○紫金牛(しきんぎゅう)
日本全土や朝鮮半島、中国に分布するヤブコウジ科の常緑小低木ヤブコウジ(Ardisia japonice)の茎葉を用いる。日本の民間薬ではヤブコウジの根を用いる。中国では根を紫金牛根というが、茎葉を薬用とすることが多い。冬に赤い実をつけるので盆栽として、また正月の床の間に飾る植物として親しまれている。
成分にはベンゾキノン誘導体のラパノン、ベルゲニンなどが含まれ、ラパノンは回虫、条虫に対して強力な殺虫作用があり、ベルゲニンは鎮咳作用が報告されている。紫金牛は中国の民間薬として有名で、かつては牛馬の駆虫薬として知られていた。
中国医学では止咳・利水・活血の効能があり、慢性気管支炎や肺結核などによる咳嗽のほか、黄疸、膀胱炎、慢性腎炎、下血、打撲傷などにも用いる。咳嗽や喘息などに用いる中成薬の中に平地木の名でしばしば配合されている。
日本では胸の痞えを捕る効能があるとして消化不良や腹痛に用いたり、湿疹や腫れ物、膀胱炎、咳止めなどに用いる。小児の頭にできた湿疹に煎液で患部を洗う方法もある。
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