○蜘蛛(ちしゅ)
コガネグモ科のオニグモ(Aranea ventricosa)の全虫を用いる。オニグモはダイミョウグモともいわれ、日本各地に分布する。全体が黄褐色で腹部は丸くて大きく、体長はオスが約2cm、メスが約3cmである。夕方になると大きな円い網を張り、朝にたたむ習性がある。このクモを捕獲した後、沸騰した湯につけて殺し、取り出して乾燥する。
漢方では解毒・消腫の効能があり、陰囊ヘルニアや顔面神経麻痺、ひきつけ、腫れ物、毒虫の咬刺傷などに用いる。金匱要略では陰狐疝気(陰囊ヘルニア)のときに蜘蛛をあぶったものを桂枝と配合して用いている(蜘蛛散)。
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