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月曜日, 9月 02, 2013

茜草根

○茜草根(せんそうこん)

 日本をはじめ中国・東南アジアからヒマラヤにかけた広く分布するアカネ科の多年草アカネ(Rubia cordifolia)の根および根茎を用いる。

 根が赤いことからアカネという名があるが、アカネは古くから茜染めの染料として有名である。茜染めはあらかじめ灰汁につけて乾かした布を、根を煎じた液で数十回も浸して染めるもので、灰汁の濃さで赤から黄色になる。色素成分のアリザリンが合成されるようになってから染料としての栽培はすたれてしまった。現在、工芸染料としては専らセイヨウアカネ(R.tinctorum)が用いられ、日本のアカネは用いられていない。

 アカネの根にはオキシアントラキノン誘導体のプルプリン、ムンジスチンなどが含まれ、止血、抗菌、去痰作用などが認められている。漢方では止血・活血の効能があり、子宮出血や鼻出血、吐血、あるいは無月経や産後の悪露に用いる。生で用いると活血作用が強く、炭にしたものは止血作用が強い。

 喀血や吐血、鼻血、歯肉出血などには大薊・小薊などとともに炭にして用いる。(十灰散)。ヨーロッパでは古くから赤色染料の原料として栽培されているセイヨウアカネも黄疸、浮腫、無月経、尿路結石などの治療に用いられていた。2004年、厚生労働省はセイヨウアカネから抽出されたアカネ色素の発癌性が報告されたため、食品添加物としての使用を禁止した。

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