〇CMO
CMOはctyl myristokete(セチルミリストレイン酸エステル)の略。不飽和脂肪酸のミリストレイン酸のエステル化合物で、関節炎に対してグルコサミンやコンドロイチン硫酸を凌ぐ効果があると米国で注目された物質である。ミリストレイン酸はn-5系の脂肪酸だが、従来のn-3、n-6、n-9系を主要に扱ってきた栄養学ではまだ代謝の機構について十分に研究されてない。
CMOが哺乳類の生体に存在することは、1971年に米国立衛生研究所(NIH)の研究員だったH・ディールによってスイスアルビノマウスの体内から発見されたが、その後、牛や鯨のほか、他のげっ歯類の動物でも確認されている。ヒトは進化の系統樹からみるとげっ歯類からは遠くないため、ヒトの体でも重要な役割をしている可能性があるという。ディールは当時、各種動物に作用する消炎剤の研究をしていたが、その研究の一環として人工的に関節炎を起こさせるためのフロイントアジュバント(熱処理したバクテリア)を動物に注射していった。その際、スイスアルビノマウスだけが炎症を起こさなかったことに気付き、炎症から体を保護している物質としてCMOを特定した。次にこれを別種のネズミに注射してその反応を見たところ、予想通り炎症の保護をしていると推測できる結果が得られたのである。この消炎作用についてディールは、哺乳類全体に適応できる手法として米国特許を取得している。
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土曜日, 4月 19, 2008
金曜日, 4月 18, 2008
麦飯石
〇麦飯石
水道水を入れるとミネラルウォーターに変わるという石。麦飯石の名はその外観からきている。黄褐色または淡灰色の鉱物中に白色の長石という灰色をした石英がちりばめられており、その外観が麦ごはんに似ているところから名付けられた。
ミネラルウォーターは地中のミネラルがちょうどほどよく水に溶けた状態になっている。麦飯石の組成をみると、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、マンガンなどのミネラル類が豊富に含まれており、これらが水中に溶出する。これは微量だが、細菌などの繁殖を防ぐ働きがあるとされる。麦飯石にはまた非常に多くの孔がある。それは325メッシュ(0.043mm径)という微細なもので、ミネラルがイオン化して水に溶けやすくなり、吸着作用やイオン交換作用がいつまでも強く残り、長期の使用にも耐えるという。
水道水を入れるとミネラルウォーターに変わるという石。麦飯石の名はその外観からきている。黄褐色または淡灰色の鉱物中に白色の長石という灰色をした石英がちりばめられており、その外観が麦ごはんに似ているところから名付けられた。
ミネラルウォーターは地中のミネラルがちょうどほどよく水に溶けた状態になっている。麦飯石の組成をみると、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、マンガンなどのミネラル類が豊富に含まれており、これらが水中に溶出する。これは微量だが、細菌などの繁殖を防ぐ働きがあるとされる。麦飯石にはまた非常に多くの孔がある。それは325メッシュ(0.043mm径)という微細なもので、ミネラルがイオン化して水に溶けやすくなり、吸着作用やイオン交換作用がいつまでも強く残り、長期の使用にも耐えるという。
水曜日, 4月 16, 2008
カンカ(砂漠人参)
〇カンカ(砂漠人参)
カンカ(カンカクニクジュニウ)はハマボウフウ科ニクジュヨウ属植物。砂漠人参とも使用され、砂漠でも育つ強靭な生命力を有する。神農本草経には「肉蓯蓉」として記録され、補腎薬や滋養強壮を目的に多くの漢方薬に配合されている。主にタクラマカン砂漠など砂漠地帯でタマリクス(紅柳)の根部に寄生する多年草の植物で、中国ではウイグル族の民間薬として使われ、漢方生薬として重要な構成生薬であるばかりでなく、カンカ自体が認知症の改善薬として認可されている。
成分はウイルス感染を防いで免疫力を高める効果があるといわれるエキナコシド(echinacoside)や、ポリフェノールの一種で抗腫瘍作用や肝臓保護作用、ストレス負荷による性行動や学習行動の低下を回復させるといわれるアクテオシド(acteoside)をはじめ、アルカノイド、フラボン類、アミノ酸、フェニルエチルアルコール配糖体、イリドイド類、D-マンニトール、β-シトステロール、多糖類等や無機微量元素を含んでいる。このほか血管拡張作用、抗疲労作用、抗酸化作用、抗老化作用、免疫増強作用、美白作用などが確認されている。
中国ウイグル自治区のホータン(和田)地区では、産業振興と砂漠緑化の両面から、カンカの人工栽培とタマリクスの植林を進めている。一方、わが国では近畿大学がカンカの有用性に着目、中国中薬民族薬研究所などと共同で「新規機能性食品素材開発共同プロジェクト」を推進するとともに、2006年8月にホータン地区の農民(ニヤ)県政府と提携し、カンカに関する学術研究と砂漠緑化を進めてきた。2007年3月には国際カンカ研究会が発足し、第1回国際カンカ・シンポジムが近畿大学で開催された。2006年には近畿大学薬学部の村岡修と京都薬科大学の吉川雅之との共同研究において、強い抗酸化作用を有する高濃度のポリフェノールが含まれていることや血管拡張作用を示すカンカノシドのA~G、カンカノース、カンカノールなど新規成分が発見されている。
カンカ(カンカクニクジュニウ)はハマボウフウ科ニクジュヨウ属植物。砂漠人参とも使用され、砂漠でも育つ強靭な生命力を有する。神農本草経には「肉蓯蓉」として記録され、補腎薬や滋養強壮を目的に多くの漢方薬に配合されている。主にタクラマカン砂漠など砂漠地帯でタマリクス(紅柳)の根部に寄生する多年草の植物で、中国ではウイグル族の民間薬として使われ、漢方生薬として重要な構成生薬であるばかりでなく、カンカ自体が認知症の改善薬として認可されている。
成分はウイルス感染を防いで免疫力を高める効果があるといわれるエキナコシド(echinacoside)や、ポリフェノールの一種で抗腫瘍作用や肝臓保護作用、ストレス負荷による性行動や学習行動の低下を回復させるといわれるアクテオシド(acteoside)をはじめ、アルカノイド、フラボン類、アミノ酸、フェニルエチルアルコール配糖体、イリドイド類、D-マンニトール、β-シトステロール、多糖類等や無機微量元素を含んでいる。このほか血管拡張作用、抗疲労作用、抗酸化作用、抗老化作用、免疫増強作用、美白作用などが確認されている。
中国ウイグル自治区のホータン(和田)地区では、産業振興と砂漠緑化の両面から、カンカの人工栽培とタマリクスの植林を進めている。一方、わが国では近畿大学がカンカの有用性に着目、中国中薬民族薬研究所などと共同で「新規機能性食品素材開発共同プロジェクト」を推進するとともに、2006年8月にホータン地区の農民(ニヤ)県政府と提携し、カンカに関する学術研究と砂漠緑化を進めてきた。2007年3月には国際カンカ研究会が発足し、第1回国際カンカ・シンポジムが近畿大学で開催された。2006年には近畿大学薬学部の村岡修と京都薬科大学の吉川雅之との共同研究において、強い抗酸化作用を有する高濃度のポリフェノールが含まれていることや血管拡張作用を示すカンカノシドのA~G、カンカノース、カンカノールなど新規成分が発見されている。
火曜日, 4月 15, 2008
フィチン酸
〇フィチン酸
化学物質名はイノシトール六リン酸。inositol(イノシトール)とphosphate(リン酸塩)からIP6と略記されることも多い。フィチン酸は米糠や胚芽、穀類、種子などに多く存在し、米ぬかには約8%含まれている。キレート作用があることから、食用油の酸化防止などに利用されている。
最近の研究では、フィチン酸にガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあることがわかり、世界の研究者が注目している。特に米国メリーランド大学医学部のA・シャムスディンはIP6の研究の第一人者として世界的に知られており、日本でもその著作「天然抗ガン物質IP6の驚異」(坂本孝作訳、講談社、2000年)が邦訳され、多くの関心を集めた。1998年に京都で開催された「米糠国際シンポジウム」では、シャムスディンをはじめ多くのアメリカの研究者が参加し、その発表の大半はIP6がテーマとして取り上げられ、免疫活性のほか、少量アスピリンのように血液凝固を防ぐことで心筋梗塞や脳血栓を予防すること、高脂血症の予防、尿結石抑制への有効性などが報告された。
化学物質名はイノシトール六リン酸。inositol(イノシトール)とphosphate(リン酸塩)からIP6と略記されることも多い。フィチン酸は米糠や胚芽、穀類、種子などに多く存在し、米ぬかには約8%含まれている。キレート作用があることから、食用油の酸化防止などに利用されている。
最近の研究では、フィチン酸にガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあることがわかり、世界の研究者が注目している。特に米国メリーランド大学医学部のA・シャムスディンはIP6の研究の第一人者として世界的に知られており、日本でもその著作「天然抗ガン物質IP6の驚異」(坂本孝作訳、講談社、2000年)が邦訳され、多くの関心を集めた。1998年に京都で開催された「米糠国際シンポジウム」では、シャムスディンをはじめ多くのアメリカの研究者が参加し、その発表の大半はIP6がテーマとして取り上げられ、免疫活性のほか、少量アスピリンのように血液凝固を防ぐことで心筋梗塞や脳血栓を予防すること、高脂血症の予防、尿結石抑制への有効性などが報告された。
月曜日, 4月 14, 2008
キクカ(菊花)
〇キクカ(菊花)
キクカ(菊花)はキク科の植物で、釣藤散、菊花散などに配合されるなど、生薬として用いられている。日本薬局方外生薬規格集が規定する基原は「Chrysanthemum indicum又はそれらの種間雑種の頭花」とされている。中国の中華人民共和国薬典ではこの2つを区別し、キクおよびその品種の頭状花を乾燥したものを「菊花」、シマカンギクまたはその近縁種の頭状花を乾燥したものを「野菊花」としている。
菊花は味が甘く料理や喫茶用にも用いるが、野菊花は味が苦く食用には用いられない。中国では神農本草経の上薬に収載されるほか、唐代の「新修本草」、明代の「本草綱目」にも記載されている。日本では「本草和名」「医心方」にも記載されており、古くから薬物と考えられてきた。薬能としては「菊花は能く頭目風熱解し、肝を平らにし、目を明らかにする効がある」と言われ、風邪をひいて熱のある者、頭痛でフラフラする者、目が充血して痛む者、あるいは目がかすむ者に用いるとされる。特に野菊花については清熱、解毒の効に優れており、悪性のおでき、目の充血や腫れ、あるいは頭が痛くてフラフラするときによいとされる。含有成分は精油、セスキテルペン、フラボノイドおよびその配糖体が知られている。
近年の研究では、菊花には抗原抗体作用および毛細血管抵抗力増強作用が、また野菊花には降圧作用および抗菌・ウイルス作用が報告されている。京都薬科大学生薬学教室では、野菊花に糖尿病合併症予防が期待できるアルドース還元酵素阻害活性と、血管内皮機能を調節するNOの産生抑制活性を見出している。また抗アレルギー作用のある新規成分型として、3種のオイデスマン型セスキテペンと5種のゲルマクラン型セスキテルペン、2種のフラバノン配糖体、1種のフェニルブタノイド配糖体を単離し化学構造を決定するとともに、野菊花の抗アレルギー作用成分を見出し、フラボノイド類における構造と活性、アレルギー反応を有意に抑制する作用機序を明らかにしたことを報告している。
キクカ(菊花)はキク科の植物で、釣藤散、菊花散などに配合されるなど、生薬として用いられている。日本薬局方外生薬規格集が規定する基原は「Chrysanthemum indicum又はそれらの種間雑種の頭花」とされている。中国の中華人民共和国薬典ではこの2つを区別し、キクおよびその品種の頭状花を乾燥したものを「菊花」、シマカンギクまたはその近縁種の頭状花を乾燥したものを「野菊花」としている。
菊花は味が甘く料理や喫茶用にも用いるが、野菊花は味が苦く食用には用いられない。中国では神農本草経の上薬に収載されるほか、唐代の「新修本草」、明代の「本草綱目」にも記載されている。日本では「本草和名」「医心方」にも記載されており、古くから薬物と考えられてきた。薬能としては「菊花は能く頭目風熱解し、肝を平らにし、目を明らかにする効がある」と言われ、風邪をひいて熱のある者、頭痛でフラフラする者、目が充血して痛む者、あるいは目がかすむ者に用いるとされる。特に野菊花については清熱、解毒の効に優れており、悪性のおでき、目の充血や腫れ、あるいは頭が痛くてフラフラするときによいとされる。含有成分は精油、セスキテルペン、フラボノイドおよびその配糖体が知られている。
近年の研究では、菊花には抗原抗体作用および毛細血管抵抗力増強作用が、また野菊花には降圧作用および抗菌・ウイルス作用が報告されている。京都薬科大学生薬学教室では、野菊花に糖尿病合併症予防が期待できるアルドース還元酵素阻害活性と、血管内皮機能を調節するNOの産生抑制活性を見出している。また抗アレルギー作用のある新規成分型として、3種のオイデスマン型セスキテペンと5種のゲルマクラン型セスキテルペン、2種のフラバノン配糖体、1種のフェニルブタノイド配糖体を単離し化学構造を決定するとともに、野菊花の抗アレルギー作用成分を見出し、フラボノイド類における構造と活性、アレルギー反応を有意に抑制する作用機序を明らかにしたことを報告している。
日曜日, 4月 13, 2008
乳酸菌酵母分泌物
〇乳酸菌酵母分泌物
乳酸菌生産物質が乳酸菌を培養・発酵させて作るのに対して、乳酸菌酵母分泌物は原料のベースに乳酸菌なと酵母菌の2つの菌を使い、両者を「共棲培養」という技術で発酵させる。乳酸菌と酵母菌はともに腸内細菌の善玉菌で、お互いの分泌物(生産物質)をエサとして繁殖するという特徴がある。すなわち、2つの菌を一緒に培養すると、乳酸菌だけの時より発酵が飛躍的に促進されるわけである。
この乳酸菌酵母分泌物を生み出す母体となったのは、農学博士・小牧久時(現・国際地球環境大学名誉総長)が開発し、1988年に「腸内細菌叢を改善する健康食品製造法」として特許をとった「小牧原液」である。小牧は乳酸菌がなかなか腸まで到達できないという問題を解決するにあたり、腸内では乳酸菌は酵母菌の分泌物の助けを借りて繁殖し、酵母菌もまた乳酸菌の分泌物の助けを借りて繁殖している、という事実から推論を組み立てた。「乳酸菌と酵母菌、双方の微生物は分泌物を挟んで共栄共存の関係にある。そうであるなら、より大切なのは乳酸菌、酵母菌の生きた菌体ではなく双方の菌体成分である。分泌物ならば、胃液に分解されることなく腸に到達できる。腸内を善玉菌優勢にするには、双方の分泌物を届けてやればよい」と考えたわけである。
小牧はこの考えをもとに、菌同士の相性等を精査した結果、多くの乳酸菌、酵母菌の中から16種の乳酸菌と24種の酵母菌を選び出した。これら40種の善玉菌に、栄養が非常に高いことで知られるニンニクの無臭成分「サチヴァミン複合体」を与えて共棲培養し、そこへ、腸内到達率・増殖率が極めて高く組成に優れたタイプの乳酸菌=有胞子乳酸菌を加えて作られたのが、「腸内細菌叢改善食品」であり、この製品は1989年の世界発明博覧会・生物分子部門でグランプリを受賞している。製品の完成までは31もの工程をけ経る上、40種の異なる培養条件を満たすには1000リットル以上の大きなタンク培養器が必要となる。また、添加物・抗生物質を一切使わないという条件下で細菌の侵入を防ぐためには、完璧なクリーンルームが必要条件とされるなど、高度や設備と管理技術が要求される製品でもある。
乳酸菌生産物質が乳酸菌を培養・発酵させて作るのに対して、乳酸菌酵母分泌物は原料のベースに乳酸菌なと酵母菌の2つの菌を使い、両者を「共棲培養」という技術で発酵させる。乳酸菌と酵母菌はともに腸内細菌の善玉菌で、お互いの分泌物(生産物質)をエサとして繁殖するという特徴がある。すなわち、2つの菌を一緒に培養すると、乳酸菌だけの時より発酵が飛躍的に促進されるわけである。
この乳酸菌酵母分泌物を生み出す母体となったのは、農学博士・小牧久時(現・国際地球環境大学名誉総長)が開発し、1988年に「腸内細菌叢を改善する健康食品製造法」として特許をとった「小牧原液」である。小牧は乳酸菌がなかなか腸まで到達できないという問題を解決するにあたり、腸内では乳酸菌は酵母菌の分泌物の助けを借りて繁殖し、酵母菌もまた乳酸菌の分泌物の助けを借りて繁殖している、という事実から推論を組み立てた。「乳酸菌と酵母菌、双方の微生物は分泌物を挟んで共栄共存の関係にある。そうであるなら、より大切なのは乳酸菌、酵母菌の生きた菌体ではなく双方の菌体成分である。分泌物ならば、胃液に分解されることなく腸に到達できる。腸内を善玉菌優勢にするには、双方の分泌物を届けてやればよい」と考えたわけである。
小牧はこの考えをもとに、菌同士の相性等を精査した結果、多くの乳酸菌、酵母菌の中から16種の乳酸菌と24種の酵母菌を選び出した。これら40種の善玉菌に、栄養が非常に高いことで知られるニンニクの無臭成分「サチヴァミン複合体」を与えて共棲培養し、そこへ、腸内到達率・増殖率が極めて高く組成に優れたタイプの乳酸菌=有胞子乳酸菌を加えて作られたのが、「腸内細菌叢改善食品」であり、この製品は1989年の世界発明博覧会・生物分子部門でグランプリを受賞している。製品の完成までは31もの工程をけ経る上、40種の異なる培養条件を満たすには1000リットル以上の大きなタンク培養器が必要となる。また、添加物・抗生物質を一切使わないという条件下で細菌の侵入を防ぐためには、完璧なクリーンルームが必要条件とされるなど、高度や設備と管理技術が要求される製品でもある。
金曜日, 4月 11, 2008
乳酸菌生産物質
〇乳酸菌生産物質
乳酸菌生産物質とは、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が生産した物質=分泌物を指す。いわば乳酸菌のエキスとも呼ぶべきものであり、乳酸菌とは似て非なるものである。乳や大豆、黒糖などの天然素材の培地に乳酸菌を加え、発酵させて作る。
この乳酸菌生産物質の歴史自体は非常に古く、仏教の経典「大般若経」に「醍醐」の名前で登場する。日本には20世紀はじめ、西域に仏跡調査に赴いた大谷探検隊が持ち帰ったとされる。現地(中央アジア)では牧畜が盛んな土地柄から、乳を培地として発酵させるのが主流だが、豆腐、味噌醤油など大豆の加工技術が発達していた日本では大豆培地を使って成功し、これが現在の乳酸菌生産物質の原型となっている。のちに黒糖培地等を使った製造技術も開発された。
乳酸菌生産物質が注目されているのは、乳酸菌そのものと比べて、腸に到達する力が格段に強いである。一般の乳酸菌は胃酸や胆汁に弱く、ヒトが摂取しても腸に届く前にそのほとんどが死滅してしまうと見られる。もちろん、死滅しても菌自体は残るので、効果はゼロということにはならないが、できれば胃酸や胆汁に負けることなく腸まで届いて、乳酸菌本来の機能を発揮することが望ましい。
腸内に達した後も、乳酸菌単体よりスピーディーで強力な力を発揮する。乳酸菌の場合、腸内に入ると、まず自身が増殖して十分に働ける態勢を整えてから、身体に有用な物質(乳酸菌生産物質)を生成する一方、有害菌や有害物質の除去に働くが、乳酸菌生産物質では自身が増殖する過程を省いて、腸にダイレクトに働きかけることが可能となる。
この乳酸菌生産物質の主成分は乳酸、乳酸カルシウム、ペプチン、酵素類、それがさまざまな生理活性物質(サイトカインなど)で、これらは胃酸の分泌軽減、カルシウムの吸収促進、肝機能の増強などに関与する。また、体の細胞の生産・増殖を支配する核酸が非常に多く含まれている点も大きな特徴で、この核酸が新しい細胞の形成を助け、老化をコントロールしてアンチエイジング(抗加齢)に働くと目されている。
現在、健康食品市場では「乳酸菌生産物質」をベースとする多くの商品が流通しており、もととなる乳酸菌の種類や発酵に使う培地、発酵の方法などのほか、プラスαとして加えられるほかの成分などもメーカーにより異なっている。それらが各社のノウハウともなっている一面もある。また、ネーミングの点では「乳酸菌生産物質」のほか「乳酸菌発酵エキス」も使われている。なお、菌の種類や数はともかく、乳酸菌と酵母菌の両方を発酵に関与させているという点で、次に記述する乳酸菌酵母分泌物に相当すると思われる製品が「乳酸菌生産物質」のネーミングで販売されているケースもあり、名称の統一・整備等は今のところ必ずしもできていない。
乳酸菌生産物質とは、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が生産した物質=分泌物を指す。いわば乳酸菌のエキスとも呼ぶべきものであり、乳酸菌とは似て非なるものである。乳や大豆、黒糖などの天然素材の培地に乳酸菌を加え、発酵させて作る。
この乳酸菌生産物質の歴史自体は非常に古く、仏教の経典「大般若経」に「醍醐」の名前で登場する。日本には20世紀はじめ、西域に仏跡調査に赴いた大谷探検隊が持ち帰ったとされる。現地(中央アジア)では牧畜が盛んな土地柄から、乳を培地として発酵させるのが主流だが、豆腐、味噌醤油など大豆の加工技術が発達していた日本では大豆培地を使って成功し、これが現在の乳酸菌生産物質の原型となっている。のちに黒糖培地等を使った製造技術も開発された。
乳酸菌生産物質が注目されているのは、乳酸菌そのものと比べて、腸に到達する力が格段に強いである。一般の乳酸菌は胃酸や胆汁に弱く、ヒトが摂取しても腸に届く前にそのほとんどが死滅してしまうと見られる。もちろん、死滅しても菌自体は残るので、効果はゼロということにはならないが、できれば胃酸や胆汁に負けることなく腸まで届いて、乳酸菌本来の機能を発揮することが望ましい。
腸内に達した後も、乳酸菌単体よりスピーディーで強力な力を発揮する。乳酸菌の場合、腸内に入ると、まず自身が増殖して十分に働ける態勢を整えてから、身体に有用な物質(乳酸菌生産物質)を生成する一方、有害菌や有害物質の除去に働くが、乳酸菌生産物質では自身が増殖する過程を省いて、腸にダイレクトに働きかけることが可能となる。
この乳酸菌生産物質の主成分は乳酸、乳酸カルシウム、ペプチン、酵素類、それがさまざまな生理活性物質(サイトカインなど)で、これらは胃酸の分泌軽減、カルシウムの吸収促進、肝機能の増強などに関与する。また、体の細胞の生産・増殖を支配する核酸が非常に多く含まれている点も大きな特徴で、この核酸が新しい細胞の形成を助け、老化をコントロールしてアンチエイジング(抗加齢)に働くと目されている。
現在、健康食品市場では「乳酸菌生産物質」をベースとする多くの商品が流通しており、もととなる乳酸菌の種類や発酵に使う培地、発酵の方法などのほか、プラスαとして加えられるほかの成分などもメーカーにより異なっている。それらが各社のノウハウともなっている一面もある。また、ネーミングの点では「乳酸菌生産物質」のほか「乳酸菌発酵エキス」も使われている。なお、菌の種類や数はともかく、乳酸菌と酵母菌の両方を発酵に関与させているという点で、次に記述する乳酸菌酵母分泌物に相当すると思われる製品が「乳酸菌生産物質」のネーミングで販売されているケースもあり、名称の統一・整備等は今のところ必ずしもできていない。
木曜日, 4月 10, 2008
ルイボスティー(改訂)
〇ルイボスティー
ルイボスティーは、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生するマメ科植物ルイボスの針葉樹様の細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙功を信じて愛飲してきたという。
1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も務めたイギリス系のP・ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農作物化に成功した。味・香り・色ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として生産・加工・品質管理が政府の肝いりで行われている。
我が国の健康茶の中では新顔に属するルイボスティーだが、飲み始めて比較的早くわかる効用として便秘の改善、ペンの性状の変化(難便は固く、固い便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善などが挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、高血圧、高血糖などの快方、精神的に安定するという報告例も多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)、中野昌俊(愛知医科大学加齢医科学研究所)らが多くの研究成果を発表している。
長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している(小松賢志ほか)。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出液と茶葉粉末を投与することで血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは心臓疾患などへのルイボスティーの寄与を示唆するものである。
そのほかにも加齢による認知症の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいところでは愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども報告された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用はほかの野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。
ルイボスティーは、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生するマメ科植物ルイボスの針葉樹様の細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙功を信じて愛飲してきたという。
1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も務めたイギリス系のP・ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農作物化に成功した。味・香り・色ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として生産・加工・品質管理が政府の肝いりで行われている。
我が国の健康茶の中では新顔に属するルイボスティーだが、飲み始めて比較的早くわかる効用として便秘の改善、ペンの性状の変化(難便は固く、固い便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善などが挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、高血圧、高血糖などの快方、精神的に安定するという報告例も多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)、中野昌俊(愛知医科大学加齢医科学研究所)らが多くの研究成果を発表している。
長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している(小松賢志ほか)。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出液と茶葉粉末を投与することで血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは心臓疾患などへのルイボスティーの寄与を示唆するものである。
そのほかにも加齢による認知症の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいところでは愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども報告された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用はほかの野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。
水曜日, 4月 09, 2008
チア・シード
〇チア・シード
チアシードはメキシコ原産のシソ科の植物「チア」の種子で、大きさは1mmほど。黒褐色をした種である。中南米にあってはアステカ族、マヤ族などがとうもろこし、豆類に次ぐ主要植物として位置づけ摂取していたが、スペインの征服により、この食文化はいったん途絶えた。近年になってこの食品が注目を浴びることになった原因は、オメガ3系の脂肪酸であるα-リノレン酸科の含有量の多さと優れた栄養成分が高いエネルギーと持久力の源になることと、ダイエット効果とデトックス効果を有ていることだ。FDA(米国食品医薬品局)は、このチアシードを同局が確立した「健康に良い食材」としての栄養成分規制をクリアする「食餌療法サプリメント」として認可している。
栄養成分の面で特筆されるのは脂質(含有量33%)、たんぱく質(同20%)、およびビタミンB群の多さで、なかでもビタミンB群のナイアシン含有量はコーン、大豆を上回る。またミネラルについても、カルシウムが小麦、オートミル、コーンに比べて70~100倍、カリウムは7~16倍含まれている。
オメガ3系の脂肪酸は人体では作ることのできない脂肪酸=必須脂肪酸の一つで、生命の維持や健康増進によ重要な役割を果たすものであるが、チアシードには30%もの油分が含まれているうえ、その60%以上がα-リノレン酸である。
チアシードのもう一つの特徴であるデトックスしながらダイエット効果が期待できるのは、シードの40%を占める食物繊維の9割が不溶性のため、腸の蠕動運動を正常に保つうえ、皮膚を覆う繊維に高い吸水性があり、水を含むと約10倍に膨張し、摂取すると満腹感をもたらすからである。さらにα-リノレン酸と食物繊維の相乗効果として、食後の血糖値上昇抑制作用も臨床試験で確認されている。
チアシードはメキシコ原産のシソ科の植物「チア」の種子で、大きさは1mmほど。黒褐色をした種である。中南米にあってはアステカ族、マヤ族などがとうもろこし、豆類に次ぐ主要植物として位置づけ摂取していたが、スペインの征服により、この食文化はいったん途絶えた。近年になってこの食品が注目を浴びることになった原因は、オメガ3系の脂肪酸であるα-リノレン酸科の含有量の多さと優れた栄養成分が高いエネルギーと持久力の源になることと、ダイエット効果とデトックス効果を有ていることだ。FDA(米国食品医薬品局)は、このチアシードを同局が確立した「健康に良い食材」としての栄養成分規制をクリアする「食餌療法サプリメント」として認可している。
栄養成分の面で特筆されるのは脂質(含有量33%)、たんぱく質(同20%)、およびビタミンB群の多さで、なかでもビタミンB群のナイアシン含有量はコーン、大豆を上回る。またミネラルについても、カルシウムが小麦、オートミル、コーンに比べて70~100倍、カリウムは7~16倍含まれている。
オメガ3系の脂肪酸は人体では作ることのできない脂肪酸=必須脂肪酸の一つで、生命の維持や健康増進によ重要な役割を果たすものであるが、チアシードには30%もの油分が含まれているうえ、その60%以上がα-リノレン酸である。
チアシードのもう一つの特徴であるデトックスしながらダイエット効果が期待できるのは、シードの40%を占める食物繊維の9割が不溶性のため、腸の蠕動運動を正常に保つうえ、皮膚を覆う繊維に高い吸水性があり、水を含むと約10倍に膨張し、摂取すると満腹感をもたらすからである。さらにα-リノレン酸と食物繊維の相乗効果として、食後の血糖値上昇抑制作用も臨床試験で確認されている。
土曜日, 4月 05, 2008
ぶどう葉(葡萄葉)
〇ぶどう葉(葡萄葉)
フレンチパラドックスという言葉で、赤ワインに含まるポリフェノール類の健康効果(動脈硬化や心臓病のリスクを減らす)が注目され、わが国でも赤ワインブームが起きたが、その原料となる黒ブドウの葉には赤ワイン以上(100~300倍)のポリフェノール類が含まれている。ヨーロッパのワイン農家では古くから黒ブドウの葉を煎じて健康茶として飲んだり、葉そのものを料理に混ぜて食用にしてきた。黒ブドウ葉の抽出物には血管保護作用のあることが認められており、フランスやドイツでは医薬品として扱われ、静脈疾患の治療などに使われている。
ポリフェノール類は体内で抗酸化物質として働き、老化防止や生活習慣病の改善に効果のあることは広く知られているが、黒ブドウ葉に含まれるポリフェノール類としては、特にアントシアニンとリスベラトールが注目されている。アントシアニンは強い抗酸化作用を持ち、血管の保護、血液循環の改善、動脈硬化の予防に効果がある。
リスベラトールはブドウ樹が真菌や紫外線から身を守るために産生するファイトケミカル(植物微量成分)の一種で、葉に最も多く含まれ、果肉中にはほとんど存在しない。人の体内でLDL(悪玉コレステロール)を減らし、血管の炎症や血栓の形成を抑える働きがあるとされている。海外では抗ガン効果についての報告もある。健康食品としての黒ブドウ葉は主に乾燥葉が売られているが、エキスを加工したものも製品化されている。
フレンチパラドックスという言葉で、赤ワインに含まるポリフェノール類の健康効果(動脈硬化や心臓病のリスクを減らす)が注目され、わが国でも赤ワインブームが起きたが、その原料となる黒ブドウの葉には赤ワイン以上(100~300倍)のポリフェノール類が含まれている。ヨーロッパのワイン農家では古くから黒ブドウの葉を煎じて健康茶として飲んだり、葉そのものを料理に混ぜて食用にしてきた。黒ブドウ葉の抽出物には血管保護作用のあることが認められており、フランスやドイツでは医薬品として扱われ、静脈疾患の治療などに使われている。
ポリフェノール類は体内で抗酸化物質として働き、老化防止や生活習慣病の改善に効果のあることは広く知られているが、黒ブドウ葉に含まれるポリフェノール類としては、特にアントシアニンとリスベラトールが注目されている。アントシアニンは強い抗酸化作用を持ち、血管の保護、血液循環の改善、動脈硬化の予防に効果がある。
リスベラトールはブドウ樹が真菌や紫外線から身を守るために産生するファイトケミカル(植物微量成分)の一種で、葉に最も多く含まれ、果肉中にはほとんど存在しない。人の体内でLDL(悪玉コレステロール)を減らし、血管の炎症や血栓の形成を抑える働きがあるとされている。海外では抗ガン効果についての報告もある。健康食品としての黒ブドウ葉は主に乾燥葉が売られているが、エキスを加工したものも製品化されている。
金曜日, 4月 04, 2008
大麦若葉
〇大麦若葉
イネ科大麦の葉で、幼穂を形成し始める草丈20~30cmの頃の若葉をいう。ビタミンやミネラル、タンパク質、酵素、食物繊維の含有量が多く、ホウレン草と比較してカリウムが18倍、マグネシウム3.8倍、鉄4.8倍、カロチン6.5倍、ビタミンC3倍、タンパク質が15倍含まれる。そのため、最近では青汁の原料として利用れることが多い。また、キスを乾燥させ粉末化した健康食品もある。大麦の葉は成長するに従って栄養素の含有量が減少するため、若葉だけが使われている。(財)日本健康栄養食品協会による「麦類若葉加工食品規格基準」(1987年8月工事、93年7月一部改正)では、麦類若葉加工食品を「イネ科の大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成開始期の草丈20~30cmのものを採取し、その葉、葉柄、茎の全部、または一部を搾汁した液を噴霧乾燥等の方式で乾燥したもの、あるいは搾汁液に適当な賦形剤を加えて噴霧乾燥等の方法で乾燥したもの」と定義されている。
◆麦緑素
大麦若葉から搾汁した液を低温で噴霧乾燥させて粉末化した健康食品。長く漢方薬の研究に携わってきた医学博士の萩原義秀によって開発、命名された。ビタミン、ミネラル、タンパク質、酵素を豊富に含んでいる。
イネ科大麦の葉で、幼穂を形成し始める草丈20~30cmの頃の若葉をいう。ビタミンやミネラル、タンパク質、酵素、食物繊維の含有量が多く、ホウレン草と比較してカリウムが18倍、マグネシウム3.8倍、鉄4.8倍、カロチン6.5倍、ビタミンC3倍、タンパク質が15倍含まれる。そのため、最近では青汁の原料として利用れることが多い。また、キスを乾燥させ粉末化した健康食品もある。大麦の葉は成長するに従って栄養素の含有量が減少するため、若葉だけが使われている。(財)日本健康栄養食品協会による「麦類若葉加工食品規格基準」(1987年8月工事、93年7月一部改正)では、麦類若葉加工食品を「イネ科の大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成開始期の草丈20~30cmのものを採取し、その葉、葉柄、茎の全部、または一部を搾汁した液を噴霧乾燥等の方式で乾燥したもの、あるいは搾汁液に適当な賦形剤を加えて噴霧乾燥等の方法で乾燥したもの」と定義されている。
◆麦緑素
大麦若葉から搾汁した液を低温で噴霧乾燥させて粉末化した健康食品。長く漢方薬の研究に携わってきた医学博士の萩原義秀によって開発、命名された。ビタミン、ミネラル、タンパク質、酵素を豊富に含んでいる。
木曜日, 4月 03, 2008
でんぷん(澱粉)
〇でんぷん(澱粉)
デンプンは、穀類やイモ類などに多く含まれる植物の貯蔵多糖類で、ヒトのエネルギー源として最も重要な物質である。植物は葉緑体と呼ばれる細胞小器官で大気中の二酸化炭素と水を原料とし、太陽エネルギーを利用(光合成)してデンプンを作り出し、種子や球根、塊根などに蓄えている。動物はこれを摂取してエネルギー源としている。デンプンを作れるのは植物と藻類だけである。
デンプンはグルコース(ブドウ糖)のみで構成される単一多糖で、アミロース(約1000個のグルコースが直鎖状にα-1.4結合したもの)と、アミロペクチン(アミロースのところどころがα-1.6結合で枝分かれし、別のアミロース単位を含んだもの)からなっている。アミロースとアミロペクチンの含有比率はデンプンの種類によって異なるが、平均するとアミロースが20%、アミロペクチンが80%である。米の粘りはアミロペクチンによるもので、もち米に粘りがあるのは、ほとんど100%のアミロペクチンでできているためである(うるち米は83%)。
デンプンを水と混合して加熱すると糊状となり最後には糊化するが、これをα-化デンプンという。これに対し、生のデンプンをβ-デンプンと呼ぶ。α-化デンプンをそのまま放置して冷えるとβ-デンプンに戻るが、これをデンプンの老化という。
食事で摂取したデンプンは消化酵素のアミラーゼによってマルトース(麦芽糖)に分解され、さらにマルターゼという酵素でグルコースに分解されて小腸から吸収され、エネルギー源として利用される。
デンプンは、穀類やイモ類などに多く含まれる植物の貯蔵多糖類で、ヒトのエネルギー源として最も重要な物質である。植物は葉緑体と呼ばれる細胞小器官で大気中の二酸化炭素と水を原料とし、太陽エネルギーを利用(光合成)してデンプンを作り出し、種子や球根、塊根などに蓄えている。動物はこれを摂取してエネルギー源としている。デンプンを作れるのは植物と藻類だけである。
デンプンはグルコース(ブドウ糖)のみで構成される単一多糖で、アミロース(約1000個のグルコースが直鎖状にα-1.4結合したもの)と、アミロペクチン(アミロースのところどころがα-1.6結合で枝分かれし、別のアミロース単位を含んだもの)からなっている。アミロースとアミロペクチンの含有比率はデンプンの種類によって異なるが、平均するとアミロースが20%、アミロペクチンが80%である。米の粘りはアミロペクチンによるもので、もち米に粘りがあるのは、ほとんど100%のアミロペクチンでできているためである(うるち米は83%)。
デンプンを水と混合して加熱すると糊状となり最後には糊化するが、これをα-化デンプンという。これに対し、生のデンプンをβ-デンプンと呼ぶ。α-化デンプンをそのまま放置して冷えるとβ-デンプンに戻るが、これをデンプンの老化という。
食事で摂取したデンプンは消化酵素のアミラーゼによってマルトース(麦芽糖)に分解され、さらにマルターゼという酵素でグルコースに分解されて小腸から吸収され、エネルギー源として利用される。
水曜日, 4月 02, 2008
少糖類
〇少糖類
少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる(オリゴは少ないという意味)。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトースなど)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能性の面から関心を集めてる。
※ラクトース
乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の1/5程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。
ラクトースは、小腸でガラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症。
※トレハロース
2個のグルコースがα-1.1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。
トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く食品に用いられている。従来は酵母らの抽出物が専ら利用されて生きたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー。非うし蝕性、抗酸化作用などがあるが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。
少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる(オリゴは少ないという意味)。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトースなど)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能性の面から関心を集めてる。
※ラクトース
乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の1/5程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。
ラクトースは、小腸でガラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症。
※トレハロース
2個のグルコースがα-1.1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。
トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く食品に用いられている。従来は酵母らの抽出物が専ら利用されて生きたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー。非うし蝕性、抗酸化作用などがあるが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。
火曜日, 4月 01, 2008
フルクトース
〇フルクトース
果糖ともいう。グルコースとともに自然界に広く存在する単糖(六炭糖)で、遊離の形で果物やハチミツに多く含まれている。グルコースと結合してスクロース(ショ糖)となる。糖類の中ではもっとも甘く、グルコースの約2.5倍の甘味がある。
フルクトースは血糖指数(グルコースを100とした時の血糖上昇度)が20%と非常に低いため、血糖値を急速に上昇させず、インスリン分泌を刺激しないのが特徴である。そのため糖尿病患者の病人食に使用されている。またグルコースに比べて、肝臓や筋肉中でグリコーゲンへ変化する率が高いため、運動前に摂取するとスタミナが長続きする。このほか、血中アルコールの分解を促進する働きがあり、二日酔いにハチミツがよいとされる理由の一つになっている。
フルクトースは小腸で吸収され、肝臓で酵素の作用によりグルコースに変わるが、その過程で生成するグリセロアルデヒドという物質は中性脂肪の合成にも利用される。このためフルクトースは、グルコースに比べて体内で脂肪に変わりやすいという性質がある。
フルクトースは果物や砂糖などから摂取されるが、加工食品ではベビーフードや栄養補助食品、ドリンク剤、ダイエット食品、スポーツドリンク、和・洋菓子(ゼリー・ケーキ類、餡)などにも使われている。
果糖ともいう。グルコースとともに自然界に広く存在する単糖(六炭糖)で、遊離の形で果物やハチミツに多く含まれている。グルコースと結合してスクロース(ショ糖)となる。糖類の中ではもっとも甘く、グルコースの約2.5倍の甘味がある。
フルクトースは血糖指数(グルコースを100とした時の血糖上昇度)が20%と非常に低いため、血糖値を急速に上昇させず、インスリン分泌を刺激しないのが特徴である。そのため糖尿病患者の病人食に使用されている。またグルコースに比べて、肝臓や筋肉中でグリコーゲンへ変化する率が高いため、運動前に摂取するとスタミナが長続きする。このほか、血中アルコールの分解を促進する働きがあり、二日酔いにハチミツがよいとされる理由の一つになっている。
フルクトースは小腸で吸収され、肝臓で酵素の作用によりグルコースに変わるが、その過程で生成するグリセロアルデヒドという物質は中性脂肪の合成にも利用される。このためフルクトースは、グルコースに比べて体内で脂肪に変わりやすいという性質がある。
フルクトースは果物や砂糖などから摂取されるが、加工食品ではベビーフードや栄養補助食品、ドリンク剤、ダイエット食品、スポーツドリンク、和・洋菓子(ゼリー・ケーキ類、餡)などにも使われている。
月曜日, 3月 31, 2008
グルコース
〇グルコース
ブドウ糖ともいう。自然界に最も多く存在する単糖(六炭糖)で、ブドウやバナナ、アンズなどの果実やハチミツに遊離の形で含まれるほか、少糖類(スクロース、マルトース)や多糖類(デンプン、グリコーゲン)の構成糖として存在している。水に溶けやすく、甘みはスクロース(ショ糖)の約70%である。
動物は、植物に含まれるデンプンを摂取して体内でグルコースに変え、エネルギー源として利用している。肝臓に吸収されたグルコースの一部は血液に供給される。血液中に含まれるグルコースを血糖といい、その血中濃度(血糖値)は空腹時で70~110mg/dlであるが、食後は120~140mg/dlにまで上昇する。しかし、グルコースが生体内の各組織に取り込まれてエネルギー源として利用されることによって、血糖値は徐々に低下していき、食後約3時間で正常濃度に戻る。
グルコースはまた、肝臓でグリコーゲン(貯蔵多糖)に合成・貯蔵されており、なんらかの理由で血液中のグルコース濃度が低下した時などは、分解してグルコースとなり血液中に供給される。グルコースはこのほか、脂肪酸やアミノ酸の合成にも関与している。
ブドウ糖ともいう。自然界に最も多く存在する単糖(六炭糖)で、ブドウやバナナ、アンズなどの果実やハチミツに遊離の形で含まれるほか、少糖類(スクロース、マルトース)や多糖類(デンプン、グリコーゲン)の構成糖として存在している。水に溶けやすく、甘みはスクロース(ショ糖)の約70%である。
動物は、植物に含まれるデンプンを摂取して体内でグルコースに変え、エネルギー源として利用している。肝臓に吸収されたグルコースの一部は血液に供給される。血液中に含まれるグルコースを血糖といい、その血中濃度(血糖値)は空腹時で70~110mg/dlであるが、食後は120~140mg/dlにまで上昇する。しかし、グルコースが生体内の各組織に取り込まれてエネルギー源として利用されることによって、血糖値は徐々に低下していき、食後約3時間で正常濃度に戻る。
グルコースはまた、肝臓でグリコーゲン(貯蔵多糖)に合成・貯蔵されており、なんらかの理由で血液中のグルコース濃度が低下した時などは、分解してグルコースとなり血液中に供給される。グルコースはこのほか、脂肪酸やアミノ酸の合成にも関与している。
土曜日, 3月 29, 2008
単糖類
〇単糖類
糖質の中で、分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖を単糖という。含まれる炭素の数から三炭糖・、四炭糖・五炭糖・六炭糖に分けられるが、天然に広く存在するのは五炭糖と六炭糖である。この内、ヒトの栄養と重要な関係があるのは六炭糖で、食品の中に遊離の状態で含まれるほか、少糖類や多糖類の構造糖として広く存在している。グルコース(ブドウ糖)、アルクトース(果糖)、ガラクトース、マンノースなどがある。五炭糖は食品中に遊離の状態で含まれることはなく、各種多糖の構成糖として存在している。リボース、キシロース、アラビノースなどがあるが、ヒトのエネルギー源として利用されることはほとんどない。
単糖類にはこのほか、誘導体として糖アルコール(ソルビトール、マンニトールなど)やアミノ酸(グルコサミン、ガラクトサミン)がある。
糖質の中で、分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖を単糖という。含まれる炭素の数から三炭糖・、四炭糖・五炭糖・六炭糖に分けられるが、天然に広く存在するのは五炭糖と六炭糖である。この内、ヒトの栄養と重要な関係があるのは六炭糖で、食品の中に遊離の状態で含まれるほか、少糖類や多糖類の構造糖として広く存在している。グルコース(ブドウ糖)、アルクトース(果糖)、ガラクトース、マンノースなどがある。五炭糖は食品中に遊離の状態で含まれることはなく、各種多糖の構成糖として存在している。リボース、キシロース、アラビノースなどがあるが、ヒトのエネルギー源として利用されることはほとんどない。
単糖類にはこのほか、誘導体として糖アルコール(ソルビトール、マンニトールなど)やアミノ酸(グルコサミン、ガラクトサミン)がある。
金曜日, 3月 28, 2008
ふくろたけ(袋茸)
〇ふくろたけ(袋茸)
テングタケ科のキノコで、学名はVoluariella volvacea。秋に有機物の多い地上に発生する。初期の傘は卵型であるが、生育するに従って中高に開いて直径5~10cmほどになる。繊維状近視で覆われており、中央部は灰褐色、周辺部は白くなる。肉は白く乾燥質。ひだは密生して紅色を帯びる。太さ1cm止まりの白い柄は高さ10cm内外になる。東南アジアや中国、台湾で盛んに栽培されており、成長初期の卵型をしたものは中華料理によく使われている。欧米でもストロー・マッシュルームと呼ばれ、ポピュラーなキノコである。
フクロタケに含まれるβ-1.3-D-グルカンに強い抗腫瘍活性があることが報告されている。マウスにガンの一種である肉腫を移植した上で、ふくろたけの冷アルカリ抽出グルカンを注射で、腹腔内投与し、5週間後に固形腫瘍の大きさを調べた結果、増殖抑制率が73~97%という高い値を示したという。
テングタケ科のキノコで、学名はVoluariella volvacea。秋に有機物の多い地上に発生する。初期の傘は卵型であるが、生育するに従って中高に開いて直径5~10cmほどになる。繊維状近視で覆われており、中央部は灰褐色、周辺部は白くなる。肉は白く乾燥質。ひだは密生して紅色を帯びる。太さ1cm止まりの白い柄は高さ10cm内外になる。東南アジアや中国、台湾で盛んに栽培されており、成長初期の卵型をしたものは中華料理によく使われている。欧米でもストロー・マッシュルームと呼ばれ、ポピュラーなキノコである。
フクロタケに含まれるβ-1.3-D-グルカンに強い抗腫瘍活性があることが報告されている。マウスにガンの一種である肉腫を移植した上で、ふくろたけの冷アルカリ抽出グルカンを注射で、腹腔内投与し、5週間後に固形腫瘍の大きさを調べた結果、増殖抑制率が73~97%という高い値を示したという。
木曜日, 3月 20, 2008
せみたけ(蝉茸)
〇せみたけ(蝉茸)
バッカクキン科のキノコで、学名はCordyceps sobolifera。中国では蝉花、蝉踊草などと呼ばれる。セミタケは地中にいるセミ(蝉)の幼虫に寄生してその体内に菌核を形成し、やがてセミを死なせてその頭部に発生する。薬用となる中国産のセミタケは冬虫夏草の一種で、ヤマセミ(山蝉)に寄生したものである。その円柱形の柄と紡錘形の頭部を丸ごと採集して乾燥させたものが薬用に供され、特に金蝉花とも呼ばれている。セミタケそのものは日本でも春から夏にかけて、庭園や山林中によく発生する。
セミタケには、抗腫瘍活性を示すβ-1.3-D-グルカン、細膜内皮系組織のマクロファージ亢進作用や血糖値降下作用のあるガラクトマンナンなどの多糖が含まれている。古来中国では、子実体と虫体を一緒に乾燥したものが薬用とされ、証類本草(唐慎微、1108年)には小児の驚癇、夜泣き、心悸亢進」などに効くと記されている。さらに鎮静・鎮痛・鎮痙薬として、また眼病、麻疹、発熱、炎症性疾患にも良いとされてきた。子実体だけでも滋養強壮効果があるとして、食用に珍品として供されてもいる。
バッカクキン科のキノコで、学名はCordyceps sobolifera。中国では蝉花、蝉踊草などと呼ばれる。セミタケは地中にいるセミ(蝉)の幼虫に寄生してその体内に菌核を形成し、やがてセミを死なせてその頭部に発生する。薬用となる中国産のセミタケは冬虫夏草の一種で、ヤマセミ(山蝉)に寄生したものである。その円柱形の柄と紡錘形の頭部を丸ごと採集して乾燥させたものが薬用に供され、特に金蝉花とも呼ばれている。セミタケそのものは日本でも春から夏にかけて、庭園や山林中によく発生する。
セミタケには、抗腫瘍活性を示すβ-1.3-D-グルカン、細膜内皮系組織のマクロファージ亢進作用や血糖値降下作用のあるガラクトマンナンなどの多糖が含まれている。古来中国では、子実体と虫体を一緒に乾燥したものが薬用とされ、証類本草(唐慎微、1108年)には小児の驚癇、夜泣き、心悸亢進」などに効くと記されている。さらに鎮静・鎮痛・鎮痙薬として、また眼病、麻疹、発熱、炎症性疾患にも良いとされてきた。子実体だけでも滋養強壮効果があるとして、食用に珍品として供されてもいる。
水曜日, 3月 19, 2008
こふきさるのこしかけ
〇こふきさるのこしかけ(粉吹き猿の腰掛)
サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はGanoderma applanatum。中国名は樹舌、龍眼菰、梅寄生など。広葉樹のケヤキ、梅、桜、シイ、カシ、栗、キク(椈)、ミズナラなどの枯れ木や倒木に発生する。幹にまさかりを打ち込んだように扁平な半円形ないし丸山形の外観で着生し、大きなものは直径30cm以上、厚さ20cmにも達する。傘の表面は灰白色か灰褐色で年輪状の紋が入り、傘裏(管孔面)は白色または黄色を呈する傘表面にココア色の粉末(胞子)がつくので「コフキ」の名がある。肉は茶色のコルク質で固く、もっぱら薬用となる。
コフキサルノコシカケはグルコースを主体とする多糖体の含有量の多さ(約74%)が特徴で、その子実体に含まれるβ-グルカンは抗ガン剤のクレスチン、レンチナン、シゾフィランと比較しても劣らない抗腫瘍活性を示す。また培養菌糸体に含まれる多糖類の中では、βー1.3-グルカンだけが顕著な抗腫瘍活性を示している。漢方では止血・健胃・中風・心臓病・腎臓病・脳卒中・胃ガンに効能があるとされている。
サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はGanoderma applanatum。中国名は樹舌、龍眼菰、梅寄生など。広葉樹のケヤキ、梅、桜、シイ、カシ、栗、キク(椈)、ミズナラなどの枯れ木や倒木に発生する。幹にまさかりを打ち込んだように扁平な半円形ないし丸山形の外観で着生し、大きなものは直径30cm以上、厚さ20cmにも達する。傘の表面は灰白色か灰褐色で年輪状の紋が入り、傘裏(管孔面)は白色または黄色を呈する傘表面にココア色の粉末(胞子)がつくので「コフキ」の名がある。肉は茶色のコルク質で固く、もっぱら薬用となる。
コフキサルノコシカケはグルコースを主体とする多糖体の含有量の多さ(約74%)が特徴で、その子実体に含まれるβ-グルカンは抗ガン剤のクレスチン、レンチナン、シゾフィランと比較しても劣らない抗腫瘍活性を示す。また培養菌糸体に含まれる多糖類の中では、βー1.3-グルカンだけが顕著な抗腫瘍活性を示している。漢方では止血・健胃・中風・心臓病・腎臓病・脳卒中・胃ガンに効能があるとされている。
火曜日, 3月 18, 2008
ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)
〇ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)
サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPolyporus umbellatus。中国名は野猪糞。傘が丸く、中心部の下に隠れているゴツゴツした菌核が猪の糞に見えるところから、この名がついた。ブナやカエデの枯れた根に菌核を形成する。外面は黒褐色で不整魂。長さは5~10cmで多数のくぼみと荒いシワがある。肉は固く折れやすい。内部は白色から淡褐色で無味無臭。国内では北海道と長野県でわずかに産するが、ほとんどは中国から輸入されている。
チョレイマイタケの菌核の乾燥したものを猪苓と呼び、古くから生薬として利用されている。猪苓の成分はエルゴステロール、有機酸、β-グルカン、ビオチンなどだが、漢方薬として利尿・解熱・止瀉作用に優れた薬効を持つことが知られている。猪苓を用いた漢方処方としては猪苓湯・五苓散が代表的なもので、主に膀胱炎・尿道炎・淋病・腎臓病などに用いられている。最近ではまた、制ガン効果が脚光を浴びている。発表された動物実験によると、腹水ガンマウスに対して体重1kg当たり1日100mgの猪苓抽出液を投与したところ、抽出エキスを投与しなかったグループは35日目に10匹全部が死亡したのに対し、投与したグループは10匹中1匹しか死亡せず、ガン組織は完全に消失していたという。ヒト血清において強い補体活性能(補体は血漿中に含まれるグロブリン系タンパク質で、抗原抗体反応を促進させる働きがある)を示すとする研究も多い。
サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPolyporus umbellatus。中国名は野猪糞。傘が丸く、中心部の下に隠れているゴツゴツした菌核が猪の糞に見えるところから、この名がついた。ブナやカエデの枯れた根に菌核を形成する。外面は黒褐色で不整魂。長さは5~10cmで多数のくぼみと荒いシワがある。肉は固く折れやすい。内部は白色から淡褐色で無味無臭。国内では北海道と長野県でわずかに産するが、ほとんどは中国から輸入されている。
チョレイマイタケの菌核の乾燥したものを猪苓と呼び、古くから生薬として利用されている。猪苓の成分はエルゴステロール、有機酸、β-グルカン、ビオチンなどだが、漢方薬として利尿・解熱・止瀉作用に優れた薬効を持つことが知られている。猪苓を用いた漢方処方としては猪苓湯・五苓散が代表的なもので、主に膀胱炎・尿道炎・淋病・腎臓病などに用いられている。最近ではまた、制ガン効果が脚光を浴びている。発表された動物実験によると、腹水ガンマウスに対して体重1kg当たり1日100mgの猪苓抽出液を投与したところ、抽出エキスを投与しなかったグループは35日目に10匹全部が死亡したのに対し、投与したグループは10匹中1匹しか死亡せず、ガン組織は完全に消失していたという。ヒト血清において強い補体活性能(補体は血漿中に含まれるグロブリン系タンパク質で、抗原抗体反応を促進させる働きがある)を示すとする研究も多い。
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