○天竺黄(てんじくおう)
イネ科マダケ(Phyllostachys bambusoides)や青皮竹(Bambusa texilis)、大竹節(Indosasa crassiflora)などのタケに寄生する竹黄蜂によって穴が開き、竹の節の間に溜まった塊状のものを天竺黄という。しかし、自然に産するものは少ないので、竹を人工的に過熱して出てきた液体、つまり竹瀝を凝固させ、乾燥させてできたものを用いる。軽くサクサクとした白っぽい塊で、砕けやすく断面にはつやがある。なめると舌に粘り、甘くて涼感がある。
成分には水酸化カリウムやケイ酸などが含まれる。漢方では清熱・化痰・定驚の効能があり、熱病で意識が混濁したり、脳卒中で痰が胸に詰まって苦しいとき、癲癇や小児のひきつけなどに用いる。小児での痰熱驚風の要薬といわれ、とくに小児の熱病にみられる呼吸困難やひきつけ、夜泣きなどに用いる。
小児のひきつけや発熱時の呼吸困難などに白僵蚕・牛黄などと配合する(小児回春丹)。日本でも脳卒中や小児のひきつけなどに用いる伝統的な練り薬、烏犀圓の中に天竺黄が配合されている。また竹瀝の代用として用いることがある。
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