○知母(ちも)
中国東北部から北西部にかけて分布し、日本にも江戸時代に渡来し、栽培されているユリ科のハナスゲ(Anemarrhena asphodeloides)の根茎を用いる。葉がスゲに似て花がそれより美しいためその名がある。中国河北省が主産地として有名で、品質の良いことから西陵知母ともいわれている。
知母にはステロイドサポニンのチモサポニンやキサントン配糖体のマンギフェリンなどが含まれ、抗菌・解熱・血糖降下作用などが認められている。漢方では清熱瀉火・滋陰清熱の効能があり、発熱による脱水や煩躁、肺病の咳嗽、便秘、排尿障害などに用いる。
とくに実熱と虚熱の区別なく、高熱や微熱のいずれにも応用できる特徴がある。また滋潤作用があるため、熱病による口渇や煩熱など脱水症状のほか、陰虚による口渇やのぼせ、手足のほてり、興奮症状にも効果がある。このため知母は「上にて肺熱を清し、下にて腎を滋潤する」といわれている。
近年、ハナスゲの根の成分サルササポゲニンに由来するポルフィリンに脂肪細胞の分化を促進し、増殖させ、脂質を蓄積させる作用が発見され塗るだけでバストアップ効果があると注目されている。
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