○鷓鴣菜(しゃこさい)
温暖な地域の沿岸や河口付近に分布する海藻コノハノリ科のセイヨウアヤギヌ(Caloglossa leprieurii)の全藻を用いる。かつて鷓鴣菜を日本の駆虫薬である海人草の別名とする説もあったが、海人草は紅藻類のフジマツモ科のマクリ(Digenea simplex)のことである。ちなみに鷓鴣とは中国南部に生息する鶉に似た鳥のことである。
アヤギヌは1~4cmくらいの紫色の偏平な海藻で岩や防波堤に付着している。鷓鴣菜は海人草と同様にカイニン酸を含み、鷓鴣菜の煎液には回虫の駆虫作用が認められる。内服による副作用はほとんどないが、とき下痢、悪心、めまいがみられることがある。
漢方でも駆虫の効能があり、回虫や蟯虫の駆虫薬として大黄・甘草と配合して用いる(三味鷓鴣菜湯)。また南西諸島から台湾、フジマツモ科のハナヤナギ(Chondria armata)を南西諸島ではドウモイと呼んで、古くから駆虫薬として用いていた。その有効成分はドウモイ酸と呼ばれ、カイニン酸より強力といわれる。
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