○穿心蓮(せんしんれん)
マレーシアからインドにかけて分布しているキツネゴマ科の一年草センシンレン(Andrographis paniculata)の地上部全草を用いる。中国では長江以南の温暖な地域で栽培されている。漢方医学では穿心蓮と呼び、インドのアーユルヴェーダではカンジャンと読んでいる。最近、日本ではアンフィスとも呼ばれている。
成分には苦味質のアンドログラフォライドが含まれ、抗菌・抗ウイルス、抗炎症作用のほか、胆汁の流れを促進し、肝臓を保護する作用が認められている。漢方では清熱解毒の効能があり、咽頭炎、気管支炎、細菌性腸炎、膀胱炎、皮膚化膿症、湿疹に用いる。黄連の代用に用いることもある。
生の汁や煎液は腫れ物や、咬傷、中耳炎などの外用薬としても利用されている。近年、中国では錠剤や注射薬としても開発され、さまざまな感染症に応用されている。インドでは新鮮な葉から汁をとり、カルダモンやシナモンと混ぜて錠剤にしたものが細菌性赤痢などの下痢症状の治療に用いられている。
インドネシアでは利尿・解熱薬のほか、堕胎薬としても用いている。スウェーデンでは20年以上前からエキス剤が風邪薬(KoldKare)として一般的に利用されている。近年、日本でもエキス剤が発売され、胆石の予防や二日酔いなどに有効といわれている。欧米では、癌やエイズに対しても効果が期待され、ブームになっている。
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