○ガラナ
アマゾン川流域を原産とするムクロジ科のつる性植物ガラナ(Paullinia cupana)の種子を用いる。ブラジルでは果実を採取したあと積み上げて発酵させ、種子を取り出す。種子は径約1cmの褐色の球形で、表面に光沢がある。この種子を砕いて粉にし、キャッサバ(タピオカデンプン)とともに水で練って直径3cm、長さ15cmくらいの棒状にする。これを薫煙乾燥すると黒褐色の硬いガラナエキス(通称:ガラナ)ができる。
ガラナエキスにはカフェイン、タンニン、サポニン、油脂などが含まれ、カフエインの含量はコーヒーの約3倍である。水性エキスはガラナ茶と呼ばれる。現地ではガラナエキスをチョウザメの舌などで削り、熱湯に溶かして服用する。興奮嗜好性飲料として強壮・催淫の効果があるとして有名である。
ブラジルなどの熱帯アメリカでは清涼飲料として広く飲まれている。日本には大正時代に製品が伝えられたが、1950年代になってガラナ飲料の普及が始まり、現在でも北海道地区では清涼飲料に利用されている。また、ガラナエキスは強精・強壮剤としていわれる家庭薬やドリンク剤にしばしば配合されている。ただし、子供、妊娠中、授乳中の女性、高血圧や心臓病などを有する場合には注意が必要である。
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