○天葵子(てんきし)
中部地方以西、朝鮮半島、中国などに分布するキンポウゲ科の多年草ヒメウズ(Semiaquilegia adoxoides)り全草を天葵といい、塊根を天葵子という。塊根が烏頭に似て小型なためヒメウズといい、その形がネズミの糞に似ているため千年老鼠屎という異名がある。田端のあぜや石垣の隙間などに生える雑草で、4~5月頃に小さな花を下向きにつける。
根にはアルカロイド、ラクトンなどが含まれ、抗菌作用が知られている。漢方では清熱・解毒・利尿の効能があり、皮膚の化膿や腫れ物、乳腺炎、蛇による咬傷や打撲傷、膀胱炎などに内服あるいは外用として用いる。
外用としては新鮮な天葵子の根をすりつぶした汁を用いる。近年、中国では注射液による上気道炎の治療や乳癌や肝癌、リンパ肉腫などに対する臨床研究が行われている。
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