という有効成分がある。これは緩下、強壮、利尿などの薬効のほか、高血圧、胃弱などにも有効であることが知られている。

 一方、臨床的な研究も行われ、はぶ茶の具体的な効能も次のように判明してきている。

 ①便秘を治す。アントラキノン誘導体の緩下作用によると見られ、はぶ茶にハチミツを加えると、一層効果的である。また、決明子に大黄を混ぜて煎じた汁も便秘に効く。②胃腸病が治る。胃腸が弱くて煎じて痩せている人は、はぶ茶を飲むとよい。また、決明子20gにキハダ(黄柏)1gを混ぜた煎じ汁は胃弱に効果的で、キハダの変わりにゲンノショウコ(玄草)を混ぜて飲むと、胃潰瘍に効果がある。③目の疲れや充血を取り除く。はぶ茶に常飲し、またその汁で目を洗うと、目の疲れや充血がとれ、視力の衰えを防ぐのに効果がある。④腎臓病に効く。はぶ茶を飲むと水分が大便と共に排出され、腎臓の負担を軽くする。⑤口内炎に効果がある。口の中が荒れたり、舌が赤くただれたり、また乳児の舌が白くなったとき、3度ほど煮だしたはぶ茶を口に含むか、うがいするとよい。⑥そのほか、酒を多く飲んだ後に濃いはぶ茶を飲むと、二日酔いしない、はぶ茶とドクダミを同量ずつ混ぜて煎じると、高血圧に効く。はぶ茶は黄疸に有効性があり、ゲンノショウコを混ぜて飲むと、肝臓病、胆石症にも効果がある。などといわれている。

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月曜日, 1月 02, 2006

にがりについて

○にがり

 古くから日本の食塩は、苦味や湿気の原因となるにがり成分を少なくし、粗塩をサラサラした白い塩にする努力が払われてきた。それが大成功を収めたのは1971年、当時の日本専売公社(現・JT)によって全国的に実施されたイオン交換樹脂膜法による製塩である。これによって、海浜地帯での従来の塩田製塩法は影を潜め、工場で電気を使って、成分としては塩化ナトリウムの含有率が99.8%にも達する、文字通り純粋な塩が大量生産できるようになったのである。

 ところが、ここに問題が潜んでいたことが、今になって明らかになってきた。それは調味料としては邪魔だと除外されてしまったにがり成分の中に、人体にとって非常に重要な微量ミネラルが多く含まれており、その欠落が様々な病気を誘発しているのではないか、という指摘である。調べてみると、純度の高い化学精製塩が本格的に市場を占拠した1970年代以降、わが国では生活習慣病がどんどん増え、男女を問わず、若い人から熟年層にまで、直接的な原因はよくわからない、医者がてこずる病気で悩む人たちが増加しているのである。医学界では飽食、栄養の偏り、運動不足、ストレス、環境汚染など、いろいろな要因が取り沙汰されてはいるが、その背後に「欠陥のある精製塩が潜んでいた」と考えると、その因果関係も浮かび上がってくる。

 かつての塩には海水中の全成分でないにせよ、塩化ナトリウム以外の海の成分がたくさん含まれていた。海水の塩分は、その78%が食塩(塩化ナトリウム)で、残る22%には塩化マグネシウム(9.5%)、硫酸マグネシウム(6%)、硫酸カリウム(4%)、塩化カリウム(2%)のほか、数多くの微量ミネラルが含まれており、この微量ミネラル成分の集まりを、一般ににがり(苦汁)と呼んでいる。つまり、精製塩の登場で、塩からにがりが除かれたということは、海水中に含まれていたナトリウムと塩素以外の、貴重な60種類以上ともいわれる微量ミネラル成分を全て失ってしまったということである。

 最近、このにがり成分に着目して、インドネシア産の天然にがりを使った海洋ミネラルサプリメントが登場し、大きな関心が寄せられている。すでに数多くの使用報告が公開されており、その鋭い切れ味と想像を超える治癒力によって、改めてにがりの持つ潜在的パワーの大きさが実証された格好である。また、基礎研究も始まっており、にがり成分に化学的な光も当たり始めしている。

 これまでの使用報告をまとめると、にがりには以下のような効果があることがわかった。

 ①ガンによる全身の痛みが止まった、②生まれつきのアトピー性皮膚炎に即効性、③喘息の発作に高い効果、④高かった血糖値が2週間で下がった、⑤高血圧が改善、⑥自律神経失調症(頭痛・めまい・耳鳴り・肩こり・便秘)に著効、⑦便秘薬を上回る抜群の便秘改善効果、⑧歯周病・歯槽膿漏に即効性、⑨総コレステロール値が急激に下がった、などであるが、いずれも即効性のあることがにがりの大きな特徴のようだ。

 一方、基礎研究は、にがりの塩素の吸収度や抗ガン性などについて、動物実験により行われている(愛媛大学医学部・奥田拓道ら)。海水から分離した天然にがりの塩素濃度は15%程度であるが、ラットに食塩水と、にがり(10%)を加えた食塩水をそれぞれ与え、塩素の血中濃度を比較したところ、にがりの入ったラット群は塩素濃度の上昇がはるかに下回り、食塩だけ塩素よりも吸収されにくいことがわかった。したがって、にがりを使うことによって塩素の害(血圧上昇など)が抑えられることが示唆されるという。

 また、ガンを植え付けたネズミににがりを投与して、ガン細胞の容積の変化を調べたところ、統計的に有意にガン細胞の縮小が認められた。また、抗ガン剤シスプラチンとの経口投与の比較実験では、副作用によって起こる脾臓重量の減少がにがり投与群では見られず、白血球の現象も起こらなかったという結果が出ている。

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日曜日, 1月 01, 2006

羅漢果について

○羅漢果

 羅漢果は中国広西省チワン族自治区の山岳地に産するウリ科の果実で、香りが高く甘みが非常に強いため、中国では古くからこれを乾燥させて料理の調味料、甘味飲料の原料として使うほか、生薬として珍重して神果とも呼び、国王は他国への持ち出しを禁じていたともいわれる。羅漢果の文字は、仏教修行者の到達できる最高の境地である阿羅漢果に由来するであろう。

 もともと野生であった羅漢果であるが、いつのコロからか農家の園芸作物として栽培されるようになりながら、新中国の誕生の頃には荒廃の限りを尽くした。しかしその後、再び中国政府の奨励のもとに復興して農業の表舞台に登場し、今では主要な中国の輸出産物のひとつとなった。

 生薬としての羅漢果は、清熱・止咳・去痰・肺の湿潤・造血・胃腸の機能促進、利尿・便秘などに効くとされ、近年の研究ではストレス解消や高血圧症、糖尿病にも効果があり、長く服用していると細菌感染による呼吸器系の疾患に対する抵抗力がつくことが指摘されてきた。そのため、中国では羅漢果を原料とした咳止め、喘息の発作を抑えるシロップ剤や錠剤あるいは熱湯を注いで飲む固形剤などが作られて、製品は海外へも輸出されている。

 わが国では、以前この羅漢果の甘み成分(糖度は砂糖の300~400倍)に着目して、徳島文理大学の竹本常松らが詳細な分析研究を行い、驚くほど低カロリーの新しい配糖体(テルペングリコシド配糖体)を発見し、「S-5」と名づけて学会発表をしたことがある。一部には初頭の過剰摂取による虫歯、肥満、糖尿病などの多発が心配される日本において、この新しい甘味料がそうした弊害の緩和に役立つと期待がもたれたが、当時はまだ輸入量が少なかったこともあって広く知られない時期が続き、従って商品開発もなかなか進まなかった。しかし、生産量の増大と輸出振興の恩恵を受けて、現在ではわが国の消費量も拡大している。

 最近になって、岡山大学医学部の森昭胤らのグループが、羅漢果の熱水抽出エキスに、活性酸素とフリーラジカルを消去・抑制し、さらに脳組織の脂質の過酸化を予防する作用があるという研究発表を行った注目された。活性酸素とフリーラジカルは通常の体内での酸化の過程でも、また、紫外線や放射線の照射によって発生する。あるいは油や油脂が空気と熱に長時間さらされたときにも発生し、食事によって体内に取り込まれる。それが体内で脂質を酸化させて有害物質に変えたり、正常な細胞を破損したり、遺伝子を傷つけることになどによって、癌・動脈硬化・炎症・虚血・アレルギー・パーキンソン病などのほか、老人性ボケを含むさまざまな老化現象をもたらすのであるが、羅漢果にはそれを消去・抑制する作用があることが判明したのである。

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