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木曜日, 1月 10, 2013

サフラン

○サフラン

 ヨーロッパ南部、小アジア原産と考えられているアヤメ科の多年草サフラン(Crocus sativus)の雄しべの花柱を用いる。キク科のベニバナの花を紅花というのに対し、番紅花と呼ばれている。

 日本に生薬として伝えられたのは江戸時代の半ばであり、球根が伝えられたのは江戸時代の末期のことである。今日、大分県竹田市において室内で花を咲かせる栽培方法で国内生産量の8割以上を生産している。クロッカスの一種で、淡紫色の花弁の中に黄色い葯をもつ3本の雌しべと、鮮やかな橙赤色で先が3つに分かれた花柱をもつ雌しべがみられる。

 乾燥した花柱は色素や芳香成分を含み、菓子や料理の香料や着色料、また染料としても用いられる。花柱を1オンス(約30g)集めるには4300の花が必要とされ、非常に高価なものである。

 花柱の成分には苦味成分のピクロクロシンや紅色色素クロシン、精油成分のサフラナールなどが含まれ、動物実験で子宮収縮作用が認められている。ヨーロッパでは健胃薬や鎮静・鎮痛・通経薬として知られ、痛風などにも用いられた。

 中国では活血・通経・清心の効能があり、血を調えて気分を爽やかにし、うつ症状や胸苦しさをなくす。月経異常、産後の腹痛、麻疹の初期などにも用いる。日本の民間では生理痛、生理不順に用い、婦人薬の盬竃蠻紅華湯などにも配合されている。また風邪や気分の落ち着かないときには、花柱10本程度に熱湯を注いで飲む。ただし妊婦の使用は避けたほうがよい。

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