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水曜日, 3月 27, 2013

赤石脂

○赤石脂(しゃくせきし)

 中国の各地で採掘される赤褐色ないしは淡紅色のケイ酸塩類の粘土状鉱物ハロイサイト(Halloysite)の一種を用いる。神農本草経には五色石脂として収載されているが、古来よりおもに赤石脂と白石脂が薬用にされてきた。

 赤石脂の主成分は含水ケイ酸アルミニウム(Al2O3・2SiO2・4H2O:カオリナイト)であるが、酸化第二鉄(Fe2O3)を多く含むため赤色を帯びている。また脂のような滑らかさや光沢があるため赤石脂の名がある。

 鉄分のほかにもマグネシウム、カルシウム、マンガンなども少量含まれている。アルミニウム類薬物は胃腸ではほとんど吸収されず、内服では胃腸の局所作用が種であるといわれる。一般に収斂・吸着作用が強いとされ、下痢や出血、潰瘍などに効果がある。

 漢方では止瀉・止血・生肌の効能があり、慢性の下痢や血便、脱肛、遺精、子宮出血、皮膚潰瘍などに用いる。遷延化した細菌性腸炎などによる下痢、粘血便、膿便、腹痛に粳米・乾姜などと配合する(桃花湯)。不性器出血や帯下などに代赭石・五霊脂などと配合する(震霊丹)。

 内蔵下垂や脱肛などには黄耆・柴胡などと配合する(提肛散)。熱病に伴う痙攣やひきつけ、半身不随、顔面神経麻痺などに竜骨・牡蠣などと配合する(風引湯)。また外傷や皮膚潰瘍にも外用する。

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