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火曜日, 7月 31, 2007

マカ(改訂版)

○マカ

 マカはアブラナ科の多年草で、ペルー山中4000m級の高地で栽培されており、同じ科のカブ(蕪)と同様の膨らんだ根は辛さと甘さを抱き合わせた風味があり、焼く・蒸す・煮込むなどして食用にされる。収穫後1ヶ月前後自然乾燥させたものは牛乳などで煮てポリッジにする。また、発酵飲料マカーチャの原料にもなる。かつて征服者のスペイン人が馬や羊の繁殖に行き詰ったとき、原住民の忠告に従って餌にマカを与えたところ、眼を瞠る結果を得たところからペルーの薬用人参と呼ぶようになったとも伝えられる。

 マカは数千年前から栽培されており、滋養食材として重宝されてきた。一時絶滅の危機にも直面したが、1980年代に入って国民の健康維持にとって有益な食用および薬用の植物であることが再認識され、ペルー政府の肝入りで増産が奨励されてきた。

 乾燥マカは米やトウモロコシ、小麦に勝る栄養成分を含み、アルギニンやリジンをはじめとする必須アミノ酸も豊富である。鉄とカルシウムの含有量はジャガイモを上回り、不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレン酸も含有している。さらにはカリウム、リン、亜鉛、銅、マンガンなどの微量ミネラル類も多く含まれており、まさに栄養の缶詰といっても過言ではあるまい。

 現在一般に認められている機能としては、①活力増強、集中力・記憶力の向上、ストレス・疲労の軽減性生活の円滑化、②更年期障害の改善、月経不順の正常化、精子・卵子の増殖など不妊症の解消を含む生殖能力の促進効果、③免疫賦活作用・抗酸化作用・抗ガン作用、などがあるとされているが、これらは特定成分の直接的効果ではなく、数種類のアルカロイド、ステロイド、テルペノイド、サポニン、タンニン、アントシアニン、イソチオサイアネート、グルコシノレートなどが下垂体を刺激する結果、内分泌腺の活動が活性化されるためと考えられている。

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日曜日, 7月 29, 2007

海洋深層水

○海洋深層水

 地表表面の2/3、全地球上の水の97%を占める海洋の内、海流を形成して激しく動くのは表層部だけで、平均深度3800mにも達する深層部の海水は約2000年もかかって大西洋→南極海→インド洋→太平洋を一巡すると考えられている。海面から蒸発した水は雨となった地表に降り注ぎ岩石を侵食し、溶け出したミネラルを海へと運ぶ。こうして年齢46億年とされる全期間を通じて、海洋には膨大なミネラルが供給されてきた。

 河川水や海洋生物に起因する有機物も海の中では表層部でどんどん分解されて清浄な元素へと還元されてしまうことも、ほとんど手つかずであった深海開発の進歩につれて近年明らかにされてきた。こうして水深500~600mからくみ出されるのが海洋深層水である。汲み上げて塩化ナトリウム(食塩)をイオン交換膜法などによって除去すると、カルシウム、マグネシウム、カリウムを筆頭に微量ミネラルを多彩に含んだ深層水が得られる。海水は人体の血液とミネラル組成が近似していることから非常にバランスのよい総合的なミネラル補給が期待されており、また、外用でアトピー性皮膚炎に好結果が得られたとの報告もある。採水は沖縄、高知、和歌山、富山の各県で盛んであるが、最近は全国各地で含有ミネラルに特徴を持たせた深層水も製品化されている。

金曜日, 7月 27, 2007

ヒマラヤ人参

○ヒマラヤ人参

 エベレスト山脈の標高3500m付近に自生するヒマラヤ人参は、根茎が数珠状に連なる「珠子参」に属する山人参の一種である。自生している場所の標高差や風向き、日当たりなどによって形がバラバラであるが、その薬効には顕著な差はないといわれている。韓国で山参と呼ばれている山人参の一種は、比較的高地に自生し、細いヒゲのような長い根を持っており、ヒマラヤ人参の数珠状の根とは異なるが、薬用としての効能や適応症が非常に類似している。例えば特長のひとつとして造血作用が強く、女性の生理不順や貧血を改善し、また循環器系の疾患に対して薬効を見せるのもヒマラヤ人参と同様である。摂取後、体温が上昇して体が温まるのも共通している。

 これまでに確認されているヒマラヤ人参と山参に共通する効能は、糖尿病、胃腸病、肝疾患、高血圧、ガン、婦人病、リューマチなどの疾患に対する有効性である。このほか止血や鎮痛、解熱、去痰の効果の認められている。これらの効能を発揮する基本物質はサポニンによるものと考えられている。韓国の人参研究の第一人者である楊祟仁はヒマラヤ人参について、2000m前後の標高地で採取したものはサポニンの含有量が低く、3000m前後の高地に自生している人参は高麗人参に匹敵するものであると報告している。また、田中治(広島大学)はネパール西部地域の野生人参のサポニン総含有量を確認している。

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木曜日, 7月 26, 2007

カルシウムイオン水

○カルシウムイオン水

 カルシウムイオン水は、村越小五郎(東京大学電気工学部)が解明した「半透膜装置によって作られるイオン化カルシウムは体液中のものと同じ状態にあり、体に利用されやすい」という原理に基づいて開発された健康水である。

 村越はこの電解カルシウムイオン水を自ら飲用し、既に白くなっていた頭髪や口ひげが黒くなり、高血圧や神経痛も全快するという体験によって老化防止に役立つことを明らかにした。

 研究を引き継いだ村越康一(千葉大学医学部)は胃炎や神経痛の76例中70例が臨床的に全快または軽快したと報告、昭和医科大学では肺結核や口腔ガンに対して、日本大学(笹子ら)ではマウスのエールリッヒ腹水ガンを抑制したと報告している。ウサギへの投与で血清カルシウムイオンが増加しマグネシウムが減少するというビタミンK様作用も確認されている。現在のところ作用機序はほとんど未解明で、遊離イオン化によりカルシウムの生理活性が高まり、細胞の浸透圧が減少して細胞内物質が交換されるのではないかと考えられている。

水曜日, 7月 25, 2007

FFC水

○FFC水

 FFCは(フェロス・フェリック・クロライド)の略で、「二価三価鉄の二量体鉄塩」を意味する。近年、ある種の水に常識では考えられなかった高い生理活性が見出されるようになり、水の物理的、化学的性質を解く研究が盛んに行われるようになった。その結果、例えば水の分子集団の大きさで生命活動に与える機能性が大きく異なることなどがわかってきているが、こうした機能性を決定する大きな要素として鉄の関与がある。

 植物は水や炭酸ガス、窒素やミネラル類という無機物を摂取して、それを光合成によって有機物に変える営みをしている。このとき、光合成を司る物質となるのが葉緑素であるが、葉緑素にはマグネシウムのほか、微量の鉄(Fe)が存在している。同じことが動物にも見られ、血液の重要な成分であるヘモグロビンが休みなく行っているガス交換も鉄によって支えられている。原始の海の中で植物が生育し始めた今から22、23億年前の海水には圧倒的に多くの鉄(二価鉄と三価鉄)が溶けていたが、やがて植物の発生する酸素で酸化して沈殿してしまった。その結果、現在の海水には微量の三価鉄が溶解するに過ぎない。もし還元性で且つ水溶性の鉄を新たに得ることができれば、生命を育んだ巧妙な生理システムを手中にできる。これがFFC水を生み出す着眼点であった。

 製品供給が実現した現在、濃度が濃すぎるとよい結果が得られないこと、二価鉄と三価鉄の割合を変えることによって様々に機能を変化させれることも実験的にわかっており、FFC水によって①植物が強靭な成長力を持つこと、②農作物の品質向上の増収がはかられること、③害虫の食害を受けにくいこと、④食物が腐敗しにくくなること、⑤家畜や養殖魚が病気にかからず成長が早いこと、⑥池や用水の水が浄化されること、などの事例が報告されている。機能性健康飲料としても盛んに用いられており、慢性疾患や体質の改善に有効であったとする事例をはじめ、火傷や捻挫に外用するだけでも軽快したといった報告もある。

火曜日, 7月 24, 2007

フィーバーフュー(シロナツギク)

○フィーバーフュー(シロナツギク)

 学名Tanacetum parthenium。キク科のナツシロギクのこと。偏頭痛の発作の回数を減らしたり、痛みを軽くするとされ、欧米で注目されている。1日量は、エキスで100mg。効果が現れるまでには、平均3ヶ月かかるので、発作時の鎮痛用には適さない。消炎、発汗などの作用もある。花の部分をサラダやハーブティーとにして食用にしたり、アロマ剤や入浴剤として用いる。なお、妊娠及び授乳期間中は使用しない方がよい。

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月曜日, 7月 23, 2007

シミシフーガ(ブラックコホシュ)

○シミシフーガ(ブラックコホシュ)

 ブラックコホシュともいう。北アメリカ西部が原産のキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草で、学名はCimicifuga racemosa。北米先住民の間では、その根茎を痛み止めや更年期障害の治療に利用してきた。ヨーロッパで行われた臨床試験では、更年期症状が改善したという報告が得られており、欧米ではサプリメントとして製造・販売されている。

 アサヒビールと指田豊(東京薬科大学薬学部)らとの共同研究で、シミシフーガに抗ストレス作用があることがマウスによる経口摂取実験で確認され、その機能成分がアクテイン(トリテルペン配糖体)であることが明らかにされている(2003年)。ハーブの中でバレリアンやパッションフラワー、スカルプキャップと相性がよく、同時に服用することでリラックス効果がさらに高まるという。

 なお、シミシフーガの過剰摂取によって頭痛・めまい・吐き気・嘔吐などの起きることが報告されている。海外ではブラックコホシュと関連が疑われる肝障害の事例が報告されている(03、04年)。ただし、その関連性については現段階では明確になっていないが、妊娠中の摂取は避けるべきであるとされている。

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土曜日, 7月 21, 2007

レモンバーム

○レモンバーム

 メリッサともいう。シソ科セイヨウヤマハッカ属の多年草で、学名はMelissa offcinalis。原産地は地中海沿岸や中央アジア。和名はセイヨウヤマハッカ。レモンに似た爽やかに香りをもち、ハーブティーによく使われる。生の葉や乾燥したものは、伝統的に鼓腸(腸内にガスが溜まる状態)や疝痛、頭痛、感冒の治療や発汗剤に用いられてきた。

 最近の研究では中枢神経系に対して鎮痛作用のあることがわかってきた。レモンバームとカノコソウを組み合わせて摂取すると、睡眠の質と長さが改善したという報告がある。さらに、アルツハイマー病による興奮状態の改善にも有効であるとされている。また最近では花粉症対策ハーブとしても人気を呼んでいる。レモンバームに含まれるロズマリン酸(ポリフェノールの一種)が、アレルギー症状を引き起こす酵素ヒアルロニダーゼを強力に阻害することが確認されている。

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金曜日, 7月 20, 2007

納豆菌

○納豆菌

 糸引き納豆を作るときに発酵のために加える菌で、古くはイネ藁(納豆を包む藁苞)に付着した粘葉菌のバシラス・サブティラスで自然発酵して作られていたが、現在は純粋培養したバシラス・サブティラスの変種が使われている。

 納豆菌は、大豆のタンパク質を分解し、粘質物(ネバネバ成分)を形成する。粘質物には血栓溶解酵素として知られるナットウキナーゼが含まれるが、これは発酵によって納豆菌が作り出すものである。また、骨を丈夫にするビタミンK2も豊富だが、これも納豆菌によって合成させれている。納豆菌を利用した健康食品については(財)日本健康栄養食品協会による「ナットウ菌培養エキス食品規格基準」があり、ナットウキナーゼの摂取目安量などが規格化されている。

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木曜日, 7月 19, 2007

ごま(胡麻)(改訂版)

○ごま(胡麻)

 ゴマ科の一年生草木で、アフリカのサバンナ地帯が原産地。果実の中に多数できる種子を食用とする。胡麻の色は白・黒・茶・金・緑があるが、主に使われるのは白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの3種である。白ゴマは脂質の含有量が多く(約55%)、胡麻油の原料に使われている。黒ゴマは独特の香気があり、ゴマ和えやゴマ塩などに用いられる。金ゴマは特に香気が強く、会席料理などに用いられている。

 ゴマの成分で最近注目されているのは、ガンや老化の防止に効果があるとされる抗酸化物質の存在である。不飽和脂肪酸を多く含む油は空気中で酸化しやすく、過酸化物質という有害物質に変化するが、ゴマ油ではこのような変化が起きにくいことはよく知られている。これはゴマ油に含まれるビタミンEやリグナンなどが抗酸化物質として働いているからだと考えられている。ゴマに含まれるのリグナンはゴマリグナンといい、セサミンやセサミノールなどの物質が知られている。また、黒ゴマの果皮に含まれるアントシアニンにも抗酸化作用が認められている。ゴマはタンパク質の含有量も多い(約20%)。必須アミノ酸のトリプトファンとメチオニンが多く含まれており、催眠や精神安定、抗うつ症状の改善に効果がある。このほかビタミンB群も多い。

○セサミン強化ごま

 多彩な抗酸化物質を多く含み、ビタミンやミネラル類も豊富なゴマであるが、さらにその健康効果を高めようと品種改良の研究も行なわれてきた。2001年には血中の中性脂肪を減らす効果の高い新品種のゴマが農水省農業研究センターで開発されている。

 新品種は、セサミンの含有量は多いが収穫量が少ない中国産のゴマと、収穫量の多い国内品種を交配して作ったもので、セサミン含有量が1gあたり約10mgと、中国産よりも5%程度多い。同センターが行なったラットを使った実験では、脂肪酸を分解する肝臓の働きが普通のゴマの2~3倍に高まり血中の中性脂肪が減ったという。同センターでは食品企業などと提携して生活習慣病の予防に役立つゴマの製品化にも取り組んでいる。

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火曜日, 7月 17, 2007

ブルーベリー

○ブルーベリー

 ブルーベリーはツツジ科の常緑低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯である。寄り集まって実る濃青色の小粒の果実は、古くから生食のほかジャムやゼリーなどに用いられてきた。また、ヨーロッパでは葉は実のエキスが壊血病・泌尿器病・糖尿病などの民間薬として利用されていたこともある。

 第2次大戦中にイギリス空軍のパイロットが、ブルーベリーのジャムを大量に摂り続けると周囲が薄暗くなってもよく見えることに気づいたことから生理機能についての研究が始まり、その後、イタリア、フランス、アメリカも参画して研究が進み、各国で医薬品として認められるに至ったが、これに用いられる品種は一般食品用とは異なり、有効成分の多いホワートルベリーという野生種である。

 視覚は、外から入ってきた光の刺激で網膜にあるロドプシン(視紅)というタンパク質複合体が分解・再合成を繰り返す連続作用で生ずる。このロドプシンに活性を与え、分解と再合成を促進させれば視覚機能が高まるわけだが、ブルーベリー含まれる色素成分のアントシアニン(配糖体)にその働きがあることが見出されたのは1964年のことである。これに続いて、アントシアニンの暗視野における視力の改善、視野拡大、夜盲症患者の光感受性の改善、抗潰瘍性、抗炎症作用などについての動物実験や臨床試験の成果が発表され、その有効性が明らかにされていった。こうした成果を元に、ブルーベリー製品は1976年にイタリアで始めて眼科、血管障害用の医科向け医薬品として承認され、それ以後フランス、スペイン、韓国、アメリカ、最近はニュージーランドでも医薬品に加えられている。

 わが国では農林水産省の食品総合研究所食品機能でその食効を認めているが、ブルーベリーエキスへの期待が一段と高まってきた背景には、若年層のTVゲーム熱や学習時間の拡大などから近視や仮性近視が増える一方、職場ではパソコンの普及などもあって目のストレスや疲労を訴えるケースが激増していることなどが考えられよう。わが国の最近の研究では、大坂外語大学保健管理センターの梶本修身が、眼精疲労を訴える患者にブルーベリーエキスを1日量62.5mg使用したところ、目の疲れや痛みなどの軽減などに有効であった(1997年)、1日のアントシアニン量として37.5mgを進学塾に通う小学生に8週間投与したところ、視力回復効果、目の疲労感の自覚症状の改善に有効であった(2000年)などの試験結果を発表して大きな話題となった。ブルーベリーの健康食品としてエキス飲料やタブレットなどが市販されている。

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月曜日, 7月 16, 2007

樟芝(ベニクスノキタケ)

○樟芝(ベニクスノキタケ)

 樟子はクスノキ科の牛樟という樹木の空洞部に寄生するキノコで、学名はAntrodia camphorata。世界で台湾だけに生息しており、日本ではベニクスノキタケと呼ばれている。快い香りと辛苦い味をもつ樟芝は、地元台湾では古くから薬用キノコとして使われており、多くの効用が知られている。

 邱年永(中国医薬学院)によると、樟芝は循環系統の活性化、血液循環の促進、体を温め消化を助ける、解毒・むくみの解消、鎮静・抗菌・抗毒作用、抗腫瘍作用効果などがあり、肝硬変・肝ガン・リューマチ・胃痛・下痢・嘔吐・食中毒・糖尿病・尿毒症・インフルエンザのほか、船酔いなど乗り物酔いの治療にも用いられている。

 樟芝は特異的な生長と生息条件から、天然物を採集できるのは稀である。近年、樟芝が寄生する台湾特有のクスノキ(牛樟樹)が天然記念物とされ伐採禁止になったことから、天然物を入手することがさらに困難となり、台湾でも貴重な存在として森の中の赤いダイヤモンド、台湾の至宝などとも呼ばれている。子実体の人工栽培も長年試みられていたが、樟芝本来の成分が含まれず、栽培による大量生産は難しいとされてきた。しかし、2002年に台湾の偉翔生枝開発股份有限公司(ウェルシャイン・バイオテクノロジー・ディベロップメント社)が子実体の人工栽培に成功、樟芝の特異的な成分であるトリテルペノイドの含有量も野生の樟芝と遜色がないことが確認され、大きな注目を集めた、台湾ではまた、大手製薬会社(葡萄王生枝)が樟芝の菌糸体培養に着目し、生産技術の確立に成功している。いずれも健康食品素材として製品化されている。

 これまでの薬理研究で、樟芝からは各種有効成分が見つかっている。免疫賦活作用に効果があるとされるβ-グルカンをはじめとする各種多糖類のほか、苦味成分のトリテルペン類、γ-アミノ酪酸、環状ジペプチドのダイケトピペラジン、睡眠作用があるとされるアルカマイデス、血管新生を抑えてガン細胞のアポトーシスを誘導させる働きがあるエルゴステロールなど、さまざまな物質である。

 台湾では数多くの大学や研究機関で樟芝の健康機能研究、及び安全性試験が行なわれており、研究発表も多いが、最近では日本の大学などでも研究が開始された。遺伝子栄養学研究所の松永政司らの研究によると、樟芝には肝臓疾患を改善する働きがあることが明らかにされている。その理由として、樟芝には多糖類だけでなくトリテルペン類が多く含まれており、この成分が肝炎や肝硬変の改善に有効だとしている。また、肝ガン細胞を使った試験でも良好な結果が得られている。肝ガン細胞(H22)を移植したマウスに樟芝菌糸体を経口投与したところ、NK細胞を含む免疫能が上昇し、ガン細胞の増殖が抑制された。また、人の悪性リンパ腫細胞であるU937株の培養液に樟芝菌糸体を加えて生細胞数を観察した結果、U937細胞の増殖が抑えられることも確認している。

 富山医科薬科大学の服部征雄も、樟芝が劇症肝炎の治療に効果のあることを報告している。実験では劇症肝炎を発症させたマウスに樟芝菌糸体エキスを投与し、18時間後の生存率を調べた。投与しなかったマウスの生存率が30%だったのに対し、体重1kg当たり50mgを投与したマウスでは40%、200mgでは60%に上昇し、樟芝が劇症肝炎に効果のあることが確認されたという。また、樟芝の成分分析では肝臓保護作用とともにガン細胞の増殖を抑えるコハク酸関連化合物とマレイン酸関連化合物が見つかっており、ガン治療にも有効であるとしている。

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日曜日, 7月 15, 2007

花粉(改訂版)

○花粉

 ポーレンとも言う。ミツバチが集めた花粉を原料にしてつくるミツバチ花粉(ビー・ポーレン)と、花粉を水やエタノールで抽出・濃縮してつくる花粉エキスがある。

 ミツバチ花粉は、ミツバチが花蜜と一緒に集めた花粉に体内の酵素が加わったもので、働き蜂はこれを食べることでローヤルゼリーを分泌することができる。組成は糖類が約40%、タンパク質が約35%(その内、半分か吸収されやすい遊離アミノ酸)で、ほかにビタミンA、B1、B2、B6、C、E、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、さらにミネラルとしてはカリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、珪素などと豊富である。そのためヨーロッパではパーフェクトフーズ(完全な食品)とも呼ばれている。

 生物学者のニコライ・ティシティンが長寿で知られるコーサカスのグルジア族を調査し、100歳以上の大多数が養蜂家で、花粉の混ざったハチミツ原液(精製した残滓)を常食していることが明らかにされたことから、各国で効能の研究が行われるようになった。フランスの科学者レミー・ショーバンは早くも1957年に、①整腸作用(便秘や下痢の改善)、②血中ヘモグロビンの増加(貧血に有効)、③滋養と体力回復、④精神安定、⑤副作用なし、と臨床試験の結果を発表している。やがて多くの研究者によって、花粉食品には抗生物質的なものやホルモン様成分、成長促進物質などが含有されていることが明らかにされていったが、なかでもとりわけ目立つのは前立腺肥大に対する効果であった。

 1959年に始めて研究成果を明らかにしたのはスウェーデンのエリック・ウプマルク(ウプサラ大学)で、5年間に及ぶクロロマイセチン(抗生物質)の大量投与でも無効だった前立腺肥大の患者に花粉を投与し、奇跡的な回復をみたのである。62年には同国の医師ゴスタ・リンダーが前立腺の感染症にも顕著な効果があったと発表した。その後、ドイツやアメリカの医学会でも同様の成果が明らかにされるとともに、単に排尿困難、激痛、頻尿といった症状の改善にとどまらず、前立腺疾患が原因の性欲減退、インポテンツの改善効果が次々に報告された。スウェーデンでは早くから花粉が栄養剤・感冒剤・強壮剤として用いられてきたが、前立腺肥大の治療薬として花粉だけを使った薬剤も開発されて、これはわが国でも使われている。

 中国では陳恕仁(広州軍区軍医学校臨床研究室)らのグループが破砕処理した花粉(細胞壁を破砕して成分を浸出しやすくしたもの)を用いて、前立腺炎ないしそのための不妊症の患者423例を他の薬剤は一切使わずに治療した結果、27%が治癒(妊娠)、54%が肥大・炎症の快癒と自覚症状の消失、11%が好転、無効は僅か8%であったと報告し、「植物の精子に当たる花粉の成分が人間の精子の成分に転換されるのではないか」と述べている。こうした顕著な効果は花粉全体の作用であるが、特に含有成分のマグネシウムと亜鉛に着目した研究が欧米に多い。どちらも健全な前立腺や精液に比して、患者のそれは大幅に減少していることが明らかにされており、この欠乏が前立腺ガンの危険に結びつくことが指摘されている。

 花粉を原料にした健康食品はミツバチ花粉食品、花粉エキス末食品などがあり、(財)日本健康栄養食品協会の「花粉食品規格基準」(1991年9月公示、93年7月一部改正)では、ミツバチ花粉・ミツバチ花粉食品・ミツバチ花粉加工食品・花粉エキス末、花粉エキス末含有食品について定義されている。

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土曜日, 7月 14, 2007

アルカリイオン水

○アルカリイオン水

 アルカリイオン水は水を電気分解してマイナスに荷電させた水である。phは8~10に保たれている。体内で脂質や組織細胞を酸化させ、病変や機能障害、細胞の老化を招く原因と一つとして活性酸素があるが、その弊害を防ぐものにビタミンC・Eやβ-カロチンなどの抗酸化物質が知られている。このアルカリイオン水にも抗酸化機能(SOD様活性)が期待されている。

 活性酸素は体内分子から陰イオンを奪う形で相手を酸化させる。この時、他から陰イオンが供給されれば、その時点で中和されて過酸化機能を失うことになる。この働きをアルカリイオン水の持つ陰イオンにさせようというのである。陰極板と陽極板を設けた電解槽にフィルターを通した水を満たして直流電気を通すと、陰極にはマイナスに帯電した還元水(アルカリイオン水)、陽極にはプラスに帯電した酸化水が得られる。こうしてつくられたアルカリイオン水は単に保健飲料としてではなく、腸内異常発酵や胃潰瘍、老化防止などにも有効であるという研究報告もある。また、同時に得られる酸化水は細菌の生育を静止する働きや収斂作用があるため、化粧水に使われるほか、アトピー性皮膚炎や床ずれなどの手当てなどにも効用があるとされている。

木曜日, 7月 12, 2007

梅肉エキス(改訂版)

○梅肉エキス

 梅の薬用効果を強化させたのが梅肉エキスである。この原型は中国の烏梅(梅の実をいぶしながら乾燥させたもの)にあり、これを発展させたのが日本独特の梅肉エキスで、江戸時代の医療書「諸国古伝書秘方」には「青梅を沢山にすり、搾り汁を天日に乾かし、かきたて、ねりやくの如くになる時に、甘草五分の一を入れてねるなり」と、当時の製法が記され、その効用については、赤痢・腸チフスに該当する伝染病や食中毒・吐き下し・下痢・便秘・消化不良などが示されている。

 経験的にも学術的にも梅肉エキスの効果が再認識されてきた中で、農水省食品総合研究所(当時)と(財)梅研究所が行なった梅肉エキスの共同研究では、毛細血管と同じ孔径7ミクロンのフィルターを血液が通過する時間を測定した結果、梅肉エキスを加えると通過時間が半分(約30秒)に短縮されるという血流改善効果が報告されている(1999年)。また、その機能成分として新規物質も発見され、ムメフラールと命名された。ムメフラールは天然の梅の実には含まれておらず、梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で生成する物質であることが確認されている。

 梅肉エキスの効用をまとめると次のようになる。①細胞間質液をアルカリ性に保つ浄血作用があり、新陳代謝を活発にして諸器官を正常化する。②クエン酸の働きで疲労物質である乳酸の発生を抑え、体の活性化、老化防止に効果的である。③梅に多く含まれている有機酸のピクリン酸が肝機能を高める。④整腸作用に優れ、便秘や下痢に効く。梅に含まれているカテキンは腸の働きを活発にする作用があり、便秘、ニキビや肌荒れにも効果的である。

 梅肉エキスを使った健康食品は数多くあり、錠剤、粒、顆粒、ペースト、ドリンクなどさまざまなタイプのものが市販されている。(財)日本健康栄養食品協会による「梅エキス食品規格基準」(1989年2月公示、93年7月一部改正)がある。

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水曜日, 7月 11, 2007

メシマコブ菌糸体(改訂版)

○メシマコブ菌糸体

 メシマコブ菌糸体培養技術を完成させた韓国では、その薬理研究が産学協同で進められ、開発された製剤は1993年に韓国政府から抗ガン剤の認可を受けた。そしてこの開発研究は韓国内で高く評価され、兪益東(韓国生命工学研究所)は98年度の茶山技術賞を受賞している。

 開発に当たり韓国では既に90年ごろから多数の薬効研究が発表されているが、兪益東も携わった著名な研究として、抗ガン剤(抗ガン性抗生物質)のアドリアマイシン(ADR)を併用した比較実験がある。無菌マウスに黒色腫(メラノーマB15F10)を移植後、①メシマコブ菌糸体の熱水抽出物(以下、エキスと表記)を100mg/kg、②ADR(0.1mg/kg)、③エキス+ADR、をそれぞれ投与すると、対照群(無投与)は20日後に、①と②は40日後に生存率0となったが、③の併用グループは60日後の生存率が40%であった。そこでADRを3倍濃度の0.3mg/kgにすると、②のADR単独投与では60日後の生存率が20%に向上、③のエキス併用では60日後の生存率が90%にも達したのである。

 抗ガン剤と相補的に作用することを実証したこの実験成果は、現実的なガン治療にとって極めて有益であり、順次こうした研究成果が報告されていったことから、安全性のチェックを経て医薬品に認可されたのである。さらに細菌の兪らによる研究では、自家免疫疾患が一因となるインスリン依存症(Ⅰ型)糖尿病を持つマウスに対しても、メシマコブ菌糸体エキスは血糖値を正常にし、発病を抑制する効果を示したことも発表している。この培養菌糸体エキスはわが国への導入され、多くの基礎研究や臨床報告が行われている。

 国内の研究では、中村友幸(アイ・ビー・アイ応用キノコ研究所)らによる活性酸素消去作用に関する報告がある。中村らは国内で採取した野性メシマコブの菌糸体を使い、廊下やガンの原因となるスーパーオキシドアニオンラジカル(活性酸素)の消去活性試験を行なった結果、12種類(ヒメマツタケ、マイタケ、マンネンタケ、ヤマブシタケ、シイタケ、ハタケシメジ、ホンシメジ、カンゾウタケ、ヌメリスギタケモドキ、エリンギ、ナメコ、メシマコブ)の菌糸体培養成分の中で、メシマコブ(PL-08株)が最も高い活性を示し、抗酸化物質として知られているビタミンCの約2倍の消去活性を有することが示唆されたとしている。

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火曜日, 7月 10, 2007

メシマコブ(改訂版)

○メシマコブ

 タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、学名はPhellinus linteus。メシマコブのいう和名は、男女群島(長崎県)の女島に多くの野性株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを越えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだといわれている。

 わが国のキノコ薬効研究所の黎明期に当たる1968年に、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性化比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西條病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後は野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難でメシマコブの入手難は改善することがなかったが、近年、韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が完成、日本ではメシマコブ子実体の人工栽培法が確立している。

 子実体の人工栽培を確立したのは、長野県松本市で各種薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンで、2001年春、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に目処をつけ「S-ME菌」と命名された。同年の秋からは量産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになっている。この人工栽培の成功によって、メシマコブ子実体の基礎研究が大きく前進するものと期待されている。

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月曜日, 7月 09, 2007

ハタケシメジ(改訂版)

○ハタケシメジ

 ホンシメジと同じキシメジ科のキノコで、学名はLyophyllum decastes。夏から秋にかけて林、草地、道端などに生える。傘は径4~9cmで、ほとんど平らに開く。傘の表面は灰褐色、裏側は灰白色で細かいヒダがある。柄は5~8cm。株の根本は菌子束となって伸びる。北半球の温帯に分布している。

 味は天下一品とされるホンシメジと同様、風味が優れているため、様々な方法で人工栽培が試みられたが成功しなかった。しかし、王子製紙森林資源研究所が人工栽培技術を確立して大量生産に成功、機能性が期待される健康食品の一員にも加わることになった。ホンシメジはマツタケのように土中に生きた根に共生する菌根菌であるのに対し、同属でありながらハタケシメジは土中に埋もれて腐朽の進んだ木片に繁殖する腐生菌としての性質を持っていたことが、人工栽培の成功につながったといわれている。

 他の多くのキノコ類に抗ガン作用が見出されていることを受けて、ハタケシメジの機能性研究もその抗ガン活性の検証から着手され、1998年の日本癌学会総会においてその効果に関する学会発表がなされた。「ハタケシメジに含まれる抗腫瘍活性多糖の分離・精製とその構造」(三重大学医学部薬理学教室・伊藤均、同大生物資源学部・久松眞、永昌源総合研究所・卯川裕一)である。キノコの抗ガン作用研究にとって画期的なこの学会発表は、伊藤によるハタケシメジの実験を基礎としたものであった。その実験はハタケシメジの熱水抽出画分(F-1)と、それをアルコール沈殿させた画分(F-2)の2つを調整し、それぞれ0.5%、0.1%に希釈して、0.3mlを15週齢の雌マウスに腹腔内投与、2時間経過後に腹腔浸出細胞(主にマクロファージ)を採取してC3抗原を定量するというものであった。その結果、C3抗原(抗原抗体反応によって活性化される血清タンパク酵素系の溶血・溶菌反応に必須の物質)が最高15倍にも上昇することが観察された。この現象はマクロファージが強く活性化されたことを意味する。

 次いでザルコーマ180固形ガンを5週齢の雌マウス12匹(6匹2群)に移植、その内の1群にハタケシメジの熱水抽出画分(10mg/kg)を10日間連続して投与(注射)した。その結果、対照群(6匹)は全て罹患し、その内の3匹は35日目までに死んだが、投与群(6匹)は100%全て健全であった。

 その後行われた実験では、上記F-2画分をイオン交換クロマト法、ゲル濾過法で8種類の画分に精製し、ザルコーマ180固形ガンを移植した5週齢の雌マウスに、腹腔内投与(注射)及び胃ゾンデによる経口投与を行なった。その結果、移植4週後の生存率は精製した2画分で100%、ガン完全消失率も90%という好結果を見たのである。また、経口投与でも46%と高い腫瘍抑制率を示した。同研究グループは、第58回日本癌学会総会でも「ハタケシメジ由来の精製多糖の抗腫瘍効果とその作用機序」を発表している。

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土曜日, 7月 07, 2007

AHCC(改訂版)

○AHCC

 AHCCはActive Hexose Correlated Compound(活性化糖類関連化合物)の略で、複数の坦子菌類(キノコ)の菌糸体を長期間培養して得られる菌糸体培養抽出物の名称である。1986年にアミノアップ化学と東京大学薬学部・岡本敏彦の共同研究によって開発され、その後、北海道大学医学部、帝京大学医学部、関西医科大学などの研究者や医師らによる共同研究を通じて、肝臓病や糖尿病の改善、免疫賦活によるガンの予防などに効果のあることが明らかにされてきた。

 現在までに国際エイズ会議(1994年)、ヨーロッパ外科学会(97年)、日本がん予防研究会(97年)、日本癌学会総会(98年)、日本薬学会(99年)など数多くの学会で、AHCCの抗ガン作用に関する研究成果が報告されている。

 一般にキノコの抗ガン作用は主成分のβ-グルカンによるものとされているが、AHCCにはβ-グルカンに加え、アセチルかされたα-グルカンが含まれている。この成分はα-グルカンにアセチル基が付加したもので、デンプンなどのα-グルカンとは性質が異なり、特別な条件化で菌を培養することによって産生される物質である。β-グルカンに比べて低分子(分子量は約5000)であることが特徴で、これがAHCCの特異的な免疫賦活作用を担っているのではないかと考えられている。

 AHCCはまた、B型及びC型のウイルス性慢性肝炎、糖尿病、慢性関節リューマチ、自律神経失調症など、治療の難しい疾患に用いて有効性があったとする報告も多い。1994年には細川真澄男(北海道大学医学部)、山崎正利(帝京大学薬学部)、上山泰男(関西医科大学)らが中心となり、AHCC研究会が発足し、国内外の研究者を多数集めて世界的な規模での基礎・臨床研究が行われている。

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