○土通草(どつうそう)
日本の北海道から九州にかけて分布するラン科の大型の多年草ツチアケビ(Galeola septentrionalis)の果実を用いる。ツチアケビはナラタケと共生する腐生ランで、葉がなく、全体が黄褐色をしている。草丈は50~100cmで、秋に赤いバナナのような肉質の果実をつける。
この果実がアケビに似て、土から生えることからツチアケビと呼ばれ、アケビの漢名である通草(現在は木通)をつけて生薬名を土通草と称している。つまり土通草というのは和製漢名であり、日本独自の薬草で中国では用いられていない。
日本では古くから強壮・強精・利尿の効能があるとされ、果実を煎じて服用する。甘草とともに煎じて淋病に用いる。また黒焼きにして頭髪油と混ぜて頭部のできものに塗布する。
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