○玄参(げんじん)
中国の江蘇・安徽・浙江省などに分布するゴマノハグサ科の多年草ゲンジン(Scrophularia ningpoensis)の根を用いる。日本や中国北方地区では近縁植物のゴマノハグサ(S.buergeriana)の根を用いることもある。ゴマノハグサとは葉の形がゴマの葉に似ていることに由来し、玄参とは黒い人参という意味である。
ゲンジンの根にはハルパガイド、スタキオースなどが含まれ、降圧作用や解熱・抗菌作用などが報告されている。漢方では滋陰・清熱・除煩・解毒の効能があり、熱病による口渇や煩躁、発斑、結核などによる発熱、瘰癧(頸部リンパ腺腫)、咽頭腫痛、不眠症、自汗、盗汗、鼻血、吐血、便秘、腫れ物などに用いる。
漢方理論では滋陰・降火の代表的な薬物であり、熱病(実熱)にみられる脱水症状や陰虚による熱症状(虚熱)のいずれにも用いることができる。また陰虚による咽頭や口舌部の疼痛に玄参は重要である。咽頭痛には煎液でうがいする方法もある。また生の根をつき砕いたものを腫れ物などに外用する。
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